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序章
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さようなら元気でね。またどこかで会えますように。
今日もまた1人2人とこの場所から去っていく。いや貰ってもらうと言った方が正しいのかもしれない。
悲しい気持ちとどこか羨ましい気持ちが含まれた眼差しで、車のテールランプが見えなくなるまで追い続ける。
世の中の子供に恵まれない家庭から声が掛かったのだ。そうなる事でこの虚しい場所から出て行く事が出来る。
ここから出てその先どんな人生が待っているのか、幼い子供達は誰も知らない。
ただただこの塀の外に出てみたいとゆう一心で、面談に来た大人に気に入ってもらうだけ。ただそれしか出来ない。
いつも通り面談に来た夫婦の要望が兄妹だった。この院では兄妹は2組しかいなかった。やっと自分達の番が回ってきた。夏と小春は期待に胸を膨らませた。
その翌日意外にも夏と小春は面談に来た夫婦に引き取られる事になり、この場所とここの家族に別れを告げた。
涙の別れとなった。ただし何人かは悲しむのではなく、むしろ睨み付けながら涙を流していた。
またいつの日か会いたい気持ちも勿論あるが、もう会う事もない。いや、もう会えない。自分に言い聞かせ夏は後ろを一度も振り返らなかった。
今日もまた1人2人とこの場所から去っていく。いや貰ってもらうと言った方が正しいのかもしれない。
悲しい気持ちとどこか羨ましい気持ちが含まれた眼差しで、車のテールランプが見えなくなるまで追い続ける。
世の中の子供に恵まれない家庭から声が掛かったのだ。そうなる事でこの虚しい場所から出て行く事が出来る。
ここから出てその先どんな人生が待っているのか、幼い子供達は誰も知らない。
ただただこの塀の外に出てみたいとゆう一心で、面談に来た大人に気に入ってもらうだけ。ただそれしか出来ない。
いつも通り面談に来た夫婦の要望が兄妹だった。この院では兄妹は2組しかいなかった。やっと自分達の番が回ってきた。夏と小春は期待に胸を膨らませた。
その翌日意外にも夏と小春は面談に来た夫婦に引き取られる事になり、この場所とここの家族に別れを告げた。
涙の別れとなった。ただし何人かは悲しむのではなく、むしろ睨み付けながら涙を流していた。
またいつの日か会いたい気持ちも勿論あるが、もう会う事もない。いや、もう会えない。自分に言い聞かせ夏は後ろを一度も振り返らなかった。
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