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一戦
真っ白い部屋
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目を開けると、真っ白い部屋だった。
「あれ?」
てっきり、ジェネラル世界で、世界の敵が目の前にいるのだと想像していた。
僕の声で、八畳ほどの部屋で、思い思いの姿勢をしていた四人の少年少女が、こちらを向いた。
「おいおい、新人?」
ライダー・スーツのような黒革で顔以外が覆われ、肩や腕、脛に黒い金属装甲がついている、髪がツンツンしている少年。
「サトルって文句ばっかりだよねー」
白くて長いワンピースのような服で、茶色のポニーテイルの少女。
「まあまあ、我々だって、新人の時はあったんだから」
銀色の鎧をつけた、少し長めの髪の少年。
黒革だけで、追加装甲のない、ショートカットで無言の少女。
>挨拶するのが礼儀でーす
この部屋では姿が見えないオペレーターが、声と文字で促してきた。
「あ、はじめまして」
オペレーターに促されて、頭を下げる。
その視線に自分の体が入り、自分もショートカットの少女と同じ、黒革のライダー・スーツのようなものを着ているのが分かった。
>初期装備のレザー・アーマーを身に着けてまーす
どうやら、このライダー・スーツは、革鎧で、初期装備のようだ。
「挨拶なんて、律儀ー」
「礼儀は大事だよ」
吹き出すポニーテイル少女をなだめながら、鎧の少年が近づき、手を伸ばしてくる。
「私はランドウ。盾持ちのファイターでレベル十四。はじめまして」
ランドウの手を手袋同士で握り、
「あ、ケイです。よろしく。初めてなので、ファイターとかはわかりません」
>クラスは、ファイターでーす
>クラスは、使える武器の種類で、剣などの敵に近づく必要のある武器を使うファイター
>銃などの弾が出る武器を使うガンナー
>魔法を使うメイジの三種類ありまーす
>このクラスは自動的に決定され、変更不可能でーす
>レベルは壱でーす
自己紹介での疑問に、解説が目と耳に流れてくる。
便利だ。
「クラスは、ファイターでレベル壱、です」
「オペレーターは、便利、だよね」
僕の視線と追加の自己紹介に、ランドウが、軽く笑う。
「本当に新人だねー。ミチルはメイジでレベル七。ファイターなら、ミチルの盾になってー」
ポニーテイル少女が、僕の手を握り、ぶんぶん振る。
>盾とは、防御力の弱いメイジを防御力の高いファイターが守る行為でーす
それって、僕ばっかりが怪我しないのか?
「よろしくねー」
疑問が顔に出たのか、ミチルは少し不満そうな顔をして、手を放した。
「俺は二刀流のファイターのサトル。レベル十壱。よろしくな」
つんつん頭の少年が、手を振ってきた。
みんなの視線が、ショートカット少女に集まる。
自己紹介をする気はないらしく、口を開かない。
「ほら、カムイ」
「ガンナー、二丁銃、レベル九」
ミチルに促されて、ようやく短く声が聞こえた。
装備が革鎧だけなので、てっきりレベルが低いかと思ったら、そうじゃないらしい。
ランドウが苦笑いしながら、
「自己紹介も終わったところで、パーティーを組もうか」
目の前に[YES][NO]の文字が浮かぶ。
「YESを押せば、お互いの生命力が情報共有できるんだ」
>YESを押せば、お互いの生命力が情報共有できまーす
>今後は、生命力をヒットポイントと呼びまーす
ランドウの言葉とほぼ同じ内容をオペレーターが告げてくる。
それを見越してか、
「ね?」
笑いかけてくるランドウに、[YES]を押して答えた。
同時に、視界の左に、四人と僕の顔写真、その横に緑色のバーが一本現れる。
「そのバーが消えると死ぬよ」
ランドウの言葉に、真顔になるのが分かる。
ジェネラル世界で死ぬと、自殺の結果である死体になるらしい。
僕ならば、自室で手首を切った死体になるのだろうか。
「あと、メイジの魔法もヒットポイントが減るから、盾お願いねー」
ミチルが、にこやかに言ってくるが、笑うところだろうか。
「まあ、新人は、メイジの盾だよな」
サトルがうんうん、と頷き、カムイも珍しく反応し、頷く。
ランドウの方を見ると、困ったようにしながらも、
「フォーメーションとしては、私が壁になるから、サトルとカムイが側面から攻撃してヘイトコントロールに気をつけて。ミチルがヘイト溜まったタイミングみて魔法」
>壁とは、防御力の高いファイターが、世界の敵の注意を引きつけ、他メンバーに攻撃をさせないようにする行為でーす
>ヘイトは、世界の敵からの注目度でーす
>攻撃などをするとそのメンバーへのヘイトが高まりまーす
>一番ヘイトの高いメンバーをターゲットとして世界の敵は狙いまーす
つまり、ランドウが敵の注意をひきつけ、サトルとカムイが側面から攻撃、ただし攻撃しすぎてターゲットにされないようにする。
ミチルもターゲットにならないように、ランドウが注意をひきつけてから魔法攻撃か。
「オッケー」
「任された」
名前の出た三人が、手をあげて了解を示す。
「えーと」
僕の方を見て、やはり、困ったような顔で、
「新人君は、ミチルの護衛で」
「あれ?」
てっきり、ジェネラル世界で、世界の敵が目の前にいるのだと想像していた。
僕の声で、八畳ほどの部屋で、思い思いの姿勢をしていた四人の少年少女が、こちらを向いた。
「おいおい、新人?」
ライダー・スーツのような黒革で顔以外が覆われ、肩や腕、脛に黒い金属装甲がついている、髪がツンツンしている少年。
「サトルって文句ばっかりだよねー」
白くて長いワンピースのような服で、茶色のポニーテイルの少女。
「まあまあ、我々だって、新人の時はあったんだから」
銀色の鎧をつけた、少し長めの髪の少年。
黒革だけで、追加装甲のない、ショートカットで無言の少女。
>挨拶するのが礼儀でーす
この部屋では姿が見えないオペレーターが、声と文字で促してきた。
「あ、はじめまして」
オペレーターに促されて、頭を下げる。
その視線に自分の体が入り、自分もショートカットの少女と同じ、黒革のライダー・スーツのようなものを着ているのが分かった。
>初期装備のレザー・アーマーを身に着けてまーす
どうやら、このライダー・スーツは、革鎧で、初期装備のようだ。
「挨拶なんて、律儀ー」
「礼儀は大事だよ」
吹き出すポニーテイル少女をなだめながら、鎧の少年が近づき、手を伸ばしてくる。
「私はランドウ。盾持ちのファイターでレベル十四。はじめまして」
ランドウの手を手袋同士で握り、
「あ、ケイです。よろしく。初めてなので、ファイターとかはわかりません」
>クラスは、ファイターでーす
>クラスは、使える武器の種類で、剣などの敵に近づく必要のある武器を使うファイター
>銃などの弾が出る武器を使うガンナー
>魔法を使うメイジの三種類ありまーす
>このクラスは自動的に決定され、変更不可能でーす
>レベルは壱でーす
自己紹介での疑問に、解説が目と耳に流れてくる。
便利だ。
「クラスは、ファイターでレベル壱、です」
「オペレーターは、便利、だよね」
僕の視線と追加の自己紹介に、ランドウが、軽く笑う。
「本当に新人だねー。ミチルはメイジでレベル七。ファイターなら、ミチルの盾になってー」
ポニーテイル少女が、僕の手を握り、ぶんぶん振る。
>盾とは、防御力の弱いメイジを防御力の高いファイターが守る行為でーす
それって、僕ばっかりが怪我しないのか?
「よろしくねー」
疑問が顔に出たのか、ミチルは少し不満そうな顔をして、手を放した。
「俺は二刀流のファイターのサトル。レベル十壱。よろしくな」
つんつん頭の少年が、手を振ってきた。
みんなの視線が、ショートカット少女に集まる。
自己紹介をする気はないらしく、口を開かない。
「ほら、カムイ」
「ガンナー、二丁銃、レベル九」
ミチルに促されて、ようやく短く声が聞こえた。
装備が革鎧だけなので、てっきりレベルが低いかと思ったら、そうじゃないらしい。
ランドウが苦笑いしながら、
「自己紹介も終わったところで、パーティーを組もうか」
目の前に[YES][NO]の文字が浮かぶ。
「YESを押せば、お互いの生命力が情報共有できるんだ」
>YESを押せば、お互いの生命力が情報共有できまーす
>今後は、生命力をヒットポイントと呼びまーす
ランドウの言葉とほぼ同じ内容をオペレーターが告げてくる。
それを見越してか、
「ね?」
笑いかけてくるランドウに、[YES]を押して答えた。
同時に、視界の左に、四人と僕の顔写真、その横に緑色のバーが一本現れる。
「そのバーが消えると死ぬよ」
ランドウの言葉に、真顔になるのが分かる。
ジェネラル世界で死ぬと、自殺の結果である死体になるらしい。
僕ならば、自室で手首を切った死体になるのだろうか。
「あと、メイジの魔法もヒットポイントが減るから、盾お願いねー」
ミチルが、にこやかに言ってくるが、笑うところだろうか。
「まあ、新人は、メイジの盾だよな」
サトルがうんうん、と頷き、カムイも珍しく反応し、頷く。
ランドウの方を見ると、困ったようにしながらも、
「フォーメーションとしては、私が壁になるから、サトルとカムイが側面から攻撃してヘイトコントロールに気をつけて。ミチルがヘイト溜まったタイミングみて魔法」
>壁とは、防御力の高いファイターが、世界の敵の注意を引きつけ、他メンバーに攻撃をさせないようにする行為でーす
>ヘイトは、世界の敵からの注目度でーす
>攻撃などをするとそのメンバーへのヘイトが高まりまーす
>一番ヘイトの高いメンバーをターゲットとして世界の敵は狙いまーす
つまり、ランドウが敵の注意をひきつけ、サトルとカムイが側面から攻撃、ただし攻撃しすぎてターゲットにされないようにする。
ミチルもターゲットにならないように、ランドウが注意をひきつけてから魔法攻撃か。
「オッケー」
「任された」
名前の出た三人が、手をあげて了解を示す。
「えーと」
僕の方を見て、やはり、困ったような顔で、
「新人君は、ミチルの護衛で」
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