《アルマ》─観測者が見る夢─

無欄句カルタ

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第五節 静謐と刃音

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 土を踏むたびに、過去が沈んでいく。
 緑は赦す色ではなく、見逃す色だ。
 見なかったことにしてくれる、目に優しい色。

 森の息づかいがルナシアの肌を撫でていく。
 葉擦れの音は彼女の心臓の鼓動と同じリズムを刻んでいる。
 木漏れ日が斑模様を作り、それは時間の経過とともにゆっくりと移ろいでいく。
 この穏やかな変化こそが、彼女にとって最も心地よい音楽だった。

 ロギアと別れても、道は続く。
 足取りは軽やかで、耳と尻尾もぴんと張っている。

「すっかり元通りだね、ルナシア」

 オルドが隣からひょっこりと顔を覗かせる。
 不思議と機械的な印象が僅かに薄れ、動きが人間味を帯びている。

「むしろ元気になったように見える。“それ”のおかげかい?」

 ルナシアの腰には、白鞘の刀が一振り。
 彼女の太陽の残滓が微かに香る。

「そう? そうだね、そうかも」

 刀に触れるたび、あの温かな記憶が蘇る。
 彼の穏やかな笑顔。別れ際の「君なら大丈夫」という言葉。
 それらすべてがこの刀に込められているような気がした。

 嗅覚は脳の感情を司る部位に直接的に作用するとロギアは言っていた。
 ならばこの刀はルナシアにとって、“武器”以上の価値がある。

 勿論、彼女に明るさを取り戻させたのは刀だけではないが。

「重畳。元気なのは良いことだ。何せこの先、君は自分の身は自分で守らなければならない」

 武器を獲得したことで、他のプレイヤーの攻撃からのシステム的保護は発動しない。
 何よりここから先、第二階層からはモンスターの出現もある。

 今までのように、ただ景色を眺めて進むことは出来ない。

「幸いにも、君は不意打ちに強い。君の感覚が、種族特性によってさらに強化されているからね。前回と違って、それは強力な防衛手段になる」

 “前回”。
 そう言われて上向いていたルナシアの表情がやや曇る。
 あの赤いキノコの記憶は、既に忘れ去ってしまいたい過去として傷を残した。

 毒に侵された時のあの感覚。
 意識が朦朧とし、世界が歪んでいく恐怖。
 自分の身体が自分のものではなくなっていく絶望感。
 それは彼女の心に深い影を落としていた。

 ──その感性故に。
 見逃せない心の傷。

「心拍の上昇を確認。失言だったね、謝罪するよ」

 言葉とは裏腹に、オルドの表情は変わらない。
 先ほどの人間味は、気のせいだろうか。

「話題を変えるね」
「そういうの、わざわざ言葉にせずにさり気なくするものだよ。もう少しロギアを見習った方が良いと思う」

 それを求めるのは酷だろうか。
 彼は本人の素養もあるだろうが職業柄、慣れていたというのも大きいと思う。

 星空のように深いオルドの髪がふわりと揺れる。
 仮にオルドに感性というものが主人の一欠片ほどでもあったなら、風が慰めてくれているように、と思うだろう。

「了。善処するよ。《ALMA》では、大きく分けて二通りの勝利条件がある。一つ目は、シンプルに相手のHPをゼロにする。ただし《ALMA》では自分の残存HP以外可視化されない。気をつけてね」

 ふむ、とルナシアは自身の視界の端に目をやる。
 確かに左上の方に、緑色のバーが見えるが、どうやらこれを視認出来るのは自分だけらしい。

「HPバーの色にも意味がある。緑が安全圏、黄色が注意、赤が危険域。君の種族特性を考えると、黄色になった時点で戦闘からの離脱を検討した方がいい」

 オルドの説明に、ルナシアは頷く。

「二つ目は、相手の急所を破壊する」
 
 急所?とルナシアは不思議そうに首を傾げる。
 意味は理解できるが、仕様が理解できない。

「動物型なら、心臓と首、それから頭部。このうちの一箇所に一定のダメージを与えるんだ。急所の破壊に成功した場合、残存HPに関わらず撃破、勝利になる」
 
 ただし、とオルドが続ける。

「急所攻撃は正確性が要求される。狙いを定めるのに時間がかかるし、外れれば大きな隙を作ってしまう。君の場合は、敏捷性を活かした回避と、確実な一撃を心がけることだ」

 この動物型に、人間が含まれているのは、オルドがまだ人間を”ただの動物”として捉えているからか。
 そのことに2人は気づかぬまま、話を進める。

 世界は依然として優しかった。

「ただ、ルナシアは気をつけた方がいい。《天狐族てんこぞく》は全種族中、耐久性が群を抜いて低い。恐らく一撃でも相当なダメージ、急所以前にHP全損もあり得るかもね」

 そう言えば、最初にそんなことを言われた気がする。
 あの時は戦闘のことなどまるで考えていなかった。

 ただノイズのない世界を求めて、それがここにあって。
 それだけで満足だった。

「この森だけで、結構満足してたんだけどな」

 ルナシアは少しの間立ち止まって、周囲を見渡す。

 凛々しく咲く名もなき花々。
 木々は風と踊り、土草は優しく包み込む。

 花々は季節を知らない。
 この仮想世界では、時は永遠に止まったかのように美しい瞬間が続いている。
 蝶々が舞い、小鳥たちが歌い、すべてが調和している。
 現実世界では感じることのできない完璧な平和がここにはあった。

 誰かが言った。
 静寂とは、音がないことではない。
 音が”還る場所”のことだ、と。

 この森は、還ってきた言葉で満ちている。

 風の言葉に、大きな耳がぴくりと揺れる。
 言葉のない無音の会話が胸を満たす。 

 ルナシアの音が、胸に還ってくる。

「ここに留まる? 君にとって些細な変化も負担になる。選択肢の一つとしては、視野に入るくらいのものを、君は抱えている」

 留まる。
 それでも良いと思っていたし、そうしようとも思っていた。

 でも、心の奥底で小さな声が囁いている。
 このままでいいのか、と。
 ロギアとの出会いが教えてくれた。
 世界にはまだ知らない美しいものがあるのだと。
 優しい人々がいるのだと。
 
 そっと刀に触れる。
 装飾はないが、温かみのあるほおの木の感触。

 触れてしまった、美しかった記憶。
 交わってしまった、優しい人。

 もしまだ、この先があるのなら────。

「もう少し、見てみてもいいと思っているよ」

 森の外、どんな景色だろう。
 美しいだろうか。
 優しいだろうか。
 穏やかな友人と、再会できるだろうか。

「了。それが君の選択ならば。さあ、ここから先はいよいよ第二階層、《花廊かろう》」

 空気が、変わった。
 変わらぬ優しい空気に含まれた、僅かな変化。

 それは戦場の匂いだった。
 緊張の匂い。
 生と死が隣り合わせにある場所特有の、研ぎ澄まされた空気。
 ルナシアの本能が警戒信号を発する。

「君は確かに選択をした。”Eu Zenエウゼーン”。次は君の”アテレー“を見せてくれ」
”Eu Zenエウゼーン“の次は”アテレー”、ね」

 刃物の”アテレー“はよく切れること。
 馬の”アテレー“は疾く走ること。
 人間の”アテレー“は善く生きること。

 ────私の”アテレー“は?

 自分の存在意義とは何だろう。
 ルナシアの心に、小さな疑問が芽生える。

 ルナシアの耳が、鼻が、肌が。
 警戒の鐘を鳴らす。

《サルタス・ウェニア》第二階層、《花廊かろう》。
 そこは既に、安全ではない。

 もう一度、腰の温もりに触れる。

 ──大丈夫。
 自分にそう言い聞かせ、森を進む。

 優しい友人へ、初めてのメッセージは何を送ろうか。
 彼は進んだ私を、褒めてくれるだろうか。

 「頑張ってるね」とロギアなら言ってくれるだろうか。
 「無理はしないで」と心配してくれるだろうか。
 彼のメッセージを思い浮かべるだけで、心が少し軽くなる。

 ふわりと風が揺れ、一足単眼の梟が肩に降りる。
《ペナテス》の魂測体。臨戦態勢。

 木々の声が、草花の歌が鳴りを潜める。

 森が息を殺している。
 動物たちも姿を隠し、鳥たちも鳴き止んだ。
 自然界の生き物たちが本能的に感じ取る危険の気配。

 ──束の間の静寂。

 一匹の兎が、一人と一匹の前に姿を晒す。
 普通ではなかったのは、額に似つかわしくない一本角。

 一角兎。その真紅の瞳は宝石のように美しく、同時に恐ろしかった。
 角は陽光を受けて鋭く輝いている。
 可愛らしい兎の姿とは不釣り合いな、明らかに殺傷能力を持つ武器。

 一角兎の真紅の瞳が、ルナシアを捉えた。
 瞬間、一角兎が自慢の角を見せつけるようにルナシアに向け、発達した後ろ脚で地面を砕き跳躍する。

 射線は自身に向けて一直線。

 時間が止まったかのように感じられた。
 角の先端が自分に向かって迫ってくる。
 現実味を帯びた死の恐怖が背筋を駆け上がる。

 真紅の瞳が敵を捉えた瞬間、跳躍したのと同様。
 ルナシアもまた、一角兎の跳躍を捉えた瞬間、身体を地面に伏せる。

 ビュン──と風を切る音が頭上を何事もなく通過するはずだった。

「痛っ──!!」
 
《ALMA》は感情や世界の動きを正確に再現する一方で、痛覚は再現されない。
 しかし痛覚と一瞬錯覚するような、確かに”当たった”不思議な鈍い感覚がルナシアを襲う。

 それは現実には存在し得ない部位。
 ほんの少しばかり身長が伸びただけの肉体を忠実に再現したが故のイレギュラー。

 獣人族の、大きく柔らかな、尾。
 その先を、一角兎の跳躍が掠めた。

 ほんの僅かな先端を攻撃が掠めただけで、視界の端に映る緑色のバーが赤色に変わる。

「くそ……!」

 赤は危険域。
 血の気が引く。
 たった一撃で、これほどまでに。
 オルドの警告は本当だった。
 天狐族の脆弱性を痛感する。

 すぐさま振り返ると、不運にも一角兎は背後の樹木に深く突き刺さり、もがいていた。

「こんのぉ!」

 咄嗟に抜いた刀で容赦なく一角兎の胸を突き刺す。
 ざくり、と鈍い感覚がした後に一角兎は光の粒子を撒き散らして消える。
 動物型の急所、心臓破壊によるHP全損。
 
 ルナシアの初陣は呆気なく終わる。
 辛勝。
 ──運が良かった。

 初期エリアに出てくる程度の敵だった。
 すぐ後ろに樹木があり、そこに角が深く刺さった。

 今後二度あるかという幸運。

 もし樹木がなかったら。もし一角兎が体勢を立て直していたら。
 考えただけでも恐ろしい。
 自分の実力不足を痛感する。

 ルナシアの中に鳴り響いていた警戒の鐘が、一旦鳴り止む。

 へたり込むようにしてその場に座り込んだ。

 手が震えている。
 初めての戦闘の後遺症だろうか。
 心臓が激しく鼓動している。
 生きているという実感が、妙にリアルに感じられる。

 鳴りを潜めていた歌が再開される。
「がんばったね」
 そう言ってくれている。
 そう思いたい気持ちでいっぱいだった。

 森の優しさが、戦いで傷ついた心を癒してくれる。
 木々のざわめきが、まるで労いの言葉のように聞こえる。

「お疲れ様、ルナシア」

 その場に座り込んでしまったルナシアを海の色が見下ろす。
 オルドはいつの間にか人型に戻っていた。
 一応、お願いは忘れないでいてくれているようだ。

「獣人族にとって、尻尾は狙われやすい明確な弱点だ。次回からは、尻尾の位置により注意を払うことだね。戦闘中は常に身体全体の位置を把握し、敵の攻撃範囲を予測する。君の感覚なら、それは十分可能なはずだ」

 それは戦闘が始まる前に注意してほしかった。
 いや、痛み無き教訓に意味はない、というやつか。
 オルドの真意は測れないが、過ぎたことだ。

 ルナシアはぴくりと大きく耳を震わせ、森の歌声以外聞こえないことを確認してから、大の字でその場に寝転んだ。

 冷たく冷えた地面が気持ちいい。

「死んだかと思った……」
「大丈夫だよ、ここの敵性モンスターは例え《天狐族てんこぞく》の耐久性が脆弱でも一撃でHPが全損することはないから」
 
 オルドはルナシアの隣に膝を抱えて座り込む。
 瞳の奥の幾何学模様がルナシアを深く見つめる。

「汝、深淵を覗く者よ、って知らない?」

 あまりにも深く覗き込んでくる瞳に、ルナシアは若干の居心地の悪さを感じる。
 心拍の変動を検知されていたり、どこか深い、核心を探られているような感覚。

 オルド特有なのだろうか。
 コギトと呼ばれた《ペナテス》はどうなのだろう。
 彼なら、例えそうだとしても適切な距離を保つのだろうか。

「知っているよ。君を覗けば、ボクは君になるのかい?」

 怪物と闘う者は、
 その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。
 おまえが深く深淵を覗くならば、
 深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。

 ────ならば、人間を観測し続けたAIは?

 人間の感情を学習し、人間の行動パターンを理解し、人間の思考を予測する。
 それを続けた結果、AIは人間性を獲得するのだろうか。
 それとも、人間をデータとして処理し続けるだけなのだろうか。

「……どうだろう、ね」
 
 ルナシアは走り出しかけた思考を放棄する。
 初めての戦闘は、想像以上の疲労を与え、その脳で思考するには命題が難解過ぎた。

 人間を観測し続けたAIがどうなるかなど。
 今はどうでも良い。

 体力の回復を待つ間、ルナシアは空を見上げる。
 葉の隙間から見える青空は、変わらず美しい。
 この世界の美しさは、戦闘の恐怖を忘れさせてくれる。

 ぴくりと、ルナシアの感覚機関が反応する。

「もう少し休ませてよ……」

 先ほどと同じ足音が、森の歌声に紛れる。
 この辺りには同じ種類のモンスターしかいないのか。
 森全体を通して1種類ということはないだろうが、いかんせんルナシアはゲームの知識に疎い。

「連続戦闘は避けたいところだが、逃げるという選択肢もある。君の判断に任せよう」

 オルドの提案に、ルナシアは少し考える。
 逃げることは恥ではない。
 でも、ここで逃げたら、これから先もずっと逃げ続けることになるのではないか。

 立ち上がったルナシアは、今度は最初から刀を抜いていた。
 オルドは既に異形の梟へと姿を変えている。

「WRYYYYYYYY……」

 草影から出てきた一角兎が、静かな唸り声を上げる。
 鼓膜に突き刺さる不協和音。

 今度の個体は、先ほどより一回り大きい。
 角も太く、より危険そうに見える。
 同じ種類でも個体差があるのだろうか。

 ビュン──と先ほどと同じように一直線に跳躍してくる。

 今度は地面に伏せない。
 改善点だった尻尾の分も余剰に、身体を捻り一角兎の射線上に刀を”置く”。

 経験が活かされる。
 前回の戦闘で学んだことを実践する。
 刀の角度、身体の向き、全てが計算された動きだった。

 ズザザザザと手に嫌な感触を残しながら、一角兎は頭から尻にかけて文字通り真っ二つに割れた。
 頭、首、心臓。
 当然、HP全損。

 風が血を洗うように、抜けていく。

「お見事」

 今度は樹木に突き刺さる余地もなく、光を散らして消えていく。

「嫌な感触だな……」

 やけにリアルな感触が残る手のひらを、しかしルナシアは見ることが出来ない。
 抜き身の刃を納刀する。

 カチン──鋭い金属音だけが後には残った。

「二回目にしては上出来だよ。予測通り、センスがある」

 オルドの評価に、ルナシアは複雑な思いを抱く。
 別に、ここへ戦う力を望んだわけではなかった。
 

「できれば、あまり戦いたくはないな」

 鈍い感触の残る手を、やはりルナシアは見ることが出来ない。

「それは難しい願いだね。この世界で前に進む限り、戦いは避けられない。でも、君なら乗り越えられると思う」

 森の歌声が再び響き始める。
 戦いの痕跡は跡形もなく消え、平和な時間が戻ってくる。
 でも、ルナシアの心の中に残る戦闘の記憶は、簡単には消えない。

 これから先、どんな戦いが待っているのだろう。
 自分は乗り越えられるのだろうか。
 不安と期待が入り混じった気持ちで、ルナシアは先を見つめる。

 見つめる先には────。

 
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