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4章 新しい高校生活(後編)

第14話 信繁の気持ち

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嬉しいクリスマスプレゼントをもらった翌日の朝・・・。

星華が上目遣いで聞いた。
「ノブ、ネックレスもらった時、言った言葉、覚えてる?」
「あのネックレスには『心を開いて』という意味があるって言葉?」
「うん」

「あの時、少し『ドキ』ってしたの」
「なんで?」

「もう、同棲して、6カ月経つよね」
「うん」

「まだ、セックスしてないよね」
「うん」

「私たち、お互いが精神的に求めていると思うの。
 その部分では、両方ともイーブンだと思うの。
 プラスして私は養ってもらっている。
 嫌な言い方をすれば、ノブシゲは、私のパパさんだと思うの。
 いろいろくれるし・・・。
 今の関係で、あと、私がノブにあげれるものは、
 身体ぐらいしか思いつかない・・・」

・・・

「僕が結婚するまでセックスしないって言ったらどう思う?」
「・・・。
 別に嫌じゃないよ。
 つきあうまで、結婚してからセックスを・・・。
 そんな風に考えていた事もあるから・・・」

「本当に?」
「・・・。たぶん・・・」

「星華がセックスしないと嫌いになるって言うなら、今すぐにセックスするよ。
 星華がセックスしたいって言うなら、今すぐにセックスするよ。
 けど、そうではないのであれば、セックスしない」
「なんで?」

「僕にとって、今、二人で使っているお金はたいした事ない。
 一人で暮らすにしても、同じぐらいかかるよ。
 たとえ、それ以上かかったとしても僕は喜んで払うよ。
 たぶん、星華が考えている以上に、今の僕には星華の存在が大きいんだ。
 だから、一緒に同棲もできるように頑張った。
 僕に恩があるのかもしれないけど、『星華の身体ぐらいしか』
なんて言って欲しくない。
 僕は、今までしたように、おっぱい触ったり、舐めてくれたりしている
だけでもすごく嬉しいんだ。
 もちろん、嫌ならやめるけどね」

「高校生の思春期の男子ってセックスしたいでしょ。
 そういう年頃でしょ。
 我慢できるの?」
「そりゃぁ、セックスしたいよ。
 けど、我慢できるよ」

「なんで?」
「だって星華の不利益な事はしたくないもん。
 もし、子供ができたら、目標の大学も行けなくなる。
 同棲も解消しないといけなくなる。
 そうなったら一生後悔すると思う。
 そのリスクを冒すぐらいなら・・・」

「ごめんね。
 変な事言って・・・。
 友達とかもセックスしている人もいて・・・。
 けど、吹っ切れた気がする。
 とりあえず、セックスはしたくない」

二人の距離は今まで以上に近くなった気がした。


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