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そして一つになる
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「アラタ、入れて良いか……?」
無理矢理ねじ込まれたとしても新太はもう逃げる術を持たない。それなのにフィルは律儀にも新太の意思を尊重しようとしてくれていた。
彼の瞳は欲望に満ち満ちており、ギラギラと焼け付くような熱を放っている。お預けを食らった獣のようにはぁはぁと荒い呼吸を漏らし、鍛え上げられた腹筋も呼吸に合わせて激しく波打っていた。
フィルの陰茎はその腹筋に当たりそうなほどガチガチに勃ち上がっており、ぴくんと僅かに痙攣しながら蜜口から涎を垂らし続けている。
一方でその表情の中には、叱られた子どものようなしおらしさも少しだけ混在していた。
きっと彼は未だに、馬車の中で新太へ強引に口づけを迫ったことを後悔している。だから新太の許しがない限り、彼がこれ以上腰を進めてくることはないのだろう。
本能に従って始まった情事の最中であるにもかかわらずフィルが見せてくれた優しさに、新太は思わず笑みを浮かべた。
「フィル様、俺をあなたのものにしてください」
考えるよりも先に、新太の口からはその言葉が自然と零れていた。
正直なところ、フィルの剛直を己の中に受け入れることに恐怖を感じないわけではない。けれど今はその恐怖以上に、フィルと一つになりたいという気持ちの方が強かった。
誰よりも美しく、そして誰よりも優しいこの子爵様が新太は何よりも愛おしい。その愛しい人が自分を求めてくれるというならば、新太はすべて捧げる覚悟だ。
緊張で震える手で新太は自分の膝裏を掴むと、フィルが押し入りやすくなるように更にぐっと足を開く。自ら恥部を晒す醜態に新太は眩暈がする思いだった。
けれどこれは新太が望んでいることだ。フィルの指が引き抜かれて以降、新太の菊座はより強い快感を求めるようにはくはくとそのすぼみを痙攣させている。
指で捏ねられた箇所よりも奥の腸壁が、こちらへも刺激を寄越せと言わんばかりの勢いで淫靡に蠢いている感覚があった。
フィルは新太の痴態にゴクリと生唾を飲み込んだ。
「いいのか……? この先へ進んだら、俺はもうお前を離してはやれないぞ」
「いいんです、それが俺の望みです。俺だってずっとフィル様が欲しかった――」
だからください――という言葉を新太が発することはできなかった。
それよりも先に感極まった声で「アラタっ!」と叫んだフィルが、更なる刺激を求めて開閉を続けている新太の後孔へ一気にその猛りを沈めてくる。
獰猛な雁首に菊座を押し開かれた瞬間、これまでに感じたことのない裂けるような痛みが走る。しかし、不思議なことにその瞬間に新太が感じたのは幸福感だった。
フィルから与えられるものは痛みですらも愛おしい。太い陰茎が新太の直腸を押し広げていくときに感じる圧迫感ですら、今の新太にとっては心を震わせるための促進剤でしかなかった。
「あぁっ! やぁ、大っきい……太いぃ」
「アラタ――、ああすごい。締め付けがキツくて気持ちいい」
譫言のように囁いたフィルもまた、強い快楽から逃れるように喉を仰け反らせていた。そんな彼の姿に新太の興奮が更に増す。
「あっ、あぁ……フィル様ぁ」
「んっ、アラタ可愛いよ。俺のアラタは誰よりも愛らしい」
「ふぁっ……ん!」
甘えるような声を上げ、新太は両腕をフィルへ伸ばす。その求めに応じ覆い被さってきたフィルは薄く開かれた新太の唇に優しく口づけを落とした。
先ほどまでとは違いゆっくりと感触を味わうような、丁寧な舌使いで口腔内をあやされると、下半身の痛みが少しだけ和らぐ。
新太の体の緊張が少し解けたのを見計らって、フィルは更にぐっとその腰を奥へと押し進めた。
「アラタ、良い子だったね。全部入ったよ」
気が付けば、はぁはぁと肩で息をついたフィルがひどく優しい目つきで新太を見下ろしている。
クラクラしている頭を少しだけ持ち上げて新太とフィルの結合部へ視線を送れば、たしかに彼が言うようにフィルの腰部と新太の臀部が隙間なくぴったりとくっついているのが見えた。
少しだけ腹に力を込めれば、己の内部に侵入したフィルの剛直の形がはっきりと分かる。
「アラタ、いきなり絞めるなっ――!」
「あっ、だって、フィル様が俺の中にいるって思ったら、嬉しくて、つい……」
「嬉しい? ほんとに?」
驚いたような表情で尋ねるフィルに、新太はこくりと頷いた。
その瞬間、猛りきったとばかり思っていたフィルの剛直が新太の中で更に強度を増す。びくりと跳ね上がったタイミングで、新太の最奥がぐっと刺激された。
「あ゛っ、あ゛あぁぁ!」
「ああ、ごめん。一番奥に当たったんだな」
ぐいっと腰を回され、同じ箇所が再度刺激される。
これまでとは比べものにならない強い浮遊感が体中を駆け巡り、新太の腰がたまらず弓なりにしなった。しかしフィルの両手が新太の腰をベッドに押しつけたことで、それ以上逃げることはできなくなる。
新太の目尻から零れた生理的な涙を、フィルは舌で優しく舐め取ると言った。
「アラタ、ずっとこうしたかった」
「ずっと……?」
「ああ、お前を初めて見たときからずっと」
フィルの返答に思わずきょとんとした表情を新太は浮かべる。
「初めてって……」
「ずっと言ってるだろ、一目惚れだったって」
「でもあれは、ランドルフ様を欺くための嘘だったんじゃ――」
「俺もそうだと思ったよ。だけどお前を永遠に失ったかもと思ったらいてもたってもいられなくて、そのときになってようやく俺はお前を好きなんだって自覚した」
そう言って照れたように笑うフィルの瞳から、ポロリと涙がこぼれ落ちる。重力に従って落下したその滴は新太の肌に当たって吸い込まれた。
「もう一度言わせてくれ。アラタ、俺はお前のことを愛している」
「フィル様……」
「他の何を奪われたって構わないが、アラタ。お前だけは誰にも奪わせない。だからもう二度と絶対に俺のそばから離れるな――!」
「――はいっ、フィル様。どこまでもついて行きます!」
どちらからともなく顔が近付き、唇に優しく触れるだけのキスが始まる。
侯爵令嬢とフットマン――本来だったら絶対に結ばれるはずがなかった二人が、今こうして同じベッドの中で一つになって互いの体温を享受し合っている。
胸の奥から沸々と湧き上がってくる温かな気持ちを幸せと呼ばずして何と呼ぶのか。
「フィル様、俺はあなたと結ばれるためにこの世界へ飛ばされてきたのかもしれませんね」
「当たり前だろ。そうじゃなきゃ困る」
悪戯っぽく笑うフィルの言葉に新太はクスクスと笑みを漏らす。その拍子に腹へ力が籠もったせいか、繋がったままのフィルが「うっ」と小さく呻きを漏らした。
「――それにしても、閨にいるというのに他の男の名前を呼ぶのは少し頂けないな」
先ほどランドルフの名を新太が呼んだことが、フィルのお気に召さなかったらしい。フィルは新太の腰を押さえる手にぐっと力を込めると、新太の最奥を抉るようにぐいっと腰を突き動かした。
その上、無防備になっていた新太の陰茎までぐっと握り込まれる。
途端に新太の眼前に火花が弾けた。
「ああっ、ん! あれは別に他意はなくて――」
「知ってるよ! でもお前が誰のものになったのか、その心にも体にもよーく刻みつけてやらないといけないよな?」
覚悟しろよ――とフィルが呟いた刹那、獣の交尾のような激しい抽挿が始まった。結合部からぐちゅりともぶちゅりともつかない淫猥な音が響き、新太の脳みそまで犯してくる。
フィルの剛直が腹の中を出たり入ったりするたびに、内臓が引き抜かれるような錯覚が新太を襲い、思わず新太の腹に力がこもる。けれどそれがフィルへの強い快感に繋がるようで、「あっ!」と小さく喘ぎを上げながらフィルの腰の動きが激しくなった。
激しく内奥を突き上げられるうちに新太の感覚も徐々に変化していく。痛みと不快感しかなかったはずの腹部から、全身へ甘く痺れるような疼きが広がり、脳みそがフワフワと浮いてどこかへ行ってしまったような錯覚が襲った。
感じたことのない感覚に一瞬泣きそうになった新太だったが、不意にフィルが「それは気持ちよくなってる証拠だ」と言ってくれた記憶が蘇る。
そうか、このフワフワは気持ちいいってことなんだ――と新太の心が受け入れた瞬間、新太の口から咆哮にも近い嬌声が上がった。
内壁が収縮し、中を穿つフィルの陰茎をもっともっとと欲しがるように奥へと誘い始める。フィルによって擦られる場所がどこもかしこも気持ちよかった。
「あっ、あっ、気持ちいい……フィル様、気持ちいいよぉっ!」
「ははっ、えっろ……。アラタはチェスだけじゃなくてこっちの素質もあったんだな――! どこが気持ちいい? 前か後ろか?」
「わっかんない……全部」
「全部、そうか全部か。いいよ、アラタ。どんどん気持ちよくなって」
顔を真っ赤にして善がり声を上げ始めた新太にフィルが満足そうに微笑む。彼も限界が近いのか、眉間に深く皺を寄せた。
腰の動きは相変わらず激しく、新太の陰茎を握り込む手の動きも速度を増す。前と後ろから次々と襲い来る快感の波に、虚空へ浮く新太の両足がフィルの体にひしと絡みついた。
「なぁ、アラタ。イクときは俺の名前を呼んでくれ――!」
そう言ったフィルの腰が一層激しく動き出す。もうすでに新太の最奥まで自身の陰茎は到達しているというのに、それでもまだ足りぬと言わんばかりに奥を抉られ、新太の体はもう限界だった。
「ああっ、あっ! イク、イッちゃう――!」
「いいよ……。アラタ、一緒にイこうっ!」
ずくんっとひときわ大きくフィルが腰を動かした瞬間、中空にいきなり放り出されたかのような浮遊感が新太の全身を襲った。
それだけだって失神しそうなほど気持ちよかったのに、次の瞬間には一気に体が沈み込む感覚に包まれ、それすらも快楽と認識した新太の脳内が真っ白に塗りつぶされる。
「ああっ、フィリメスさまぁっ!!」
「アラタッ!」
体の奥底から湧き上がる快感によって、新太の蜜口からはぴゅっと勢いよく精液が迸る。その液体がフィルの腹を濡らした瞬間、新太の中を抉っていたフィルの剛直が弾けた。
「あっ、ああ、あああああ!」
体の中に自分の体温とは違う熱い飛沫が叩き付けられるのを感じながら、全身を包む圧倒的な多幸感の中に新太は意識を手放していった。
無理矢理ねじ込まれたとしても新太はもう逃げる術を持たない。それなのにフィルは律儀にも新太の意思を尊重しようとしてくれていた。
彼の瞳は欲望に満ち満ちており、ギラギラと焼け付くような熱を放っている。お預けを食らった獣のようにはぁはぁと荒い呼吸を漏らし、鍛え上げられた腹筋も呼吸に合わせて激しく波打っていた。
フィルの陰茎はその腹筋に当たりそうなほどガチガチに勃ち上がっており、ぴくんと僅かに痙攣しながら蜜口から涎を垂らし続けている。
一方でその表情の中には、叱られた子どものようなしおらしさも少しだけ混在していた。
きっと彼は未だに、馬車の中で新太へ強引に口づけを迫ったことを後悔している。だから新太の許しがない限り、彼がこれ以上腰を進めてくることはないのだろう。
本能に従って始まった情事の最中であるにもかかわらずフィルが見せてくれた優しさに、新太は思わず笑みを浮かべた。
「フィル様、俺をあなたのものにしてください」
考えるよりも先に、新太の口からはその言葉が自然と零れていた。
正直なところ、フィルの剛直を己の中に受け入れることに恐怖を感じないわけではない。けれど今はその恐怖以上に、フィルと一つになりたいという気持ちの方が強かった。
誰よりも美しく、そして誰よりも優しいこの子爵様が新太は何よりも愛おしい。その愛しい人が自分を求めてくれるというならば、新太はすべて捧げる覚悟だ。
緊張で震える手で新太は自分の膝裏を掴むと、フィルが押し入りやすくなるように更にぐっと足を開く。自ら恥部を晒す醜態に新太は眩暈がする思いだった。
けれどこれは新太が望んでいることだ。フィルの指が引き抜かれて以降、新太の菊座はより強い快感を求めるようにはくはくとそのすぼみを痙攣させている。
指で捏ねられた箇所よりも奥の腸壁が、こちらへも刺激を寄越せと言わんばかりの勢いで淫靡に蠢いている感覚があった。
フィルは新太の痴態にゴクリと生唾を飲み込んだ。
「いいのか……? この先へ進んだら、俺はもうお前を離してはやれないぞ」
「いいんです、それが俺の望みです。俺だってずっとフィル様が欲しかった――」
だからください――という言葉を新太が発することはできなかった。
それよりも先に感極まった声で「アラタっ!」と叫んだフィルが、更なる刺激を求めて開閉を続けている新太の後孔へ一気にその猛りを沈めてくる。
獰猛な雁首に菊座を押し開かれた瞬間、これまでに感じたことのない裂けるような痛みが走る。しかし、不思議なことにその瞬間に新太が感じたのは幸福感だった。
フィルから与えられるものは痛みですらも愛おしい。太い陰茎が新太の直腸を押し広げていくときに感じる圧迫感ですら、今の新太にとっては心を震わせるための促進剤でしかなかった。
「あぁっ! やぁ、大っきい……太いぃ」
「アラタ――、ああすごい。締め付けがキツくて気持ちいい」
譫言のように囁いたフィルもまた、強い快楽から逃れるように喉を仰け反らせていた。そんな彼の姿に新太の興奮が更に増す。
「あっ、あぁ……フィル様ぁ」
「んっ、アラタ可愛いよ。俺のアラタは誰よりも愛らしい」
「ふぁっ……ん!」
甘えるような声を上げ、新太は両腕をフィルへ伸ばす。その求めに応じ覆い被さってきたフィルは薄く開かれた新太の唇に優しく口づけを落とした。
先ほどまでとは違いゆっくりと感触を味わうような、丁寧な舌使いで口腔内をあやされると、下半身の痛みが少しだけ和らぐ。
新太の体の緊張が少し解けたのを見計らって、フィルは更にぐっとその腰を奥へと押し進めた。
「アラタ、良い子だったね。全部入ったよ」
気が付けば、はぁはぁと肩で息をついたフィルがひどく優しい目つきで新太を見下ろしている。
クラクラしている頭を少しだけ持ち上げて新太とフィルの結合部へ視線を送れば、たしかに彼が言うようにフィルの腰部と新太の臀部が隙間なくぴったりとくっついているのが見えた。
少しだけ腹に力を込めれば、己の内部に侵入したフィルの剛直の形がはっきりと分かる。
「アラタ、いきなり絞めるなっ――!」
「あっ、だって、フィル様が俺の中にいるって思ったら、嬉しくて、つい……」
「嬉しい? ほんとに?」
驚いたような表情で尋ねるフィルに、新太はこくりと頷いた。
その瞬間、猛りきったとばかり思っていたフィルの剛直が新太の中で更に強度を増す。びくりと跳ね上がったタイミングで、新太の最奥がぐっと刺激された。
「あ゛っ、あ゛あぁぁ!」
「ああ、ごめん。一番奥に当たったんだな」
ぐいっと腰を回され、同じ箇所が再度刺激される。
これまでとは比べものにならない強い浮遊感が体中を駆け巡り、新太の腰がたまらず弓なりにしなった。しかしフィルの両手が新太の腰をベッドに押しつけたことで、それ以上逃げることはできなくなる。
新太の目尻から零れた生理的な涙を、フィルは舌で優しく舐め取ると言った。
「アラタ、ずっとこうしたかった」
「ずっと……?」
「ああ、お前を初めて見たときからずっと」
フィルの返答に思わずきょとんとした表情を新太は浮かべる。
「初めてって……」
「ずっと言ってるだろ、一目惚れだったって」
「でもあれは、ランドルフ様を欺くための嘘だったんじゃ――」
「俺もそうだと思ったよ。だけどお前を永遠に失ったかもと思ったらいてもたってもいられなくて、そのときになってようやく俺はお前を好きなんだって自覚した」
そう言って照れたように笑うフィルの瞳から、ポロリと涙がこぼれ落ちる。重力に従って落下したその滴は新太の肌に当たって吸い込まれた。
「もう一度言わせてくれ。アラタ、俺はお前のことを愛している」
「フィル様……」
「他の何を奪われたって構わないが、アラタ。お前だけは誰にも奪わせない。だからもう二度と絶対に俺のそばから離れるな――!」
「――はいっ、フィル様。どこまでもついて行きます!」
どちらからともなく顔が近付き、唇に優しく触れるだけのキスが始まる。
侯爵令嬢とフットマン――本来だったら絶対に結ばれるはずがなかった二人が、今こうして同じベッドの中で一つになって互いの体温を享受し合っている。
胸の奥から沸々と湧き上がってくる温かな気持ちを幸せと呼ばずして何と呼ぶのか。
「フィル様、俺はあなたと結ばれるためにこの世界へ飛ばされてきたのかもしれませんね」
「当たり前だろ。そうじゃなきゃ困る」
悪戯っぽく笑うフィルの言葉に新太はクスクスと笑みを漏らす。その拍子に腹へ力が籠もったせいか、繋がったままのフィルが「うっ」と小さく呻きを漏らした。
「――それにしても、閨にいるというのに他の男の名前を呼ぶのは少し頂けないな」
先ほどランドルフの名を新太が呼んだことが、フィルのお気に召さなかったらしい。フィルは新太の腰を押さえる手にぐっと力を込めると、新太の最奥を抉るようにぐいっと腰を突き動かした。
その上、無防備になっていた新太の陰茎までぐっと握り込まれる。
途端に新太の眼前に火花が弾けた。
「ああっ、ん! あれは別に他意はなくて――」
「知ってるよ! でもお前が誰のものになったのか、その心にも体にもよーく刻みつけてやらないといけないよな?」
覚悟しろよ――とフィルが呟いた刹那、獣の交尾のような激しい抽挿が始まった。結合部からぐちゅりともぶちゅりともつかない淫猥な音が響き、新太の脳みそまで犯してくる。
フィルの剛直が腹の中を出たり入ったりするたびに、内臓が引き抜かれるような錯覚が新太を襲い、思わず新太の腹に力がこもる。けれどそれがフィルへの強い快感に繋がるようで、「あっ!」と小さく喘ぎを上げながらフィルの腰の動きが激しくなった。
激しく内奥を突き上げられるうちに新太の感覚も徐々に変化していく。痛みと不快感しかなかったはずの腹部から、全身へ甘く痺れるような疼きが広がり、脳みそがフワフワと浮いてどこかへ行ってしまったような錯覚が襲った。
感じたことのない感覚に一瞬泣きそうになった新太だったが、不意にフィルが「それは気持ちよくなってる証拠だ」と言ってくれた記憶が蘇る。
そうか、このフワフワは気持ちいいってことなんだ――と新太の心が受け入れた瞬間、新太の口から咆哮にも近い嬌声が上がった。
内壁が収縮し、中を穿つフィルの陰茎をもっともっとと欲しがるように奥へと誘い始める。フィルによって擦られる場所がどこもかしこも気持ちよかった。
「あっ、あっ、気持ちいい……フィル様、気持ちいいよぉっ!」
「ははっ、えっろ……。アラタはチェスだけじゃなくてこっちの素質もあったんだな――! どこが気持ちいい? 前か後ろか?」
「わっかんない……全部」
「全部、そうか全部か。いいよ、アラタ。どんどん気持ちよくなって」
顔を真っ赤にして善がり声を上げ始めた新太にフィルが満足そうに微笑む。彼も限界が近いのか、眉間に深く皺を寄せた。
腰の動きは相変わらず激しく、新太の陰茎を握り込む手の動きも速度を増す。前と後ろから次々と襲い来る快感の波に、虚空へ浮く新太の両足がフィルの体にひしと絡みついた。
「なぁ、アラタ。イクときは俺の名前を呼んでくれ――!」
そう言ったフィルの腰が一層激しく動き出す。もうすでに新太の最奥まで自身の陰茎は到達しているというのに、それでもまだ足りぬと言わんばかりに奥を抉られ、新太の体はもう限界だった。
「ああっ、あっ! イク、イッちゃう――!」
「いいよ……。アラタ、一緒にイこうっ!」
ずくんっとひときわ大きくフィルが腰を動かした瞬間、中空にいきなり放り出されたかのような浮遊感が新太の全身を襲った。
それだけだって失神しそうなほど気持ちよかったのに、次の瞬間には一気に体が沈み込む感覚に包まれ、それすらも快楽と認識した新太の脳内が真っ白に塗りつぶされる。
「ああっ、フィリメスさまぁっ!!」
「アラタッ!」
体の奥底から湧き上がる快感によって、新太の蜜口からはぴゅっと勢いよく精液が迸る。その液体がフィルの腹を濡らした瞬間、新太の中を抉っていたフィルの剛直が弾けた。
「あっ、ああ、あああああ!」
体の中に自分の体温とは違う熱い飛沫が叩き付けられるのを感じながら、全身を包む圧倒的な多幸感の中に新太は意識を手放していった。
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