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第一章
第1話 恋愛小説がBL小説になっている
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この小説の世界――『子爵令嬢なのに変態王子に溺愛されている件について』をまとめるとこんな感じだ。
①王家で開催されたパーティーで見初められる
②変態ならではの求愛行動
③なぜか結ばれる
④めでたしめでたし
悪役令嬢が登場するわけではないが、一応ライバルキャラがいるといった程度だ。まあ平和な恋愛小説である。
コンセプト的には女性向けなのだが、キャラの性質のせいで男性向けなのか女性向けになっているのかが不明となっているこの作品だが、前世も今世も男なのになんで俺恋愛小説を愛読していたんだ……。
しかもこの王子――グラディウス・クシフォスは可愛げがありながらもなんか色気漂ってるイケメンで金髪碧眼。頭脳明晰で剣の腕もプロ級。ヒロインの彼氏となる存在なのに、俺、ナイル・ハルツはただのクラスメイト。青い目をしてはいるけど髪は黒で超絶イケメンというわけではない。主人公、ヒロインと比べてしまったら明らかに見劣りしてしまうだろう。共通点と言えば子爵という事しか共通点が無い。
まあ、『んぼおおおおお♡(byメインヒーロ―)』という文章が帯に書いてあった謳い文句であるなんて冗談みたいな原作もいろいろおかしくはあるけどさ。
これだけは断言できる。
――絶対にBL要素はなかったはずだ。
そこまで思い起こすと、意を決して目を開けた。
「ナイルくんが起きたァァァ! 目覚めのキスッ!」
戻ってる、訳ないよな。
この現実を直視すると共に、やっと今の状況を把握する。
と、王子の顔がすぐそこまで迫っていた! なんだコイツ!?
だが今世の俺が変態王子の対応に慣れていたからか、ためらいもなく王子の顔をはたくことができた。グッジョブ今世の俺。伊達に14年生きてないな。
……やってしまった後で思ったが、処刑されないのかな? これ。
「そんなことしないでくださいよ……」
「しょ、『しょんなとこいやぁ……♡』!?」
「失礼ですが王子の耳はどうなっているのですか」
俺は純度100%の心配から言ったのだが、王子には通じなかったらしく……。
「甘噛みしてみたら分かると思うよ」
「結構です」
そんなあさっての方向の返答をされた。なお甘噛みはしない。
「王子の命令に背くと痛い目見るぞ☆」
「あなたほど権力を握らせたらダメな人間って珍しいですよね」
できればもっとまともな人に権力を握って欲しかった。いきなりキスしないレベルの人材をおくれ。
「そ、そう!? 僕レア!?」
「はい」
「僕は火を通さなくても食べれるよっ!」
「食べませんよ。牛肉でもありませんし」
「肉〇器ではあるけどね。ナイルくん専用の」
「……」
物語を読んでたときは王子が推しキャラだったりもしたけど実際に絡んでくるとだいぶ疲れるな。
「あっ、もしかして逆の方が良かった? ナイルくんが僕の肉便」
眼光を当てると、とりあえずは黙ってくれた。危機察知能力は高いようだ。
「なるほど、いきなりおっぱじめるのはダメだったか……」
当たり前だよ。何そんな事をまじまじと言ってるんだよ。
「ならばこの技を使うしかないか」
「どうしました?」
おもむろに着ていた服にに手を掛けて、それを一気に剥ぎ取った! 紛れもない変態だ!!
更に(いきなり服を脱ぐ時点でもうおかしいのだが)その服の下にはおかしいモノが見える!
「亀甲縛りにしてめしあがれ!」
「いきなり特殊プレイですか!?」
何と服の下から出て来たのは亀甲縛りだった。自重って言葉知らねえのか!
更に顔を赤くしながらハァハァといった変態臭溢れる息を吐いている。マズイ! 前世から護り抜いてきた童貞が滅ぼされる! 通算27年なのに!
小童に滅ぼされてたまるかぁ……
「特殊じゃなかったらいいんだね……? そうなんだね……?」
迷走しているのだろうか。イっちゃっている眼と共に言葉を零す。
思ったよりこの状況はマズかったようだ。犯罪一歩手前だったらしい。アッ――! 犯されるゥ――!
「あ、いや、そういうことではなく!」
俺は超焦りながらも必死に弁解をする。
自分の身は自分で守るという前世受けた教育がこんな形で生かされるとは前世の俺もびっくりだ。なんなら今の俺も超びっくりしてる。
「かーわーいーいー」
ギャー! イっちゃった目プラス恍惚の表情でこっちに向かってくるよー!
王子の手がベルトに伸びた。
もう俺は童貞を守ることはあきらめた方がいいのか……? いっそここは覚悟を決めて『良いよ来いよ』とか言った方がいいのだろうか。
さらば、俺の純潔。長年連れ添ったお前もオサラバするときだな――
と、覚悟を決めかけたときだった。
「ナイル様、お客様です」
救世主が現れた。
ぶっちゃけ王子よりこの人についていきたい気分だった。
「ちいっ!」
こいつ今舌打ちしたぞ……。
仮にも王子でしょアンタ。
「しょうがないなぁ……。あとでアレしようね?」
「アレってなんですか」
「ふふふふふ!」
怖ぇよコイツ。
俺はいつ童貞が散らされるかビクビクしながら執事さんの案内によって客室へと連れていかれるのだった。
①王家で開催されたパーティーで見初められる
②変態ならではの求愛行動
③なぜか結ばれる
④めでたしめでたし
悪役令嬢が登場するわけではないが、一応ライバルキャラがいるといった程度だ。まあ平和な恋愛小説である。
コンセプト的には女性向けなのだが、キャラの性質のせいで男性向けなのか女性向けになっているのかが不明となっているこの作品だが、前世も今世も男なのになんで俺恋愛小説を愛読していたんだ……。
しかもこの王子――グラディウス・クシフォスは可愛げがありながらもなんか色気漂ってるイケメンで金髪碧眼。頭脳明晰で剣の腕もプロ級。ヒロインの彼氏となる存在なのに、俺、ナイル・ハルツはただのクラスメイト。青い目をしてはいるけど髪は黒で超絶イケメンというわけではない。主人公、ヒロインと比べてしまったら明らかに見劣りしてしまうだろう。共通点と言えば子爵という事しか共通点が無い。
まあ、『んぼおおおおお♡(byメインヒーロ―)』という文章が帯に書いてあった謳い文句であるなんて冗談みたいな原作もいろいろおかしくはあるけどさ。
これだけは断言できる。
――絶対にBL要素はなかったはずだ。
そこまで思い起こすと、意を決して目を開けた。
「ナイルくんが起きたァァァ! 目覚めのキスッ!」
戻ってる、訳ないよな。
この現実を直視すると共に、やっと今の状況を把握する。
と、王子の顔がすぐそこまで迫っていた! なんだコイツ!?
だが今世の俺が変態王子の対応に慣れていたからか、ためらいもなく王子の顔をはたくことができた。グッジョブ今世の俺。伊達に14年生きてないな。
……やってしまった後で思ったが、処刑されないのかな? これ。
「そんなことしないでくださいよ……」
「しょ、『しょんなとこいやぁ……♡』!?」
「失礼ですが王子の耳はどうなっているのですか」
俺は純度100%の心配から言ったのだが、王子には通じなかったらしく……。
「甘噛みしてみたら分かると思うよ」
「結構です」
そんなあさっての方向の返答をされた。なお甘噛みはしない。
「王子の命令に背くと痛い目見るぞ☆」
「あなたほど権力を握らせたらダメな人間って珍しいですよね」
できればもっとまともな人に権力を握って欲しかった。いきなりキスしないレベルの人材をおくれ。
「そ、そう!? 僕レア!?」
「はい」
「僕は火を通さなくても食べれるよっ!」
「食べませんよ。牛肉でもありませんし」
「肉〇器ではあるけどね。ナイルくん専用の」
「……」
物語を読んでたときは王子が推しキャラだったりもしたけど実際に絡んでくるとだいぶ疲れるな。
「あっ、もしかして逆の方が良かった? ナイルくんが僕の肉便」
眼光を当てると、とりあえずは黙ってくれた。危機察知能力は高いようだ。
「なるほど、いきなりおっぱじめるのはダメだったか……」
当たり前だよ。何そんな事をまじまじと言ってるんだよ。
「ならばこの技を使うしかないか」
「どうしました?」
おもむろに着ていた服にに手を掛けて、それを一気に剥ぎ取った! 紛れもない変態だ!!
更に(いきなり服を脱ぐ時点でもうおかしいのだが)その服の下にはおかしいモノが見える!
「亀甲縛りにしてめしあがれ!」
「いきなり特殊プレイですか!?」
何と服の下から出て来たのは亀甲縛りだった。自重って言葉知らねえのか!
更に顔を赤くしながらハァハァといった変態臭溢れる息を吐いている。マズイ! 前世から護り抜いてきた童貞が滅ぼされる! 通算27年なのに!
小童に滅ぼされてたまるかぁ……
「特殊じゃなかったらいいんだね……? そうなんだね……?」
迷走しているのだろうか。イっちゃっている眼と共に言葉を零す。
思ったよりこの状況はマズかったようだ。犯罪一歩手前だったらしい。アッ――! 犯されるゥ――!
「あ、いや、そういうことではなく!」
俺は超焦りながらも必死に弁解をする。
自分の身は自分で守るという前世受けた教育がこんな形で生かされるとは前世の俺もびっくりだ。なんなら今の俺も超びっくりしてる。
「かーわーいーいー」
ギャー! イっちゃった目プラス恍惚の表情でこっちに向かってくるよー!
王子の手がベルトに伸びた。
もう俺は童貞を守ることはあきらめた方がいいのか……? いっそここは覚悟を決めて『良いよ来いよ』とか言った方がいいのだろうか。
さらば、俺の純潔。長年連れ添ったお前もオサラバするときだな――
と、覚悟を決めかけたときだった。
「ナイル様、お客様です」
救世主が現れた。
ぶっちゃけ王子よりこの人についていきたい気分だった。
「ちいっ!」
こいつ今舌打ちしたぞ……。
仮にも王子でしょアンタ。
「しょうがないなぁ……。あとでアレしようね?」
「アレってなんですか」
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怖ぇよコイツ。
俺はいつ童貞が散らされるかビクビクしながら執事さんの案内によって客室へと連れていかれるのだった。
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