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第34話 異世界転移者達の結末
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「ハア……、ハア……」
一体どのくらいの時間戦っただろうか。戦い始めて1時間は間違いなく経っているだろうが、もはやよくわからない。時間の感覚などなくなるくらいの死闘を俺たちはずっと繰り広げていた。
激しい戦闘であたりの地形はハチャメチャに変形し、戦争でもしたかのようになっていた。
「ここまでやるとは思いもよらなかったよ、ユウト君。天晴と言う他ないね」
「そりゃどうも。まあお前なんかに褒められても嬉しくねえがな!!」
「おっと!!」
俺の全速力での飛び蹴りをリンヤは両腕を体の前でクロスして受けた。ここにきても反応速度は全く衰えていないようだ。
「まったく……。まだそんな動きができるなんてとんでもない体力だね」
「へっ、俺はチートがあることにかまけたりせずに、日々修行してきたからな。そう簡単にはへばらねえよ」
とは言いつつも実際かなり体力を消耗していた。。そろそろケリをつけねえとまずいかな。
そう思っていた時、リンヤがため息交じりにとんでもないことを言い出した。
「ハア……、しょうがない。そろそろ本気を出すとしようかな」
「何っ!? ――――――――ッ!!!」
直後、気づけば俺はリンヤの回し蹴りをもろにくらってしまっていた。
俺は数十メートル吹き飛ばされる。
バカな!! 全く見えなかったぞ!!
そして、吹き飛ばされた先にすでにリンヤが立っていた。
「はい、もういっちょー」
リンヤの拳が腹にめり込んだ。その瞬間、自分の内臓が破裂したのが分かった。
口から大量の血が吐き出た。マジでヤバイ。
「まだまだいくよー」
間髪入れずにリンヤは両手に魔力弾を作り、俺へと目がけ放った。音速の何倍もの速度で放たれたそれを避ける術は今の俺にはなかった。
「ぶはっ!!!」
2つの魔力弾は俺に直撃し、ボロボロになった俺は地面に倒れた。
くっ…………! 馬鹿な……!! これがリンヤの本気か。途中から本気で戦っているものだと思っていたが、違ったのか……!
完全に誤算だ。明らかにこれは俺よりポテンシャルが上だ。
くそ、どうする。身体は動かねえし、全身の痛みで意識が飛びそうだ。マジでやられる。
「もう終わりかい? まあ結構楽しめたしこんなもんかな。さて、じゃあ殺そうかな」
リンヤが一歩ずつ俺に近づいてくる。
くそっ!! このままじゃ殺される!! でも、体が動いてくれねえ!! ちくしょう!!!
「あっ、そうだ。いいこと思いついた。殺す前にそこにいる君の仲間2人を君の目の前で殺すっていうのはどうだろう。その方がより絶望して死ねるだろうしね。あははっ、最高のアイディアだね!」
なん……だと……!!
エミリアとミーシャを殺す? ふざけるなよ。そんなことしてみろ、死ぬよりひどい目に合わせてやるからな。
リンヤがエミリアたちの方へ歩き出す。エミリアとミーシャの顔が恐怖に歪むのが見える。
「……ま……待…………て…………」
声を絞り出し、リンヤを止めようとする。しかし、体が動かない。
「あははははっ!! さあユウト君。今仲間が死ぬよ!! 仲間を守れなかった自分の弱さを呪って無様に泣き叫んでくれ!!」
「やめろおおおおおおおお!!!!」
その時、ブツンと何かが切れる音がした。
「ぶっ!!!」
そして気づくと俺はリンヤの顔面を思い切り殴っていた。その衝撃でリンヤの顔が大きく歪んだ。
そして、俺は怯んだリンヤをもう一度力任せに殴った。リンヤの口から大量の血が噴き出る。
「ひいっ!!」
リンヤは悲鳴を上げ、俺と距離をとった。逃がすものか。
そこをさらに追いかけ追撃をかます。それをくらったリンヤの左腕がひしゃげた。
「ぎゃああああ!! 腕があああ!! ああ!! 血が!! 血がこんなに!! くそっ! なんだ今の速さと力は……! 君はもう全身ボロボロのはずだ。一体君のどこにそんな力が……!!」
この世界に来てからこんなにダメージを受けたことがなかったのだろう。リンヤは思い切り狼狽えた。
「さあな……。俺にも……分かんねえよ。全身痛えし、意識は朦朧としてるしで満身創痍だ。ただなあ、あの2人だけは絶対殺させねえ!! 今の俺を突き動かすのはその思いだけだ!!」
俺はまたリンヤに殴りかかった。リンヤはさらに血を吹き、その場に膝をついた。いける!!
俺はとどめを刺そうと顔面に拳を決めにいった……のだが、リンヤの顔に当たる寸前のところで突然体の力が抜け、俺もその場にガクンと膝をついてしまった。
どうやらさっきのは火事場の馬鹿力みたいなものだったようだ。やはり俺にはもうリンヤとやりあえるほどの力は残っていないらしい。完全に体が限界を超えていた。
「あははっ、やっぱり限界じゃないか! まあそこで大人しく仲間が死ぬところを見てなよ」
リンヤはゆっくりと立ち上がり、ふらつきながら再びエミリアたちの方へ向かおうとする。
やめろ……。絶対に2人は殺させやしねえぞ。だが、今の俺にもうできることは少ない。まともに戦っても簡単に殺されるだろう。仕方ねえ、覚悟を決めるか。
「ぐっ……! そうは…………させるかあああああ!!!」
俺は最後の力を振り絞り、リンヤに飛び掛かった。
「なっ!!」
油断していたリンヤは反応が遅れ、俺はリンヤに抱きつき、雁字搦めにすることに成功した。
「ハア……、捕まえたぞリンヤ。俺にはもう……、お前と戦うだけの力は……残ってねえらしい。だから……、最後に俺の魔力を完全開放してお前を殺す」
「なっ!!!」
俺の言葉の意味を理解したのか、リンヤは目を思い切り見開き、恐怖の表情を浮かべた。
「やっ、やめろ!! 何を馬鹿な!! そんなことしたら全身の魔力が暴走して君もただじゃ済まないぞ!!」
「ああ……、きっと死ぬだろうな。俺も死ぬのは嫌さ。もっとこの世界で仲間と冒険したかったさ。一緒に笑い合いかったさ。そうだよ……、それができなくなるなんて嫌に決まってる! だがなあ……、ここでお前を倒せずに仲間が死ぬのはもっと嫌なんだよ! お前だけは絶対に許すわけにはいかねえ。お前を倒せるなら俺の命くらいくれてやるさ。さあ、一緒に消し飛ぼうぜ、リンヤ。世界のバランスを崩す俺たちみたいな異世界人は、この世界に存在してちゃいけないんだ!!」
「くそおおおおお!! い、嫌だあああああ!! 死にたくない!!! 離せえええええ!!!」
リンヤが死に物狂いで俺から逃れようとする。無駄だ。絶対離すもんか。
俺は全身に力を込め、魔力を完全開放した。
「―――――――――ッ!!!」
感じたことのない痛みが全身を駆け巡った。魔力が暴走し、全身が焼けるように熱い。今にも体が爆発しそうだ。
俺は咄嗟にエミリアとミーシャの方を振り向く。
「エミリア!! ミーシャ!! 短い間だったけど、2人と一緒に過ごせてすごく楽しかったぜ!! …………じゃあな!!」
「ユウト!!」
「ユウトさん!!」
「嫌だああああああああああああああああああああ!!!!」
リンヤの断末魔の叫びとともに、俺とリンヤは跡形もなくこの世界から消滅した。
一体どのくらいの時間戦っただろうか。戦い始めて1時間は間違いなく経っているだろうが、もはやよくわからない。時間の感覚などなくなるくらいの死闘を俺たちはずっと繰り広げていた。
激しい戦闘であたりの地形はハチャメチャに変形し、戦争でもしたかのようになっていた。
「ここまでやるとは思いもよらなかったよ、ユウト君。天晴と言う他ないね」
「そりゃどうも。まあお前なんかに褒められても嬉しくねえがな!!」
「おっと!!」
俺の全速力での飛び蹴りをリンヤは両腕を体の前でクロスして受けた。ここにきても反応速度は全く衰えていないようだ。
「まったく……。まだそんな動きができるなんてとんでもない体力だね」
「へっ、俺はチートがあることにかまけたりせずに、日々修行してきたからな。そう簡単にはへばらねえよ」
とは言いつつも実際かなり体力を消耗していた。。そろそろケリをつけねえとまずいかな。
そう思っていた時、リンヤがため息交じりにとんでもないことを言い出した。
「ハア……、しょうがない。そろそろ本気を出すとしようかな」
「何っ!? ――――――――ッ!!!」
直後、気づけば俺はリンヤの回し蹴りをもろにくらってしまっていた。
俺は数十メートル吹き飛ばされる。
バカな!! 全く見えなかったぞ!!
そして、吹き飛ばされた先にすでにリンヤが立っていた。
「はい、もういっちょー」
リンヤの拳が腹にめり込んだ。その瞬間、自分の内臓が破裂したのが分かった。
口から大量の血が吐き出た。マジでヤバイ。
「まだまだいくよー」
間髪入れずにリンヤは両手に魔力弾を作り、俺へと目がけ放った。音速の何倍もの速度で放たれたそれを避ける術は今の俺にはなかった。
「ぶはっ!!!」
2つの魔力弾は俺に直撃し、ボロボロになった俺は地面に倒れた。
くっ…………! 馬鹿な……!! これがリンヤの本気か。途中から本気で戦っているものだと思っていたが、違ったのか……!
完全に誤算だ。明らかにこれは俺よりポテンシャルが上だ。
くそ、どうする。身体は動かねえし、全身の痛みで意識が飛びそうだ。マジでやられる。
「もう終わりかい? まあ結構楽しめたしこんなもんかな。さて、じゃあ殺そうかな」
リンヤが一歩ずつ俺に近づいてくる。
くそっ!! このままじゃ殺される!! でも、体が動いてくれねえ!! ちくしょう!!!
「あっ、そうだ。いいこと思いついた。殺す前にそこにいる君の仲間2人を君の目の前で殺すっていうのはどうだろう。その方がより絶望して死ねるだろうしね。あははっ、最高のアイディアだね!」
なん……だと……!!
エミリアとミーシャを殺す? ふざけるなよ。そんなことしてみろ、死ぬよりひどい目に合わせてやるからな。
リンヤがエミリアたちの方へ歩き出す。エミリアとミーシャの顔が恐怖に歪むのが見える。
「……ま……待…………て…………」
声を絞り出し、リンヤを止めようとする。しかし、体が動かない。
「あははははっ!! さあユウト君。今仲間が死ぬよ!! 仲間を守れなかった自分の弱さを呪って無様に泣き叫んでくれ!!」
「やめろおおおおおおおお!!!!」
その時、ブツンと何かが切れる音がした。
「ぶっ!!!」
そして気づくと俺はリンヤの顔面を思い切り殴っていた。その衝撃でリンヤの顔が大きく歪んだ。
そして、俺は怯んだリンヤをもう一度力任せに殴った。リンヤの口から大量の血が噴き出る。
「ひいっ!!」
リンヤは悲鳴を上げ、俺と距離をとった。逃がすものか。
そこをさらに追いかけ追撃をかます。それをくらったリンヤの左腕がひしゃげた。
「ぎゃああああ!! 腕があああ!! ああ!! 血が!! 血がこんなに!! くそっ! なんだ今の速さと力は……! 君はもう全身ボロボロのはずだ。一体君のどこにそんな力が……!!」
この世界に来てからこんなにダメージを受けたことがなかったのだろう。リンヤは思い切り狼狽えた。
「さあな……。俺にも……分かんねえよ。全身痛えし、意識は朦朧としてるしで満身創痍だ。ただなあ、あの2人だけは絶対殺させねえ!! 今の俺を突き動かすのはその思いだけだ!!」
俺はまたリンヤに殴りかかった。リンヤはさらに血を吹き、その場に膝をついた。いける!!
俺はとどめを刺そうと顔面に拳を決めにいった……のだが、リンヤの顔に当たる寸前のところで突然体の力が抜け、俺もその場にガクンと膝をついてしまった。
どうやらさっきのは火事場の馬鹿力みたいなものだったようだ。やはり俺にはもうリンヤとやりあえるほどの力は残っていないらしい。完全に体が限界を超えていた。
「あははっ、やっぱり限界じゃないか! まあそこで大人しく仲間が死ぬところを見てなよ」
リンヤはゆっくりと立ち上がり、ふらつきながら再びエミリアたちの方へ向かおうとする。
やめろ……。絶対に2人は殺させやしねえぞ。だが、今の俺にもうできることは少ない。まともに戦っても簡単に殺されるだろう。仕方ねえ、覚悟を決めるか。
「ぐっ……! そうは…………させるかあああああ!!!」
俺は最後の力を振り絞り、リンヤに飛び掛かった。
「なっ!!」
油断していたリンヤは反応が遅れ、俺はリンヤに抱きつき、雁字搦めにすることに成功した。
「ハア……、捕まえたぞリンヤ。俺にはもう……、お前と戦うだけの力は……残ってねえらしい。だから……、最後に俺の魔力を完全開放してお前を殺す」
「なっ!!!」
俺の言葉の意味を理解したのか、リンヤは目を思い切り見開き、恐怖の表情を浮かべた。
「やっ、やめろ!! 何を馬鹿な!! そんなことしたら全身の魔力が暴走して君もただじゃ済まないぞ!!」
「ああ……、きっと死ぬだろうな。俺も死ぬのは嫌さ。もっとこの世界で仲間と冒険したかったさ。一緒に笑い合いかったさ。そうだよ……、それができなくなるなんて嫌に決まってる! だがなあ……、ここでお前を倒せずに仲間が死ぬのはもっと嫌なんだよ! お前だけは絶対に許すわけにはいかねえ。お前を倒せるなら俺の命くらいくれてやるさ。さあ、一緒に消し飛ぼうぜ、リンヤ。世界のバランスを崩す俺たちみたいな異世界人は、この世界に存在してちゃいけないんだ!!」
「くそおおおおお!! い、嫌だあああああ!! 死にたくない!!! 離せえええええ!!!」
リンヤが死に物狂いで俺から逃れようとする。無駄だ。絶対離すもんか。
俺は全身に力を込め、魔力を完全開放した。
「―――――――――ッ!!!」
感じたことのない痛みが全身を駆け巡った。魔力が暴走し、全身が焼けるように熱い。今にも体が爆発しそうだ。
俺は咄嗟にエミリアとミーシャの方を振り向く。
「エミリア!! ミーシャ!! 短い間だったけど、2人と一緒に過ごせてすごく楽しかったぜ!! …………じゃあな!!」
「ユウト!!」
「ユウトさん!!」
「嫌だああああああああああああああああああああ!!!!」
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