青春の悪夢

Zero

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Story編

03話

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俺はすぐに龍生に学校の写真をスマホに送った。写真と共に「これ、やばくね?」というメッセージも送った。

パトカーが来たと思えば今度は救急車が来て救急隊員が校内へと入っていった。数分後、校内から救急隊員に担架で運ばれる校長先生の姿があった。俺は見てることしかできなかった。

 数分後、龍生から返信が来た。「お前は、誰が校長先生を殺したと疑ってるんだ?」と。俺は、何か違和感を感じた。俺は「…分からない。」そう送った。

まだ完全に鹿羽先生が殺したと決まったわけではない。俺は、鹿羽先生を信じている。

 帰宅中、アパートの一室の窓から視線を感じた。見上げると、一瞬、黒いマスクをつけた鹿羽先生が俺を見ていたのがのが見えた。先生は俺と目が合った途端、カーテンを閉ざした。

俺は意を決して、アパートの部屋のチャイムを鳴らす。そして、ドアが少し開き先生が顔を見せた。

ミチル
  「…先生。」
鹿羽 先生
 「ここだと見られたらまずい。中に入ってくれ」
ミチル
 「…はい。」

俺は部屋へと入る。部屋の中は普通のアパートの部屋のようだ。

鹿羽 先生
 「あの投稿は嘘に決まってる。私は生徒なんて殺してない!」
ミチル
 「…だから部屋に籠ってたんですか?」
鹿羽 先生
 「それしか理由はないだろ。まぁ、メールで臨時休校って書いてあったからタイミングは良かったけど、」
ミチル
 「校長先生が救急車で運ばれたそうです。」
鹿羽 先生
 「え?そんなの聞いてないぞ!」
ミチル
 「そうなんですか?」

 そして、先ほど龍生とのスマホでの会話での違和感の正体に気づいた。俺は写真を送ったが、その写真は救急車が来る前の写真であって、校長先生が救急隊員に運ばれる姿ではなかった。

なのに、殺されたのは校長先生だと分かった。…これは、おかしい。そう思った。

鹿羽 先生
 「多分、君しか知らない情報なんじゃないか?」
ミチル
 「俺以外に、その情報を知ってる人が居ます。しかも、校長先生が救急隊員に運ばれてる様子を見てなくて。」
鹿羽 先生
 「誰だ?」
ミチル
 「リューです。」
鹿羽 先生
 「リュー?」
ミチル
 「あ、北野龍生くんです。」
鹿羽 先生
 「…北野さんが。」

龍生が校長先生を殺した犯人。俺には理解できない。そもそも殺した動機は彼にはない。そう思う。

そして、アパートのチャイムが鳴った。不吉な予感がした。

ミチル
 「俺が見てきます。」

そう告げ玄関に行き、ドアの覗き穴 いわゆるドアスコープを覗くと龍生が立っているのが見えた。

ミチル
 「先生、」
俺はリビングにいる先生に話しかける。

鹿羽 先生
 「どうした?」

ミチル
 「北野くんが、います。」

鹿羽 先生
 「…え?」
先生も玄関へとやってくる。

鹿羽 先生
 「ゆっくり開けろ、」

そして、ドアをゆっくり開いた。しかし、外には誰もいなかった。

ミチル
 「あれ?確かにいたんですけど、」
鹿羽 先生
 「見間違いじゃないのか?」
ミチル
 「…そうですかね。」

俺は心の中で何かしら起きる。いわばフラグが立ったのを感じた。ドアを閉めようとすると、ポストに1枚の手紙があるのが見えた。気になって見ると、その紙には、こう書いてあった。

「鹿羽先生ヘ。話したいことがあります。4月16日21時校門へ来てください。」

俺と鹿羽先生は、手紙に書いてあったその日、その場所へと向かった。予定の時刻から数分後、彼が来た。

タツキ
 「あれ?ミチルも来たんだ。」

制服を着て、黒い帽子をかぶった龍生は危険なオーラを纏っていた。

ミチル
 「…お前の目的は何だ?」
タツキ
 「俺の目的は……し、真実の追求だ。」
ミチル
 「真実の追求?」
タツキ
 「あぁ、真実を追求するために校長を殺した。」
鹿羽 先生
 「やはり、君が殺したんだな。」
タツキ
 「あぁ、俺は邪魔者を排除したまでだ。」
鹿羽 先生
 「なぜ、私に話そうと決めたんだ?」
タツキ
 「あんたが、俺の担任だからだよ。」
鹿羽先生
 「私が、担任だから?」
タツキ
 「あんたに俺の意思を継いで欲しい!」
鹿羽 先生
 「…そこまでする理由は?」
タツキ
 「北野勇星…聞き覚えは?」
鹿羽 先生
 「…まさか君は!」

そう、北野勇星は北野龍生の実の兄。しかも修学旅行生徒誘拐事件の被害者の一人だ。

タツキ
 「兄を助けて欲しいんです。お願いします!」
鹿羽 先生
 「…分かった。必ず君のお兄さん、勇星さんを見つけてみせます!」


そして、その翌日 北野龍生が警察へ自首した。それと同時に、4年前に起きた「修学旅行生徒誘拐事件」が明るみになった。

この事件は後に『SSK事件』として名を轟かせた。

※SSK…School trip Student Kidnapping

3年前に起きた事件が現在、捜査が動き始めた。警察は、詳しいことを聴くため、鹿羽先生を重要参考人として事情聴取を行った。その間、俺は修学旅行地へとやって来た。その場所は人が少なかった。また、この場所はまだ警察の捜査はされていなかった。

修学旅行と言えば、東京や大阪、北海道(札幌)や沖縄(那覇)をイメージするが、この場所は田舎だった。この場所で何者かに誘拐された。…俺には何もできない。何一つ手がかりが掴めなかった。
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