追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~

さとう

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第八章

始まる学園祭

 アジトにて。
 放課後、俺たちチーム《エンシェント》は集まり、お菓子とお茶を楽しんでいた。
 まぁ、遊んでいるわけじゃない。報告会のようなもんだ。
 まず、レイとアピア。

「あー……つまんないわ。商家出身の連中が張り切ってて、アタシらみたいな戦闘が得意な冒険者はアイテムだけ持っていくだけになってるし」
「ですねぇ。教室のレイアウトも、商家の方が中心に行っていますし」
「それに、持ってくるアイテムをリスト化して提出とか、マジで面倒。アタシらは知識ないから、任せっきりなのは仕方ないけどさー」
「レイのアイテム、ルイさんが用意した物ですよね。皆さん、っすっごく驚いていました」
「そーねー……ねぇリュウキ、変身して、アンタの腕の鱗何枚かちょうだいよ」

 と、話を聞きながら紅茶を啜っていた俺に言うレイ。
 当然だが拒否。

「断る。俺の身体の一部が売られるとか、気持ち悪い」
「ま、そうよね。冗談よ」

 レイはあっさり引き、クッキーに手を伸ばして言う。

「ねえ。リュウキ、学園長と戦うんでしょ? 準備、できてるの?」
「準備もなにも、ただ戦うだけだしな。俺は素手で、武器は闘気で作るから準備はいらない」
「そうよねー……それにしても、学園長かぁ。最強の冒険者って言われたこともあるみたいだし……リュウキ、変身するんでしょ?」
「ああ。生身じゃ無理だ。もう、俺が変身することも学園にバレていいし、思いっきりやるよ」
「『獣化』スキルだって言われてるみたいね。ふふ、なんかワクワクするわ」

 俺もクッキーに手を伸ばす。
 すると、アキューレが俺の袖を引く。

「わたし、リュウキと遊びたいな」
「いいぞ。当日は休憩所だし、一緒に学園を見て回ろうか」
「うん」
「ちょ、アタシも行くわよ」
「私もご一緒しますね」
「むぅ、わたしとリュウキだけでいいのにー」

 女子は仲が良くていいな。
 さて、レノとサリオがやけに静かだな。

「上級生、『クラス屋台』とかいうのやるみたいだぜ。三人一組で屋台作って、売り上げ競うみたいだ。ククク、食いまくってやるぜ」
「こういうのを見ると、休憩所も悪くないねぇ」

 二人は学園祭のカタログを見ていた。
 どうやら、どんな催し物があるのかチェックしていたらしい。

「そういえば、学園祭の当日は一般開放されるんだよな」
「ええ、近く、アタシら生徒にチケットが配られるみたい。そのチケットを持つ人だけが入れるみたい。兄さんも当日行くからチケットをよろしく、って言ってたわ」
「チケットねぇ」

 すると、アジトのドアがノックされた。
 セバスチャンさんが対応し、入ってきたのはなんと……ムーン公爵だった。

「やあ、みんな。学園祭の話で盛り上がっているようだね」

 立ち上がって挨拶をしようとしたが、公爵様は手で制した。
 ソファに座り、セバスチャンさんが淹れた紅茶を飲む。

「リュウキくん。最強の冒険者にして学園長ヴァルカンと戦うようだね」
「は、はい」
「ふふ。楽しみにしている……というわけでリュウキくん。チケットが手に入ったら、私にくれないか?」
「公爵様に?」
「ああ。頼むよ」
「わかりました」

 どうせあげる人もいないし、別にいいか。

 ◇◇◇◇◇

 数日後。

「……なに、これ?」
「チケットさ」

 ムーン公爵ことファフニールは、アンフィスバエナにチケットを三枚渡した。
 アンフィスバエナはチケットを見る。

「……スキルで作られたチケットだね」
「その通り。アンフィスバエナ、そのチケットを、ハクリュウ姉さんと、バハムート兄さんに渡してくれないか?」
「もう一枚は、私用ね」
「ああ。騒ぎを起こしたくないのでね。どうせ、兄さんはリュウキくんを見に来るだろうし」
「わかった」

 ファフニールは、リュウキからもらったチケットを、ハクリュウとバハムートへ。
 執務室の棚からワインボトルを取り、グラスに注いで一気に飲む。

「ふぅ……さぁて、リュウキくんとバハムートの接触は近いな。ふふふ、なんだかとてもワクワクするよ」
「ファフニール、誰よりも楽しんでるわね」
「そうかな? ふふふ……」

 ファフニールは、もう一度グラスにワインを注ぎ、一気に飲み干した。
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