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第33話 ユウトVSリンヤ
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「エミリア、ミーシャ。できるだけ離れてろ。こんなに近くにいたんじゃたぶん巻き込んじまう」
「わ、分かったわ。気をつけなさいよ」
「はいっ。ユウトさん、必ず勝ってください」
「おう」
エミリアとミーシャが安全圏まで離れたことを確認し、俺は構える。
「準備はいいようだね。さて、じゃあ僕からいかせてもらうよ」
そう言い終えた刹那、爆音にも似た音とともにリンヤの姿がかき消え、気が付くと俺の目の前に立っていた。
「なっ!?」
「まず一発」
「――――――ッ!!」
リンヤが俺の顔めがけて右ストレートを放つ。俺は何とか反応し、攻撃をかわそうとしたのだが――――。
駄目だ速い! 避け切れねえ!!
俺は避け切るのを諦め、顔面にパンチをくらった。
しかし、ただでくらった訳ではない。身体を後ろへと反らし、衝撃を逃がしながら攻撃を受けることで、ダメージを最小限にとどめたのだ。そうしなければここで勝負が決していただろう。
なんてスピードだよおい。
今の一撃だけではっきり分かる。やっぱりこいつは格が違う。
「やるねえ。避け切れはしなかったみたいだけど、僕のパンチをまともに食らわなかったのは君が初めてだよ。今まで戦ったS級の奴らはみんなもろにくらっちゃって拍子抜けだったんだ。これは本気が出せそうだよ」
リンヤはまだ全力というわけではなく、俺との戦いをしばらく楽しもうとしている感じだ。
舐めやがって。その油断が命取りになることを教えてやる。
「今度はこっちからいくぞ」
俺は思い切り地面を蹴りリンヤとの距離を一瞬で縮めると、即座にしゃがみ足払いをした。
それをリンヤは軽くジャンプし、難なく避ける。
しかし、そこは俺の読み通り。ジャンプして一瞬隙ができたところに俺は魔法を発動した。
「『エアショット』!!」
空気の弾丸を発射する魔法『エアショット』により、リンヤは上空へと吹き飛んだ。
そこへすかさず俺はさらに魔法を叩き込む。
「『ロックマシンガン』!!」
無数の岩を相手に叩きつける上級魔法『ロックマシンガン』
空中で無防備な状態の今のリンヤには効果抜群だろう。さあ、どうする。
「『ダンシングサンダー』」
無数の岩が直撃する寸前でリンヤはそう唱え、直後発生した無数の雷ですべての岩を消し飛ばしてしまった。マジかよ。
「危ないことするなあ、ユウト君はー。ちょっとだけ焦ったよ」
なんて奴だ。運動能力、反応速度、判断力、そして魔力。すべてが桁違いだ。S級たちが次々とやられるのも納得だな。手強すぎる。
「次は僕の番でいいかな?」
「――――うおっ!!」
リンヤはまたしても弾丸のような速さで俺との間合いを一瞬で埋め、拳を放ってきた。
しかし、今度はしっかり反応し、完璧にかわす。
そして、攻撃後に少し隙ができていたリンヤに、俺はカウンターのパンチを放った。
だが、そんなものを易々とくらうリンヤではなく、即座に身を翻し、俺のパンチをするりとかわす。
そして今度はわずかな隙が俺にできてしまい、そこにリンヤは上段蹴りをかましてきた。
俺は間一髪でなんとかそれをかわした。のだが、少しバランスを崩してしまった。
「しまっ――――!!」
その隙をリンヤが見逃すはずもなく、俺の胸のあたりにリンヤの拳が突き刺さる。
「ぶはっ!!!」
くらった瞬間、すさまじい衝撃が全身に伝わった。特に胸のあたりへのダメージは凄まじかった。俺は骨折なんか人生でしたことないが、間違いない。あばら骨が何本か折れたのが分かった。
俺は20メートル鉾ほど吹き飛ばされ、痛みでそのまま地面にうずくまってしまった。
くっ、こんなに痛いものなのか……!
考えてみれば、この世界に来てから戦闘でまともに攻撃をくらったことなんかほとんどなかったもんな。あるとしたらベイルと戦った時くらいか。
いや、でもこれはベイルの攻撃以上にすげえ威力だ。立ち上がれねえ……。
「ふう。どうやら勝負あったみたいだね。ちょっと拍子抜けだけど、この世界に来てから出会った奴の中では君が1番強かったし、まあ満足かな」
うずくまる俺の前で勝ち誇るリンヤ。くそ、舐めやがって。
「じゃあとどめを刺そうかな。さて、どうや――――――ッ!!!」
「うらあっ!!!」
もう俺が完全に動けないものと思い込み、油断していたのだろう。
爆速で放たれた俺の蹴りにリンヤは反応することができず、攻撃をもろに顔面にくらった。
その衝撃でよろけたリンヤの顎に、俺は思い切りアッパーをかました。
「うぐっ!!」
そして体勢が完全崩れたリンヤの脳天に、俺は渾身の力でかかと落としを叩き込んだ。
リンヤはその猛攻に耐え切れず、地面にうずくまってしまった。
「どうしたリンヤ、その程度か? こっちこそ拍子抜けだな。俺はようやく体が温まってきたとこだってのによ」
うずくまるリンヤに俺は吐き捨てるようにそう言った。
さすがにイラっと来たのか、リンヤの眉がピクリと動いた。
リンヤはなんとかその場から起き上がる。いよいよ本気になったようだ。
「あははっ、さすがだよユウト君。君を殺しちゃうのは本当に惜しいよ」
「へっ、そうかい。さあ、続きと行こうぜ。楽しいのはここからだ」
「わ、分かったわ。気をつけなさいよ」
「はいっ。ユウトさん、必ず勝ってください」
「おう」
エミリアとミーシャが安全圏まで離れたことを確認し、俺は構える。
「準備はいいようだね。さて、じゃあ僕からいかせてもらうよ」
そう言い終えた刹那、爆音にも似た音とともにリンヤの姿がかき消え、気が付くと俺の目の前に立っていた。
「なっ!?」
「まず一発」
「――――――ッ!!」
リンヤが俺の顔めがけて右ストレートを放つ。俺は何とか反応し、攻撃をかわそうとしたのだが――――。
駄目だ速い! 避け切れねえ!!
俺は避け切るのを諦め、顔面にパンチをくらった。
しかし、ただでくらった訳ではない。身体を後ろへと反らし、衝撃を逃がしながら攻撃を受けることで、ダメージを最小限にとどめたのだ。そうしなければここで勝負が決していただろう。
なんてスピードだよおい。
今の一撃だけではっきり分かる。やっぱりこいつは格が違う。
「やるねえ。避け切れはしなかったみたいだけど、僕のパンチをまともに食らわなかったのは君が初めてだよ。今まで戦ったS級の奴らはみんなもろにくらっちゃって拍子抜けだったんだ。これは本気が出せそうだよ」
リンヤはまだ全力というわけではなく、俺との戦いをしばらく楽しもうとしている感じだ。
舐めやがって。その油断が命取りになることを教えてやる。
「今度はこっちからいくぞ」
俺は思い切り地面を蹴りリンヤとの距離を一瞬で縮めると、即座にしゃがみ足払いをした。
それをリンヤは軽くジャンプし、難なく避ける。
しかし、そこは俺の読み通り。ジャンプして一瞬隙ができたところに俺は魔法を発動した。
「『エアショット』!!」
空気の弾丸を発射する魔法『エアショット』により、リンヤは上空へと吹き飛んだ。
そこへすかさず俺はさらに魔法を叩き込む。
「『ロックマシンガン』!!」
無数の岩を相手に叩きつける上級魔法『ロックマシンガン』
空中で無防備な状態の今のリンヤには効果抜群だろう。さあ、どうする。
「『ダンシングサンダー』」
無数の岩が直撃する寸前でリンヤはそう唱え、直後発生した無数の雷ですべての岩を消し飛ばしてしまった。マジかよ。
「危ないことするなあ、ユウト君はー。ちょっとだけ焦ったよ」
なんて奴だ。運動能力、反応速度、判断力、そして魔力。すべてが桁違いだ。S級たちが次々とやられるのも納得だな。手強すぎる。
「次は僕の番でいいかな?」
「――――うおっ!!」
リンヤはまたしても弾丸のような速さで俺との間合いを一瞬で埋め、拳を放ってきた。
しかし、今度はしっかり反応し、完璧にかわす。
そして、攻撃後に少し隙ができていたリンヤに、俺はカウンターのパンチを放った。
だが、そんなものを易々とくらうリンヤではなく、即座に身を翻し、俺のパンチをするりとかわす。
そして今度はわずかな隙が俺にできてしまい、そこにリンヤは上段蹴りをかましてきた。
俺は間一髪でなんとかそれをかわした。のだが、少しバランスを崩してしまった。
「しまっ――――!!」
その隙をリンヤが見逃すはずもなく、俺の胸のあたりにリンヤの拳が突き刺さる。
「ぶはっ!!!」
くらった瞬間、すさまじい衝撃が全身に伝わった。特に胸のあたりへのダメージは凄まじかった。俺は骨折なんか人生でしたことないが、間違いない。あばら骨が何本か折れたのが分かった。
俺は20メートル鉾ほど吹き飛ばされ、痛みでそのまま地面にうずくまってしまった。
くっ、こんなに痛いものなのか……!
考えてみれば、この世界に来てから戦闘でまともに攻撃をくらったことなんかほとんどなかったもんな。あるとしたらベイルと戦った時くらいか。
いや、でもこれはベイルの攻撃以上にすげえ威力だ。立ち上がれねえ……。
「ふう。どうやら勝負あったみたいだね。ちょっと拍子抜けだけど、この世界に来てから出会った奴の中では君が1番強かったし、まあ満足かな」
うずくまる俺の前で勝ち誇るリンヤ。くそ、舐めやがって。
「じゃあとどめを刺そうかな。さて、どうや――――――ッ!!!」
「うらあっ!!!」
もう俺が完全に動けないものと思い込み、油断していたのだろう。
爆速で放たれた俺の蹴りにリンヤは反応することができず、攻撃をもろに顔面にくらった。
その衝撃でよろけたリンヤの顎に、俺は思い切りアッパーをかました。
「うぐっ!!」
そして体勢が完全崩れたリンヤの脳天に、俺は渾身の力でかかと落としを叩き込んだ。
リンヤはその猛攻に耐え切れず、地面にうずくまってしまった。
「どうしたリンヤ、その程度か? こっちこそ拍子抜けだな。俺はようやく体が温まってきたとこだってのによ」
うずくまるリンヤに俺は吐き捨てるようにそう言った。
さすがにイラっと来たのか、リンヤの眉がピクリと動いた。
リンヤはなんとかその場から起き上がる。いよいよ本気になったようだ。
「あははっ、さすがだよユウト君。君を殺しちゃうのは本当に惜しいよ」
「へっ、そうかい。さあ、続きと行こうぜ。楽しいのはここからだ」
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