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犬と、子犬と、楽しい生活
【3】
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※※※
あれから数日たち、二人も新しい生活に慣れてきた。
ただ、一つ困ったことがある。
就寝前、二人が手を繋ぎながら部屋へきて、可愛い舌がペロペロとお互いの体を舐めあう、そんな姿を見せるようになったのだ。
「だから、夜な夜なそういうのを見せようとしなくていい」
肌蹴た胸元はライトの光があたり、子犬たちの濡れた箇所が反射して輝く。
「これが俺とシユのお仕事ですので」
再び行為をし始めようとする二人に服を着るように命じる。
これだけ可愛い犬だとそういう見せ方をして自慢したいという主もいるだろう。
だが、リキョウは望んではいないのだ。
「濡れた姿はあのバカ犬だけで充分だ」
二人の為に用意して置いた。大量の本を指さす。
「本」
シユとシアが目をキラキラとさせる。
「アンデ様から聞いてる。本を読むのが好きなんだってな」
「はい。アンデ様が色々な本を下さいました」
賢い犬を秘書や補佐として傍に置く者もいる。そちら方面の調教を専門にしている調教師がいるくらいだ。
ゆくゆくは知り合いに調教をしてもらうつもりだ。
「今日からお前たちのすべきとは、ユーエンの手伝いとそれを読むことだ。解ったな」
「はい、ご主人様」
「頑張ってお手伝いします。本、ありがとうございました」
笑顔がとても可愛い。
アンデがそう話していたが、本当だとリキョウは二人を眺める。
「あと一つ。夜、俺が部屋に入った後は緊急の用事がない限り近づかないこと」
夜はリキョウにとっても大切な時間だ。
「わかりました」
「よし。行っていいぞ」
「はい。失礼します」
本を半分ずつ手にし、部屋を出ていく。
「さて、と」
上着を羽織り部屋を出る。向かう先はユーエンがいるであろう場所だ。
食堂から奥の扉の先。
「主、あと少しで終わります」
リキョウが降りてきたことはすぐにわかったのだろう。
手を止めてユーエンがこちらへと顔を向けた。
「あぁ、かまわないから続けろ」
朝はいつも焼きたてのふんわりと柔らかいパンをだしてくれる。
そのための仕込みをするユーエンを眺める。
楽しそうに料理を作るその姿を見るのがリキョウは意外と好きだった。
「これを寝かせたら終わりです」
ボウルに入れて濡れた布を上にかぶせて地下倉庫へと持っていく。
常に10度以下の温度が保たれた地下倉庫には野菜や酒類などが置いてある。
パンのタネを置いて戻ってきたユーエンに、
「風呂に行くぞ」
と、抱き上げろとばかりに手を伸ばす。
それも毎度のことなのでユーエンはリキョウを抱き上げて風呂場へと向かった。
脱衣所につき、リキョウの服を脱がせるのもユーエンの仕事である。
先に服を脱ぐように命じてあり、それは脱がされている間にユーエンの引き締まった肉体を堪能するためだ。
指でゆっくりと撫でれば、くすぐったそうな顔をする。そんな姿もすごく好きだ。
服を脱ぎ終え、リキョウは中に入りバスチェアに腰を下ろす。
滑らかな泡が立つ良い香りの石鹸で体を洗い髪を洗うためだ。
互いに触れ合えば気持ちが高ぶってくる。いつもなら欲を放ちあうところなのだが、
「ご主人様、御背中流します」
「僕も」
やたらとやる気満々な子犬たちが中へと乱入してきた。
折角の大切な時間を邪魔された。
「何しにきた! 緊急の用事がない限り近づかないようにと言っておいただろう」
「そうですが、ここはご主人様のお部屋じゃないので」
その言葉に、ぐぅと言葉に詰まる。
確かにリキョウの部屋には近寄るなと言っただけで、此処には近寄ってはいけないとは言っていない。
「駄目、でしたか?」
しゅんと落ち込む二人に、リキョウは出て行けとも、怒ることもできずに肩を震わせる。
「ふっ」
隣でユーエンが吹きだす。
「ユーエン!」
「失礼いたしました」
目を細めて優しげにリキョウを見ている。
その顔をみていたらきゅーっと心が締め付けられる。そんな表情をするようになったのだと。
「わかった。勝手にするがいい」
「よし、我々で主を洗おう」
「はい」
「頑張ります!」
やたらと楽しそうな犬たちを見ていたら、肩の力が抜けていく。
リキョウは唇に笑みを浮かべてユーエンの体に寄りかかる様に背を預けた。
<了>
あれから数日たち、二人も新しい生活に慣れてきた。
ただ、一つ困ったことがある。
就寝前、二人が手を繋ぎながら部屋へきて、可愛い舌がペロペロとお互いの体を舐めあう、そんな姿を見せるようになったのだ。
「だから、夜な夜なそういうのを見せようとしなくていい」
肌蹴た胸元はライトの光があたり、子犬たちの濡れた箇所が反射して輝く。
「これが俺とシユのお仕事ですので」
再び行為をし始めようとする二人に服を着るように命じる。
これだけ可愛い犬だとそういう見せ方をして自慢したいという主もいるだろう。
だが、リキョウは望んではいないのだ。
「濡れた姿はあのバカ犬だけで充分だ」
二人の為に用意して置いた。大量の本を指さす。
「本」
シユとシアが目をキラキラとさせる。
「アンデ様から聞いてる。本を読むのが好きなんだってな」
「はい。アンデ様が色々な本を下さいました」
賢い犬を秘書や補佐として傍に置く者もいる。そちら方面の調教を専門にしている調教師がいるくらいだ。
ゆくゆくは知り合いに調教をしてもらうつもりだ。
「今日からお前たちのすべきとは、ユーエンの手伝いとそれを読むことだ。解ったな」
「はい、ご主人様」
「頑張ってお手伝いします。本、ありがとうございました」
笑顔がとても可愛い。
アンデがそう話していたが、本当だとリキョウは二人を眺める。
「あと一つ。夜、俺が部屋に入った後は緊急の用事がない限り近づかないこと」
夜はリキョウにとっても大切な時間だ。
「わかりました」
「よし。行っていいぞ」
「はい。失礼します」
本を半分ずつ手にし、部屋を出ていく。
「さて、と」
上着を羽織り部屋を出る。向かう先はユーエンがいるであろう場所だ。
食堂から奥の扉の先。
「主、あと少しで終わります」
リキョウが降りてきたことはすぐにわかったのだろう。
手を止めてユーエンがこちらへと顔を向けた。
「あぁ、かまわないから続けろ」
朝はいつも焼きたてのふんわりと柔らかいパンをだしてくれる。
そのための仕込みをするユーエンを眺める。
楽しそうに料理を作るその姿を見るのがリキョウは意外と好きだった。
「これを寝かせたら終わりです」
ボウルに入れて濡れた布を上にかぶせて地下倉庫へと持っていく。
常に10度以下の温度が保たれた地下倉庫には野菜や酒類などが置いてある。
パンのタネを置いて戻ってきたユーエンに、
「風呂に行くぞ」
と、抱き上げろとばかりに手を伸ばす。
それも毎度のことなのでユーエンはリキョウを抱き上げて風呂場へと向かった。
脱衣所につき、リキョウの服を脱がせるのもユーエンの仕事である。
先に服を脱ぐように命じてあり、それは脱がされている間にユーエンの引き締まった肉体を堪能するためだ。
指でゆっくりと撫でれば、くすぐったそうな顔をする。そんな姿もすごく好きだ。
服を脱ぎ終え、リキョウは中に入りバスチェアに腰を下ろす。
滑らかな泡が立つ良い香りの石鹸で体を洗い髪を洗うためだ。
互いに触れ合えば気持ちが高ぶってくる。いつもなら欲を放ちあうところなのだが、
「ご主人様、御背中流します」
「僕も」
やたらとやる気満々な子犬たちが中へと乱入してきた。
折角の大切な時間を邪魔された。
「何しにきた! 緊急の用事がない限り近づかないようにと言っておいただろう」
「そうですが、ここはご主人様のお部屋じゃないので」
その言葉に、ぐぅと言葉に詰まる。
確かにリキョウの部屋には近寄るなと言っただけで、此処には近寄ってはいけないとは言っていない。
「駄目、でしたか?」
しゅんと落ち込む二人に、リキョウは出て行けとも、怒ることもできずに肩を震わせる。
「ふっ」
隣でユーエンが吹きだす。
「ユーエン!」
「失礼いたしました」
目を細めて優しげにリキョウを見ている。
その顔をみていたらきゅーっと心が締め付けられる。そんな表情をするようになったのだと。
「わかった。勝手にするがいい」
「よし、我々で主を洗おう」
「はい」
「頑張ります!」
やたらと楽しそうな犬たちを見ていたら、肩の力が抜けていく。
リキョウは唇に笑みを浮かべてユーエンの体に寄りかかる様に背を預けた。
<了>
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