侯爵令嬢(♂)はフットマンがお好き!?

累るい

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終幕のプロローグ

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「ラーディン侯爵およびそのご令嬢オフィリア・アマーリエ・ベル・ラーディン嬢!」

 ネームコールマンの高らかな宣言に合わせ意気揚々と歩みを進めるラーディン侯爵に付き従い、フィルは重い足をしずしずと動かした。
 にこやかな笑みを浮かべる侯爵とは対照的に、フィルは一目でその不機嫌さが分かるほど暗く陰鬱な面持ちだ。

「ラーディン侯爵、オフィリアお嬢様。このたびは皇太子殿下とのご婚約誠におめでとうございます!」
「ああ、伯爵。祝いの言葉感謝する」
「今夜にも結婚の発表がなされるのではないかと、皆期待してろおりますよ?」
「ふふっ、すべては陛下と殿下の思し召し次第――と言いたいところだが、ぜひ期待してくれたまえ!」

 幸いなことにラーディン侯爵は群がってくる有象無象の貴族からのおべっかに頷くことに夢中で、隣にいる義理の娘がそんな表情を浮かべていることには微塵も気が付いていない。
 やがて人の波が落ち着くとラーディン侯爵は今にも飛び立ちそうな軽い足取りで、会場の中央奥に位置する玉座の方へその足を進めた。当然そこに座っているのは、フィルが今最も会いたくない人物たちである。

「皇帝陛下、皇后陛下並びに皇太子殿下。本日はこのように煌びやかで素晴らしい興宴を催していただき誠にありがとうございます。私も、そして我が義娘もこの場にお招きいただきましたことを心より深く感謝申し上げます!」
「おお、ラーディン卿か。丁寧な挨拶に感謝する――が世辞は良い。早くその顔を見せよ!」

 ラーディン侯爵からの仰々しい挨拶にやや苦笑を浮かべつつも、皇帝は軽く右手を挙げてラーディン侯爵に楽な姿勢を取るように促した。
 侯爵に合わせて深々と跪礼の姿勢を取ったフィルも渋々顔を上げる。途端に満面の笑みを浮かべたランドルフの姿が視界の端に入り、心底げんなりしてしまう。
 傍目に見ればフィルの表情が凍り付いていることは一目瞭然なのだが、どうやらランドルフの鈍感さは父親譲りのところがあるらしい。皇帝は不機嫌満載のフィルの姿を見ても特に気にすることはなく、破顔一笑した。

「おお、オフィリアも久しいな。相変わらず美しく洗練された姿をしておる! さすが我が国一の才色兼備と称えられるだけのことはある!」
「皇帝陛下、皇后陛下そして皇太子殿下におかれましてもご機嫌麗しう。我が国一などとは恐れ多い賛辞でございます。わたくしは常に皇后陛下を手本としておりますゆえ、国一番の才色兼備は皇后陛下であらせられるかと……」
「オフィリア、謙遜しなくて宜しいのよ。あなたの美しさはわたくしも認めるところです。何よりその謙虚さ、素晴らしいわ!」

 慈愛に満ちた優しい笑みを浮かべた皇后は続いて「ねぇ、あなたもそう思うでしょう?」と言って、玉座の隣に立っている彼女の最愛の息子へ視線を向けた。
 問われたランドルフもまた母親譲りのにこにことした優しい笑みを浮かべながら、母親のお世辞に心の底から同意する。

「母上の仰るとおりです。僕は彼女のそういうところを非常に気に入っておりますよ」

 胡散臭い――という本音が漏れそうになるのを、フィルはドレスの裾を握る手に力を込めることでどうにか堪えた。
 バレットがこの場にいたら「皺になるから強く握らない!」と叱られているところだろうが、正直知ったことではない。
 腹の奥から沸々と湧き上がる怒りとも嫌悪感とも付かぬ複雑な感情を押し殺すのに、フィルは精一杯だった。
 焦るな、俺。まだここで本性を現すわけにはいかない――と自分に言い聞かせ、「俺は男だ!」と今にも叫びだしそうなもう一人の自分を必死になって押さえ込む。
 自分の義理の娘がそんな状態であるとも気が付かないラーディン侯爵は、ランドルフの歯の浮くような台詞を言われた本人以上に喜んでいた。
 ホクホクと興奮した笑みを浮かべるのを抑えもせず、おもねるようにランドルフの言葉に大きく頷く。
 彼が空いているの方の手を開いたり握ったりするのを繰り返しているのは、企みが上手く行ったときによく見せる喜びのサインだった。

「さすが殿下でいらっしゃる! 娘とは血の繋がりこそございませんが、彼女の謙虚さと慈悲深さを私も心から尊敬している所存です!」
「慈悲深いと言えば、オフィリア嬢の慈悲深さによって救われたかのフットマンはどこに?」

 空気がピシリッと音を立てるのをフィルははっきりと耳で聞いた気がした。
 まさかこんなにも堂々と言い出すとはフィルも思っておらず焦ったが、フィル以上に皇帝夫妻とラーディン侯爵が固まっている。
 ランドルフはその状況に気付いているのかいないのか、相変わらずにこにことした笑みを浮かべながら口を開いた。

「ご安心ください、オフィリア嬢。先日ご提案した件について、すでに僕は両陛下からのお許しをいただいております」
「ご提案とは……?」

 唯一この場で状況を理解できていないラーディン侯爵が、恐る恐ると言った表情でランドルフへ尋ねる。

「ラーディン侯爵、僕はオフィリア嬢と結婚すると共に彼女のフットマンであるアラタを側室に迎えたいと考えています!」

 何事か成し遂げたかのような堂々たる表情でそう言ってのけたランドルフ。彼はぽかんと口を開けたまま固まってしまったラーディン侯爵は無視し、自分の両親の方へ向き直ると深々と礼をして見せた。

「父上、母上。このたびは僕の我が儘をご承諾いただき、誠にありがとうございました!」
「息子よ、頭を上げよ。たしかに最初はお前の提案に驚いたし反対しようと思ったが、お前から聞かされた隠された真実を聞いてはそうも行くまい」
「その通りです。オフィリアも辛かったわね……。幼い頃に助けた異世界人と将来の仲を誓い合っていたのに、ラーディン侯爵家へ我が息子の許嫁として貰い受けられることになるなんて……」
「だがオフィリア、安心せよ。我ら皇族はハーレムを形成するが皇帝は皆を等しく寵愛する。そして妃同士もまた互いを慈しみ合い、愛し合うことが許されている。我が息子が二人をハーレムに迎えれば、オフィリアは引き続きアラタとの仲を保つことができるからな!」
「そうですよ、オフィリア。わたくしも最初は陛下の男の側室と睦み合うことに戸惑いもしましたけれど、慣れてしまえばそれもまた一興ですわ……」

 ぽっと目元を赤らめた皇后が恥ずかしそうに扇で口元を隠すのを、フィルは呆然とした表情で眺めた。
 なんだ、何が起こっている!? 俺の知らないところで何か情報が書き換えられて両陛下へ伝わっているぞ――と考えるフィルの目に飛び込んできたのは、にんまりと満足げな表情で微笑んでいるランドルフの姿だった。
 その姿を見てフィルは瞬時に察する。

(あの野郎っ――! 両陛下に俺とアラタの両方を迎えることを何が何でも認めさせるために、あることないことでっち上げてお二人へ話したなっ!?)

 両陛下の言葉の断片から推測するに、どうやらフィルは新太のことをナヴァル家にいた頃に助けたことになっている。
 しかも幼い日のオフィリアと新太が結婚の約束をしていたにもかかわらず、ラーディン侯爵が無理矢理侯爵家へ連れてきてしまったという設定になっているようだ。
 そしてとどめに、ランドルフはオフィリアと新太まとめてをハーレムに加えることで、二人の道ならぬ恋を公認された関係へ昇華させようとしている。
 巷に流れているフィルのスキャンダルも、後から適当なことを言ってかき消す魂胆なのだろう。
 これはこれでラーディン侯爵の信頼を失えて良いのか――と一瞬考えもしたが、フィルにはランドルフの元へ嫁ぐ気がないのでやっぱり駄目だと頭を振った。
 悪者にされかけているラーディン侯爵はと言えば、情報量の多さに状況を理解できないでいるのか、先ほどから固まったままである。

「父上、母上、あまりラーディン卿を責めないでやってください。卿はナヴァル家を救いたい一心でオフィリア嬢を迎え入れたのです。その想いはオフィリア嬢も理解されているところ。そうですよね?」

 ランドルフの侯爵をかばうような一言にフィルはどう反応するか迷ったが、ランドルフの目が「いいからここは肯定しろ」と圧を掛けているように見えて、フィルも致し方なく頷いてしまった。

「殿下の仰るとおりです。わたくしはラーディン侯爵のお慈悲にも感謝しております。お家お取り潰しの憂き目に立たされたナヴァル家をお救いくださったのは、他でもない侯爵様でございますから……」

 その言葉を吐き出すのは血を吐き出すことよりも辛い体験だった。思ってもいない侯爵への感謝を述べるなど、本当なら金を積まれたってやりたくない。
 しかしランドルフの意図が掴めない以上、この場は彼の筋書きに従ってこの場を丸く収めるしかない。
 どうせもうしばらくすれば、フィルが男であることを明かすことでラーディン侯爵の悪行も明るみに出る。憎き侯爵の息の根はそのときに止めてやれば良いのだ。

「さすがは慈悲深きオフィリアだ。ラーディン卿、義理の娘の心優しさに深く感謝するのだぞ!」
「あっ……はは、ははは。誠にその通りでございますな……!」

 時間が経過したことでようやく状況を整理できたのか、ラーディン侯爵も猿芝居に参加した。彼は「誠によくできた義娘です」と言ってフィルの肩をぐいと抱き寄せる。
 肩を掴む手に異常な力が込められているのは、「あとで詳しく説明しろよ」なのか「あとで覚えてろよ」なのかは、フィルには判然としなかった。

   * * *

 さて、一難去ったところでまだ一難が残っている。
 新太がこの場にはいない。
 美術館の一件で新太はフィルの元から去った。そしてそのことをランドルフへは伝えていない。
 どうやってそのことを説明しようかとフィルが考えていると、皇帝が僅かに曇った表情を浮かべて息子のことを見た。

「しかし息子よ、良かったのか? お前はアラタと勝負をして、負けたら二人を諦めると誓ったのであろう?」
「はい、陛下」

 心配そうな皇帝を他所にランドルフは平然とした表情で頷いた。その表情は自信に満ちあふれ、己の勝ちを確信している戦士のようにも見える。
 やはりこの場に新太がいなくて良かったかもしれないとフィルは考えた。
 先ほどまでの猿芝居からも見て取れるが、やはりこのランドルフという男はどうにも食えないところがある奴だ。
 好きだけど得意ではない――と言っていたチェスも、本当は上手なのかもしれない。
 よくよく考えてみれば戦略的思考を養うのに適していると言われるチェスだ。帝王学を幼い頃から学んでいるランドルフが学んでいないわけがない。プロレベルとは言わないまでも、ある程度の実力者である可能性は十分にある。
 かたや異世界から流れ着いただけの新太。チェスの知識はあると言っていたが、真っ向から勝負すればどちらが勝つかなど明白だ。
 もういい、これ以上は時間の無駄だ。さっさと新太がいないことを白状して、自分の計画を進めてしまおう――と腹を括り、フィルはゴクリと唾を飲み込むと乾き始めた唇を開いた。 

「両陛下、そして殿下。わたくしからお詫びがあります」
「詫び? オフィリアが何を謝る必要がある?」

 その場に跪いて礼をするオフィリアを見て、皇帝たちがひどく驚いた表情を浮かべた。
 ランドルフに至っては相当慌てたのか、一目散に玉座から駆け下りるとフィルのそばまで駆け寄り優しい手つきでフィルの腕を取る。

「オフィリア嬢、どうぞ立ってください」
「いいえ、殿下。なりません。わたくしはあなた様に謝罪しなくてはならないことがあるのです!」

 フィルは大きく呼吸を吸うと、腹の底から張り上げるような大声で叫んだ。

「アラタはここには参りません!」

 ビリビリと空気が震え、会場中がシーンと静まりかえる。
 それまでとりとめのない会話で場を賑やかせていた王侯貴族の面々も、突然響いたフィルの大声に呆気にとられたらしい。皆何かおかしなものを見るような目つきでフィルのことを見つめているのが、フィル自身にも手に取るように分かった。

「さっ、さようでございます殿下! あのフットマンは殿下に見初められたことに恐れを成し、先日突如いなくなってしまったのです! 恐らくはもう二度と戻ってこないかと!!」

 フィルの告白に被せるようにラーディン侯爵も言い訳を始める。恐らくランドルフと新太がチェスの試合をすることになっているのは知らない侯爵だが、義理の娘が頭を下げているのを見てとりあえず自分も頭を下げた方が良いと踏んだらしい。
 頭は悪いが要領はいい男なんだよな、そういう所が嫌いだよ――と思いながら、フィルは相変わらず頭を下げ続ける。
 だが次の瞬間、頭上からふっと息を漏らしたような溜め息が漏れた。ランドルフが零した溜め息だった。
 彼がどうしてそんな反応をしたのかが分からず、フィルは跪いたまま顔を上げる。
 見上げた先にいるランドルフはなぜか遙か遠くに視線を向け、どこか嬉しそうにそれでいて切なそうな表情をしながら薄く瞳を細めていた。

「――では、あそこにいるのは誰でしょう?」

 そう言ったのはランドルフだった。
 彼は空いた方の手ですっと扉の方を指さす。吊られるようにしてフィルもその指が示す方向へ瞳を向ける。
 部屋の入口、大扉の前に一人の男性が立っていた。
 この世界では珍しい黒目黒髪の中背の男で、衣装に着られている・・・・・・という言葉が相応しいようなフットマンの装束姿。
 ぐっと両手に力を込め、怒り肩を作っているがちっとも怖くは見えない。どちらかというと小さな小動物が威嚇しているような姿にも見えて、なんとなく滑稽だった。
 けれどその姿はフィルの心をこれ以上ないくらい掻き乱す。その人物は、この数日会いたくて会いたくて仕方がなかった誰よりも大切な人だったから。

「アラタッ――!!」

 半ば泣き叫ぶようにフィルがその名前を呼ぶと、その声に気付いたフットマンは一瞬だけにこやかな笑みを浮かべたが、すぐに表情を固いものへと変化させ大きな声で叫んだのだった。

「殿下、いざ尋常に勝負っ!!」
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