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21:幽霊の声
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「幽霊の声?」
「そうです、いないはずの五人目の声が聞こえたんですよ。これは、幽霊の仕業です」
またか。
将兵は、学生のころから、なんでもすぐオカルトにしたがる傾向があった。
「練習に使っている体育館は、昔は刑場だったらしいですし、戦国時代には合戦で、たくさん死んだようです」
社会人になったのに、まだそのままなのか?
「スマホにその歌が入ってますから、聞いてみてください」
え?
実物あるの?
聞かなきゃいけないの?
とはいえ、疑った手前断れず、イヤホンを渡されて、渋々耳にいれた。
「二分十五秒くらいのとこです」
伴奏なしのアカペラで、男性の合唱が聞こえてきた。
スマホの進行時間を見ている、と確かに今まで聞こえていなかった五人目の声が、聞こえた。
「うわ、なにこれ?」
「だから、幽霊の声ですよ」
「お待たせしました。枝豆の辛味炒めです」
ローテーブルに、枝豆が置かれた。
茹でた枝豆をカラごと、唐辛子とニンニクで炒めたペペロンチーノ風の味付けだ。
塩茹でより、枝豆の甘みが感じられて、止まらないのだ。
「どうぞ、ごゆっくり」
立ち上がったパパに、将兵が、声をかけた。
「この話、どう思います? バーテンダーさん」
ちょ、おま、ナニしてくれてるの!?
慌てる私に気づかないように、パパは、小首を傾げて、少し考えた後、
「思うに、幽霊ではない、のではないでしょうか?」
「そうです、いないはずの五人目の声が聞こえたんですよ。これは、幽霊の仕業です」
またか。
将兵は、学生のころから、なんでもすぐオカルトにしたがる傾向があった。
「練習に使っている体育館は、昔は刑場だったらしいですし、戦国時代には合戦で、たくさん死んだようです」
社会人になったのに、まだそのままなのか?
「スマホにその歌が入ってますから、聞いてみてください」
え?
実物あるの?
聞かなきゃいけないの?
とはいえ、疑った手前断れず、イヤホンを渡されて、渋々耳にいれた。
「二分十五秒くらいのとこです」
伴奏なしのアカペラで、男性の合唱が聞こえてきた。
スマホの進行時間を見ている、と確かに今まで聞こえていなかった五人目の声が、聞こえた。
「うわ、なにこれ?」
「だから、幽霊の声ですよ」
「お待たせしました。枝豆の辛味炒めです」
ローテーブルに、枝豆が置かれた。
茹でた枝豆をカラごと、唐辛子とニンニクで炒めたペペロンチーノ風の味付けだ。
塩茹でより、枝豆の甘みが感じられて、止まらないのだ。
「どうぞ、ごゆっくり」
立ち上がったパパに、将兵が、声をかけた。
「この話、どう思います? バーテンダーさん」
ちょ、おま、ナニしてくれてるの!?
慌てる私に気づかないように、パパは、小首を傾げて、少し考えた後、
「思うに、幽霊ではない、のではないでしょうか?」
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