9 / 67
第一巻:春は、あけぼの
不安-思案
しおりを挟む
学食で、俺・あみ・ミホの三人で昼食をとっていたら、志方マネージャーが現れた。
あみにも予定外のことだったようで、驚いた様子だ。
「どうしたの?志方さん。今日の集合時間、まだだよね?」
「今夜の収録が長引きそうなので、前倒し進行したいと先方より連絡ありまして。お迎えに行くと連絡したのですが?」
「え?うそ」
バッグからスマホを取り出し、
「ご飯食べてて、気がつかなかった。ごめんなさい!」
学食は騒がしいし、俺たちも話していたので、気がつかななったのだろう。
「いえ、こちらこそ、予定が急に変更になり申し訳ありません。もう出られますか?」
あみの皿は、もう空になっていた。
「うん、大丈夫いけるよ」
「お騒がせしてしまい申し訳ありませんでした」
一礼して、あみを連れていく志方。
「いってらー、あみりん」
ミホが手を振り、俺もつられて振った。
「いってらっしゃい」
あみは、元気よく手を振り返して、
「うん、アイドルしてきます!」
「こんばんは」
「いらっしゃい。って、あみ今日いないわよ?」
「知ってます」
ここは、あみの母親が営む居酒屋だ。
一度、彼女と話しをしてみたかった。
あみのおにいさんの一周忌では話したが、本音を聞けていない気がしているのだ。
なので、あみが仕事で帰りが遅いだろう今日を狙ってきた。
娘が、母親の自分より年上の男と『友達から』とはいえ、つきあっているのだ。
娘がいなければ、言いたいこともあるだろうと思う。
それを聞いて、俺は自分への言い訳に使いたいのかもしれない。
少し時間が早いからか、まだ客は俺だけだった。
「ひとりで来たってことは、娘に後ろめたいことの告白かい?」
「わざわざ、刺されにきませんよ。生ビールでお願いします」
乾杯し、いくつかお勧めを注文したので、その調理をしながら、
「で?今日はどうしたんだい?」
「娘の言い分と、とりあえずの俺の回答は聞かせましたので、おかあさんの本音を聞きたくて来ました」
「とりあえず?それに、まだ、義母と呼ばれる筋合いはないねえ」
そういうのが聞きたいのだ。
「では、なんとお呼びしたら?」
「うーん。ママ?」
「それは逆に、人間関係が複雑に伝わる気がしますけど?」
居酒屋のママで、あみのママをつきあっている俺もママと呼ぶのか?
「めんどうだから、ママ。いいかい?」
「・・・了解です、ママ」
軍隊でのイエス・マム!みたいなものだと思えばいいか。
「それで、何が不安なんだい?」
俺は不安、なんだろうか?
「そう聞くってことは、不安そうに見えますか?」
「ああ。娘に嫌われたらどうしよう。親子って思われたらどうしよう。変態って思われたらどうしよう。だから、母親がどう思ってるか、不安で聞きにきたんだろう?」
俺は不安、なんだろうか?
『友達』と言いつつ、彼女に嫌われたら、世間からの目に、自分の勘違いに、彼女が気がついたら?
「・・・ママは、ご自分より年上の俺のこと、どう思ってるんですか?」
彼女は、鼻で笑って、
「沢田さんは、勘違いしているようだね?」
「え?」
「信じられないとは思うけどさ。これでも、あたしも女子高校生だったことが、あるんだよ。元JK、JK」
いや、それはそうだろう、俺だって男子高校生のときはあった。
「だから、知ってるんだ。何歳だろうが、子供だってわかっていても、その恋は本気だってね」
「・・・はあ」
あみは本気、なのだろうか。
「娘の本気の恋を、母親が応援しなくて、どうするんだい?」
彼女は、娘を信じているから揺らがない。
なら、揺らいでいる俺は、信じていないのだろう。
だから、いつ「やっぱり勘違いでした」と告げられるかを恐れている。
なんで恐れる?
あみの勘違だとわかれば、お互い、それでいいんじゃないのか。
「あの子が、本気か、疑ってるんだろう?」
俺は、素直に頷いた。
いや、だってこんなオッサンに、本気ではない、はずだ。
本人だって、「どうしてかなんて、わかんない!」だったのだから。
「試したいなら簡単。『俺のために別れてくれ』って言えば、何も聞かないで沢田さんの前から消えるよ、あの子は」
ママは笑っているが、その真意は表情からは、よくわからない。
俺は、本気で、そうしたいのか?
どうなるのが、誰もが困らない、平和な解決策なのだろう?
いや、丸く収まれば、いいのか?
俺は、あみに告白されたとき、思わず言っていた。
『もし信じて好きになった後、その勘違いがわかったら、俺はどうしたらいいんだ?』
それは、言い訳だ。
誰かが困れば、誰かに否定されたら、勘違いだったら、俺は、好きになれないのか?
これだけの年齢差だ、好きになったら、いけないのかもしれない。
好きに理由も言い訳もいらない、だったか、俺が自分で言ったらしいが。
「・・・好きなんだから、仕方ない」
俺が、呟いたら、大爆笑された。
「ぷふっ!今更?あの時、あんだけ大声だしておいて。ひー、おかしい」
好きなのだったら、俺の離婚歴など、話さなければいけないこともある。
でも、それを知った彼女は、どう思うのだろう?
それこそ、今更だ。
なんだか、順番がグチャグチャだ。
なにもかもが、グチャグチャだ。
「素直になったみたいだから、あたしも素直に、いいこと教えてあげる。娘を持つ母親って誰もが一度は想像するんだ。娘がチャラいラッパーか売れない芸人つれて『デキた』って挨拶に来る。それに比べたら、沢田さんは年以外は全然マシって思った」
『年以外は全然マシ』が本音か、でも素直に喜んでおこう。
「ありがとうございます」
「うん、だけど、『デキた』りしたら刺す」
常連さんも来客して忙しくなってきたし彼らに、あみとの仲を遠慮ナシにイジられるので、そろそろお暇しようとして、ふと思って聞いた。
「ママ、ここにファンって来たりしないんですか?」
「あー、あの子が『常連さんを大事にしているお店なのできちゃダメ』とか公式に言ってるから、こないよ」
聖地巡礼が禁止され、聖域となっているわけか。
「それでも、始めはカメラやスマホ構えて、外で待っているのいたけど。ガンガンご近所に通報されて、いなくなったね」
近所ぐるみの鉄壁の守りで、城塞都市かここは。
少なくとも、ここに飲みにくる分には一応、安全ということなのだろうか。
まあ、『お友達』だし、ご常連的な年齢だしな俺は。
ポケットのスマホが振動したので、取り出してみる。
「お仕事おわった!帰る!」と来ていたので、「お疲れ様。おやすみ」と返信。
「あみ、仕事終わったみたいですよ」
娘を以前と違う呼び捨てなことに、ミリ単位でママの眉毛が動いた。
言ってる間に即座に「おやすみ!」と返事がきた。
ママもスマホを取り出し、
「男に先に連絡って。ああ言ったものの、目の当たりにすると、母親としては複雑だねえ」
俺は、苦笑しつつ、会計を済ませると、店を出た。
その後、家に帰りついたあみが、俺が店に来たにも係わらず自分を待たずに帰ったのを知り、抗議を連打してきて大変だった。
でも、それにつき合いながら、気がついた。
電話してこないのは、いつ寝てもいい、という彼女なりの気遣いなのだ、と。
あみにも予定外のことだったようで、驚いた様子だ。
「どうしたの?志方さん。今日の集合時間、まだだよね?」
「今夜の収録が長引きそうなので、前倒し進行したいと先方より連絡ありまして。お迎えに行くと連絡したのですが?」
「え?うそ」
バッグからスマホを取り出し、
「ご飯食べてて、気がつかなかった。ごめんなさい!」
学食は騒がしいし、俺たちも話していたので、気がつかななったのだろう。
「いえ、こちらこそ、予定が急に変更になり申し訳ありません。もう出られますか?」
あみの皿は、もう空になっていた。
「うん、大丈夫いけるよ」
「お騒がせしてしまい申し訳ありませんでした」
一礼して、あみを連れていく志方。
「いってらー、あみりん」
ミホが手を振り、俺もつられて振った。
「いってらっしゃい」
あみは、元気よく手を振り返して、
「うん、アイドルしてきます!」
「こんばんは」
「いらっしゃい。って、あみ今日いないわよ?」
「知ってます」
ここは、あみの母親が営む居酒屋だ。
一度、彼女と話しをしてみたかった。
あみのおにいさんの一周忌では話したが、本音を聞けていない気がしているのだ。
なので、あみが仕事で帰りが遅いだろう今日を狙ってきた。
娘が、母親の自分より年上の男と『友達から』とはいえ、つきあっているのだ。
娘がいなければ、言いたいこともあるだろうと思う。
それを聞いて、俺は自分への言い訳に使いたいのかもしれない。
少し時間が早いからか、まだ客は俺だけだった。
「ひとりで来たってことは、娘に後ろめたいことの告白かい?」
「わざわざ、刺されにきませんよ。生ビールでお願いします」
乾杯し、いくつかお勧めを注文したので、その調理をしながら、
「で?今日はどうしたんだい?」
「娘の言い分と、とりあえずの俺の回答は聞かせましたので、おかあさんの本音を聞きたくて来ました」
「とりあえず?それに、まだ、義母と呼ばれる筋合いはないねえ」
そういうのが聞きたいのだ。
「では、なんとお呼びしたら?」
「うーん。ママ?」
「それは逆に、人間関係が複雑に伝わる気がしますけど?」
居酒屋のママで、あみのママをつきあっている俺もママと呼ぶのか?
「めんどうだから、ママ。いいかい?」
「・・・了解です、ママ」
軍隊でのイエス・マム!みたいなものだと思えばいいか。
「それで、何が不安なんだい?」
俺は不安、なんだろうか?
「そう聞くってことは、不安そうに見えますか?」
「ああ。娘に嫌われたらどうしよう。親子って思われたらどうしよう。変態って思われたらどうしよう。だから、母親がどう思ってるか、不安で聞きにきたんだろう?」
俺は不安、なんだろうか?
『友達』と言いつつ、彼女に嫌われたら、世間からの目に、自分の勘違いに、彼女が気がついたら?
「・・・ママは、ご自分より年上の俺のこと、どう思ってるんですか?」
彼女は、鼻で笑って、
「沢田さんは、勘違いしているようだね?」
「え?」
「信じられないとは思うけどさ。これでも、あたしも女子高校生だったことが、あるんだよ。元JK、JK」
いや、それはそうだろう、俺だって男子高校生のときはあった。
「だから、知ってるんだ。何歳だろうが、子供だってわかっていても、その恋は本気だってね」
「・・・はあ」
あみは本気、なのだろうか。
「娘の本気の恋を、母親が応援しなくて、どうするんだい?」
彼女は、娘を信じているから揺らがない。
なら、揺らいでいる俺は、信じていないのだろう。
だから、いつ「やっぱり勘違いでした」と告げられるかを恐れている。
なんで恐れる?
あみの勘違だとわかれば、お互い、それでいいんじゃないのか。
「あの子が、本気か、疑ってるんだろう?」
俺は、素直に頷いた。
いや、だってこんなオッサンに、本気ではない、はずだ。
本人だって、「どうしてかなんて、わかんない!」だったのだから。
「試したいなら簡単。『俺のために別れてくれ』って言えば、何も聞かないで沢田さんの前から消えるよ、あの子は」
ママは笑っているが、その真意は表情からは、よくわからない。
俺は、本気で、そうしたいのか?
どうなるのが、誰もが困らない、平和な解決策なのだろう?
いや、丸く収まれば、いいのか?
俺は、あみに告白されたとき、思わず言っていた。
『もし信じて好きになった後、その勘違いがわかったら、俺はどうしたらいいんだ?』
それは、言い訳だ。
誰かが困れば、誰かに否定されたら、勘違いだったら、俺は、好きになれないのか?
これだけの年齢差だ、好きになったら、いけないのかもしれない。
好きに理由も言い訳もいらない、だったか、俺が自分で言ったらしいが。
「・・・好きなんだから、仕方ない」
俺が、呟いたら、大爆笑された。
「ぷふっ!今更?あの時、あんだけ大声だしておいて。ひー、おかしい」
好きなのだったら、俺の離婚歴など、話さなければいけないこともある。
でも、それを知った彼女は、どう思うのだろう?
それこそ、今更だ。
なんだか、順番がグチャグチャだ。
なにもかもが、グチャグチャだ。
「素直になったみたいだから、あたしも素直に、いいこと教えてあげる。娘を持つ母親って誰もが一度は想像するんだ。娘がチャラいラッパーか売れない芸人つれて『デキた』って挨拶に来る。それに比べたら、沢田さんは年以外は全然マシって思った」
『年以外は全然マシ』が本音か、でも素直に喜んでおこう。
「ありがとうございます」
「うん、だけど、『デキた』りしたら刺す」
常連さんも来客して忙しくなってきたし彼らに、あみとの仲を遠慮ナシにイジられるので、そろそろお暇しようとして、ふと思って聞いた。
「ママ、ここにファンって来たりしないんですか?」
「あー、あの子が『常連さんを大事にしているお店なのできちゃダメ』とか公式に言ってるから、こないよ」
聖地巡礼が禁止され、聖域となっているわけか。
「それでも、始めはカメラやスマホ構えて、外で待っているのいたけど。ガンガンご近所に通報されて、いなくなったね」
近所ぐるみの鉄壁の守りで、城塞都市かここは。
少なくとも、ここに飲みにくる分には一応、安全ということなのだろうか。
まあ、『お友達』だし、ご常連的な年齢だしな俺は。
ポケットのスマホが振動したので、取り出してみる。
「お仕事おわった!帰る!」と来ていたので、「お疲れ様。おやすみ」と返信。
「あみ、仕事終わったみたいですよ」
娘を以前と違う呼び捨てなことに、ミリ単位でママの眉毛が動いた。
言ってる間に即座に「おやすみ!」と返事がきた。
ママもスマホを取り出し、
「男に先に連絡って。ああ言ったものの、目の当たりにすると、母親としては複雑だねえ」
俺は、苦笑しつつ、会計を済ませると、店を出た。
その後、家に帰りついたあみが、俺が店に来たにも係わらず自分を待たずに帰ったのを知り、抗議を連打してきて大変だった。
でも、それにつき合いながら、気がついた。
電話してこないのは、いつ寝てもいい、という彼女なりの気遣いなのだ、と。
0
あなたにおすすめの小説
春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる
釧路太郎
キャラ文芸
僕には露出狂のいとこが三人いる。
他の人にはわからないように僕だけに下着をチラ見せしてくるのだが、他の人はその秘密を誰も知らない。
そんな三人のいとこたちとの共同生活が始まるのだが、僕は何事もなく生活していくことが出来るのか。
三姉妹の長女前田沙緒莉は大学一年生。次女の前田陽香は高校一年生。三女の前田真弓は中学一年生。
新生活に向けたスタートは始まったばかりなのだ。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」にも投稿しています。
【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません
竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──
【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。
東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」
──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。
購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。
それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、
いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!?
否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。
気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。
ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ!
最後は笑って、ちょっと泣ける。
#誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
恋人、はじめました。
桜庭かなめ
恋愛
紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。
明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。
ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。
「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」
「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」
明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。
一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!
※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)
※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想などお待ちしています。
元おっさんの幼馴染育成計画
みずがめ
恋愛
独身貴族のおっさんが逆行転生してしまった。結婚願望がなかったわけじゃない、むしろ強く思っていた。今度こそ人並みのささやかな夢を叶えるために彼女を作るのだ。
だけど結婚どころか彼女すらできたことのないような日陰ものの自分にそんなことができるのだろうか? 軟派なことをできる自信がない。ならば幼馴染の女の子を作ってそのままゴールインすればいい。という考えのもと始まる元おっさんの幼馴染育成計画。
※この作品は小説家になろうにも掲載しています。
※【挿絵あり】の話にはいただいたイラストを載せています。表紙はチャーコさんが依頼して、まるぶち銀河さんに描いていただきました。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる