［1分読書］ 高校生 家を買う そして同棲する・・・

１１章 息子の結婚

第3話 結婚の報告（2）

もうすぐ時間。
外を見ていると黄色いコンパクトカーが駐車した。

信隆の車じゃないんだ。

GTのエンブレム。
車好きなお嬢さん？
運転もしているし・・・。

そんな印象だ。

僕たちは、みんなで玄関に。

「こんにちは。
　今日は、ありがとう。
　遠い所からお疲れ様」
「本日は、お忙しいところ、お時間を頂きありがとうございます。
　私は、富嶽遥香と申します。よろしくお願いします。
　K-OPENを乗られているんですね。
　お車お好きなのですか？」

「最初に買った車なんだ。
　高校生の時から乗っているから、旧車ですが、けっこう気に入っていて」
「そうなんですね。
　あの車を乗る方は、車好きな方が多いですから・・・」

この人、やっぱり車に詳しい？

「信繁、せっかく来て頂いたのですから、リビングに」
「すみません。気が使えなくて。こちらへどうぞ」

車の話題。
そして、玄関に飾ってあった信繁くんの話題。

気の使える女性だなぁ。
美人さんだし。

「信隆で良かったの？」
「いつも、助けてくれて助かっています」
「なら、良いんだけどね」
「母さん、そんな事言わないでよ」

けど、二人の間に少し距離感を感じる気がするんだよね。
まぁ、良いけど・・・。

それより、『富嶽』という苗字が気になる。

「ごめんね。
　少しだけ席を外させてもらって良い？」
「信繁、どうしたの？」
「ちょっとね・・・」