レベルアップがない異世界で転生特典のレベルアップしたら魔王として追われケモ耳娘たちとひっそりスローライフ。けど国を興すか悩み中

まみ夜

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魔王戦編(仮

金色(仮

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 そうか、襲ってきた訳ではないのか。
 俺は、頭上に構えた剣で、鎧の腕を受け止めながら、勘違いに気がついた。
 襲ってきていないので、トップチームを追撃したり、ダンジョン内を徘徊しなかったのだ。
 それどころか、通じはしなかったが、話し合おうとしていた。
 鎧とスライムの意思疎通は、俺たちのパス通信のようなものだろう。
 密着したことで、つながったのか、魔素「吸収」とも関係があるのかもしれない。
 ピシ、と微かな音が響いた。
「主殿!」
 言われなくても、「強靭」が「吸収」された剣に、ヒビが入っているのは見える。
 一瞬の間の後、長年連れ添ってきた初期装備の剣が、ついに砕け散った。
 障害がなくなって落ちてきた腕を、すばやく両腕をクロスさせて受ける。
「主殿!」
 防御用に纏っていた魔素は「吸収」されてしまうが、レベルアップで底上げされた俺自身の肉体で、受け止めた。
『守らないと!』
『ずっと一緒に居たい!』
 腕同士が触れ合っているせいか、思いが、想いが伝わってくる。
 これを知った上で、倒すなんてできない。
 今更だが、ナギコのとき、セレナのときといい、あの幻影は何なのだろう?
 脳内きょうたんが考察するところの「大量に魔素を集める」ための補助なのか、転生特典「レベルアップ」の機能なのかバグなのか。
 しかも、今回の相手は転生者でもない。
 いや、転生者である教皇の血を浴びたからか?
『守らないと!』
『ずっと一緒に居たい!』
 一番の問題点は、もうネタ切れなことだ。
 モンスター討伐としか考えおらず、こんな事態は想定していなかった。
 えーと、鎧はアーマーだから、あみ?
 スライムは、すらりん?
 ダサいわ、俺。
 ナギコの呆れたような溜息ときょうたんのワクテカ顔が脳内再生された。
「主殿?」
 俺が動かないのを見て、トラブルで動けないと心配したハイロウが、呼びかけてくる。
 悪いがハイロウ、考えがまとまらないから、静かにしててくれ。
 金色だから、コン?
 いや、コンミョウと被る、って若返って金髪のコンミョウの「ミョウ」って何だ?
 本人が本名を「あまり勇ましい音でない」と言っていたし、そもそも漢字がない世界だ。
 しかし、ワーウルフのハイロウが灰狼、ドラゴンのシランが紫嵐、兄シウンが紫雲と長命な種族の名は、あて字が可能なのも気になる。
 それよりも、金色は、こがね色。
 半透明なスライムは、何色って言うんだ?
 琥珀色に見えなくもないが、きっと鎧の金色のせいで、独自の色ではなさそうだ。
 色ネタ終了。
 そもそも、秘書軍団でも虹色七色を使っている。
 火の玉が、部屋に入ってきた。
 ハイロウの声を外で聞いて心配したみんなが、待機の指示を破って、入ってくるために先行でヨウコが飛ばしたのだろう。
 部屋の中が、炎で赤く色づく。
 金鎧も赤く染まって輝いた。
 これだ。
『守らないと!』
『ずっと一緒に居たい!』
「アカネ、シロガネ」
 その名で俺は、「名づけ」た。
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