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第八章 真実は何処に
青い絵の具
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「ミリアちゃん、はい紅茶」
そう言って、店主のエイムズがミリアにラッピングした紅茶を手渡してくる。
そんなエイムズに、ミリアは、やはり躊躇いがちにこう言った。
「これ、本当に貰っちゃっていいんでしょうか」
そう言って遠慮するミリアに、エイムズは、気にするなとばかりに片手を横に振るとこう言った。
「いいって、いいって。オルコット家のセシルとキャロルはね、剣士団副団長の息子さんと娘さんなんだよ。これがまた、剣士団団長を務めるシールズ家と仲が悪くてね。いやね、当主同士は仲が良いんだが、奥さんと子供たちがねぇ……」
そう言って、ため息を吐くエイムズ。
そんなエイムズの言葉に、ミリアも眉を顰めて苦笑する。
そんなミリアを気の毒そうに見つめると、エイムズは掛けていた眼鏡をふきふきこう言った。
「だから、さっきみたいに互いの行動を比べてみては、ああして、『自分の家の格の方が高い』とか『低い』とかって、張り合ってるのさ。巻き込まれるこっちは、ミリアちゃんみたいに、いい迷惑ってね」
「はは、確かにそうですね」
そう乾いた笑みを漏らすミリアに。
エイムズは片目を閉じるとこう言った。
「だから、有難く貰っておきなさい」
そう言って、紅茶を差し出すエイムズの手から、ミリアは少し躊躇いながらも嬉しそうに紅茶を受け取るのであった。
「あと、何か必要な物はあるかい?」
そんなエイムズの問いに、ミリアは手に持った品物と、頭の中にある買わなくてはいけない物を思い描いてこう言った。
「あと、このドリップコーヒーと、オレンジピールチョコレートひと箱と、石けん二つとトイレ用の紙を一束下さい」
「はいよ」
そう言って、エイムズがミリアから商品を受け取り、代金の計算をしていると。
「エイムズさん、青い絵の具って、今、在庫ある?」
そう言って、身軽で明るい若者が一人、店内に飛び込んできた。
「あるよ、どれがいい?」
そう言って、絵の具のストックをレジ裏から取り出すエイムズ。
と、その時――。
「あ、アキさん!」
ミリアがそう声を上げると、アキも驚いたようにこう言った。
「あれー? ミリアちゃん、買い物?」
「はい。アキさんも?」
「うん、青い絵の具を切らしちゃってね」
そう言って、エイムズが出した青い絵の具を真剣に品定めしながら選ぶアキ。
そんなアキを、ぼおっーっと見ていたミリアは、ハッと思い出してこう言った。
「アキさん! 今夜、[狼と子羊亭]に来ることって出来ます?」
「大丈夫だけど。何かあったの?」
そう言って、怪訝そうに眉を顰めるアキに。
ミリアは、一瞬、躊躇いながらもこう言った。
「実は、アイザックさんと取引して」
「取引?」
その言葉に、不穏なものを感じたのだろう。
アキは、眉を怒らせ、真剣な眼差しでミリアに詰め寄るとこう言った。
「ミリアちゃんが嫌だと思うような、変な取引はしてないよね?」
「はい、アイザックさんが知っているガイさんのことを全て話して貰う代わりに、ガイさんがアキさんに会わせたいっていう人と会って、話をするっていう取引です。アキさん、興味ありますか?」
ミリアのその問いに、アキは、口元に片手を当てると、少し考えるようにこう言った。
「本当に、アイザックさんは俺の兄さんのこと話してくれるって?」
「はい、絶対に話すって保証してくれました」
そう断言するミリアの瞳を探るようにじっと見つめると。
アキは、観念したようにこう言った。
「……分かった、行くよ。あ、ミリアちゃんも来るの?」
「はい。私も、アイザックさんに呼ばれてますから。ただ、アキさんのお兄さんのことなのに、私も同席っていうのはアキさんのがいるのに、どうかなぁーとは思うのですけど」
と、そう言ってアキの様子を上目遣いに伺うミリアに。
アキは、微かな笑みを浮かべてこう言った。
「別に、俺はミリアちゃんが嫌じゃなければ構わないよ」
「良かった」
そう言って、胸を撫で下ろすミリアに。
アキは、小さく微笑むと、話を締めるようにこう言った。
「それじゃあ、夕方[狼と子羊亭]ってことで良いかな?」
「はい、分かりました。お兄さんのこと、たくさん分かるといいですね!」
そう言って、屈託のない笑顔を浮かべるミリアを眩しそうに見つめながら。
アキは、青い絵の具を数本エイムズに差し出すと、にっこり笑ってこう言った。
「うん、ありがとね、ミリアちゃん」
「じゃあ、アキさん。また後で!」
こうして、アキと連絡が取れたミリアは、[狼と子羊亭]に行く前に、一度、公共浴場に行くため、一路、自宅へと急ぐのであった。
そう言って、店主のエイムズがミリアにラッピングした紅茶を手渡してくる。
そんなエイムズに、ミリアは、やはり躊躇いがちにこう言った。
「これ、本当に貰っちゃっていいんでしょうか」
そう言って遠慮するミリアに、エイムズは、気にするなとばかりに片手を横に振るとこう言った。
「いいって、いいって。オルコット家のセシルとキャロルはね、剣士団副団長の息子さんと娘さんなんだよ。これがまた、剣士団団長を務めるシールズ家と仲が悪くてね。いやね、当主同士は仲が良いんだが、奥さんと子供たちがねぇ……」
そう言って、ため息を吐くエイムズ。
そんなエイムズの言葉に、ミリアも眉を顰めて苦笑する。
そんなミリアを気の毒そうに見つめると、エイムズは掛けていた眼鏡をふきふきこう言った。
「だから、さっきみたいに互いの行動を比べてみては、ああして、『自分の家の格の方が高い』とか『低い』とかって、張り合ってるのさ。巻き込まれるこっちは、ミリアちゃんみたいに、いい迷惑ってね」
「はは、確かにそうですね」
そう乾いた笑みを漏らすミリアに。
エイムズは片目を閉じるとこう言った。
「だから、有難く貰っておきなさい」
そう言って、紅茶を差し出すエイムズの手から、ミリアは少し躊躇いながらも嬉しそうに紅茶を受け取るのであった。
「あと、何か必要な物はあるかい?」
そんなエイムズの問いに、ミリアは手に持った品物と、頭の中にある買わなくてはいけない物を思い描いてこう言った。
「あと、このドリップコーヒーと、オレンジピールチョコレートひと箱と、石けん二つとトイレ用の紙を一束下さい」
「はいよ」
そう言って、エイムズがミリアから商品を受け取り、代金の計算をしていると。
「エイムズさん、青い絵の具って、今、在庫ある?」
そう言って、身軽で明るい若者が一人、店内に飛び込んできた。
「あるよ、どれがいい?」
そう言って、絵の具のストックをレジ裏から取り出すエイムズ。
と、その時――。
「あ、アキさん!」
ミリアがそう声を上げると、アキも驚いたようにこう言った。
「あれー? ミリアちゃん、買い物?」
「はい。アキさんも?」
「うん、青い絵の具を切らしちゃってね」
そう言って、エイムズが出した青い絵の具を真剣に品定めしながら選ぶアキ。
そんなアキを、ぼおっーっと見ていたミリアは、ハッと思い出してこう言った。
「アキさん! 今夜、[狼と子羊亭]に来ることって出来ます?」
「大丈夫だけど。何かあったの?」
そう言って、怪訝そうに眉を顰めるアキに。
ミリアは、一瞬、躊躇いながらもこう言った。
「実は、アイザックさんと取引して」
「取引?」
その言葉に、不穏なものを感じたのだろう。
アキは、眉を怒らせ、真剣な眼差しでミリアに詰め寄るとこう言った。
「ミリアちゃんが嫌だと思うような、変な取引はしてないよね?」
「はい、アイザックさんが知っているガイさんのことを全て話して貰う代わりに、ガイさんがアキさんに会わせたいっていう人と会って、話をするっていう取引です。アキさん、興味ありますか?」
ミリアのその問いに、アキは、口元に片手を当てると、少し考えるようにこう言った。
「本当に、アイザックさんは俺の兄さんのこと話してくれるって?」
「はい、絶対に話すって保証してくれました」
そう断言するミリアの瞳を探るようにじっと見つめると。
アキは、観念したようにこう言った。
「……分かった、行くよ。あ、ミリアちゃんも来るの?」
「はい。私も、アイザックさんに呼ばれてますから。ただ、アキさんのお兄さんのことなのに、私も同席っていうのはアキさんのがいるのに、どうかなぁーとは思うのですけど」
と、そう言ってアキの様子を上目遣いに伺うミリアに。
アキは、微かな笑みを浮かべてこう言った。
「別に、俺はミリアちゃんが嫌じゃなければ構わないよ」
「良かった」
そう言って、胸を撫で下ろすミリアに。
アキは、小さく微笑むと、話を締めるようにこう言った。
「それじゃあ、夕方[狼と子羊亭]ってことで良いかな?」
「はい、分かりました。お兄さんのこと、たくさん分かるといいですね!」
そう言って、屈託のない笑顔を浮かべるミリアを眩しそうに見つめながら。
アキは、青い絵の具を数本エイムズに差し出すと、にっこり笑ってこう言った。
「うん、ありがとね、ミリアちゃん」
「じゃあ、アキさん。また後で!」
こうして、アキと連絡が取れたミリアは、[狼と子羊亭]に行く前に、一度、公共浴場に行くため、一路、自宅へと急ぐのであった。
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