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第二部 第3章
474.子供祭6
しおりを挟む「ソロモンあにうえ、フルーツあめを、ください」
「ふふっ、イーニアス、いらっしゃい。どのフルーツの飴がいいかな?」
「わたしはイチゴで、ちちうえはブドウで、あねうえは、リンゴです!」
「ノアの分はいいの?」
「あっ、ノアのぶんも、いります! ノアは、ブドウがすきだから、ぶどう、ください」
仲の良い兄弟の話し声が聞こえてきますわ。ソロモン殿下はフルーツ飴のお店ですのね。イーニアス殿下は、たくさん飴を頼んでおりますが、そんなに持って歩けるのかしら。と、思ったら、ソロモン殿下も一緒に持っていってあげますのね。優しいお兄様ですわ。
「おかぁさま、わたち、きたのよ」
「よーてーたん、ふりょも、ちた!」
「ぺぇちゃ、みょ!」
まぁっ、わたくしの天使たちが来てくれましたわ!
ふ、フロちゃんが、ぺーちゃんを抱っこして、よたよたしておりますけれど……あぁ……ぺーちゃんが重力には逆らえずに、身体が伸びて、下にズレていっていますわ。顔が苦しそう……あ、クレオ枢機卿がさすがに見かねて、取り返しましたわ。
「ノアっ、フロちゃんっ、ぺーちゃん!」
「お嬢様、チーズ3、さつまいも3、コーン6お願いします」
「え……」
サリー、ちょっと空気を読んでちょうだい!?
「おかぁさま、おいしょがちぃの……」
「ふりょ、ちゃべちゃい」
「かぁちゃ、ぅちょ、ちぃ?」
あっ、三人とも待ってちょうだい!! 行かないで……っ
わたくしの様子を見た三人は、とぼとぼと離れていくではないか。
「ノア! わたしが、フルーツあめを、もってきたぞっ」
「アスでんか!」
そこへイーニアス殿下が来たものだから、ノアの意識はもうわたくしにはない。ぺーちゃんも「あちゅ!」と嬉しそうで、フロちゃんはエンツォお父様に、何か食べ物をもらって食べている。ドニーズさんは先ほどからわたくしの屋台に並びながら、ウィーヌス様とお話されている。
「ぺーちゃんと、フローレンスも、いっしょだったのか!」
「あちゅ、ぺぇちゃ、ばぁん!」
「ん? ばぁん?」
あらあら、ぺーちゃんがこれからやる、的あてゲームを見ていてほしいとでも言っているのか、「ばぁん!」と身振り手振りで話している。
「ホホッ、殿下、フェリクスがこれから、フローレンスの露店で、ボールの的あてゲームをするから、見ていてほしいと言っております」
「まとあて……おもしろそうだ!」
クレオ枢機卿から、ぺーちゃんの意図を知り、的あてゲームに興味を持ったイーニアス殿下に、口の端にチョコレートを付けたフロちゃんが近付いていき、
「ばぁん、ちゅりゅ?」
可愛いのだけれど、言葉は物騒ですのよね……
「うむ。わたしにも、ばぁん、させてもらえるか!」
「ぁーい。あ、いらちゃい、ましぇー」
「あちゅ、ぺぇちゃ、みょ!」
「わたちも、もういっかい、しゅる!」
イーニアス殿下からもらった、ぶどうの飴を食べながら、ノアもやる気満々だ。
こうして、お祭りを楽しんだ子供たちは、満足したように帰っていった。
ちなみに妖精紙幣(子供紙幣)を一番稼いだのは……
「お姉様、子供祭でお姉様の露店が一番人気だったそうですね。大人げないですよ」
「普通は、料理人の屋台のように、おもちゃの紙幣は受け取らないのではないでしょうか」
弟とサリーに冷たい視線を向けられ、落ち込むわたくしがそこにいたのだった。
「おかぁさま、わたち、とーっても、たのちかったのよ!」
「ぺぇちゃ、みょ!」
「また、ちましょーね」
「にゃ!」
まぁ、当初の予定通り、ノアとぺーちゃんが喜んでくれたから、大成功ですわよね!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~ おまけ ~
ぺーちゃん派
「やっぱりフェリクスが一番可愛かったです!」
「ウィーヌス様、折り紙貰えて良かったですね」
「ホホッ、親バカ丸出し、ですなぁ。しかし、折り紙は私の方がたくさん貰えましたがな」
皇子、皇女派
「やはり朕とレーテの子供だけあって、どの子の露店も素晴らしかったのだ!」
「そうね。子供たちがまさか、露店の店主になるだなんて、イザベル様も面白い事考えるわよね!」
「次回は朕も、露店の店主になるのだ!」
「次回のアンタの参加は、見送るわよ。仕事しなさいよね」
「レーテ!?」
フローレンス派
「ああ……、どうしてフローレンスは、オークの的あてゲームを選んだんだろうか……ボクの育て方が悪い?」
「がおぉ!」
「フローレンス!? 何してるんだい!?」
「がおぉ! おーく、ちてりゅ」
「やっぱり、ボクの育て方が原因!?」
ブルネッラ派
「ディバイン公爵夫人さえ、露店を出していなければ……っ」
「ママ、ぶるねっら、たのちかった……」
「うふふ、良かったわね。あなた、主家の奥様に悔しそうな顔を向けないでください!」
「くそぅ! ブルネッラの露店が一番なのに!」
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