恋愛小説の世界に転生したら王子が俺を溺愛してた件について

夏葉ひなた

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第一章

第4話 学園

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「はぁ……」

   昨日は散々な目にあった。
   アナル処女を喪失しかけたり、王子がローションにバブみを感じでオギャりに行ったり、弟のアナルにバイブを突っ込んだり……。ホモばっかりだわ。

「おっはよー!」
「あ、おはようございます。王子」
「王子じゃなくて愛称の『グラス』でいいって言ってるバブ☆」
「『バブ』?」
「あっやべ」

   まだ幼児退行プレイの影響は抜けないようだ。

「教室はいいね!   あの忌々しい弟が来ないし。ふふっ!   楽しいー!   うっほおおおおおおおおおお♡‬」
「ゴリラの真似しないでいただきたいのですが。グラス様」
「わざわざ様付けするとはーーまさかマゾヒスト!?」

   俺はグラスに付き合うのがちょっと面倒くさくなって適当に流していると。

「あ、あのっ、グラス様っ!   ちょっと渡したいものがございますので校舎裏にっ……!」

   赤い顔してもじもじしている美少女がひとり。あれはクラスでも1番の美少女と名高いマリンさんだな。いいなぁグラス俺に寄越せよ。

「校舎裏じゃないとダメかな?」

   オイィィィ!
   そこらへんは空気読んだげて?   マリンさんもそのご友人たちもビックリしてるから。俺でもびっくりするからそれ。

「えっと……うん……大丈夫だよっ!」

   マリンさんいい子すぎだろ。
   あんな子なら無理にアナル処女奪ってきたりしないんだろうなぁ……。

「そっか。で、渡すものって?」
「こっ、これですっ!」

   マリンさんは律儀にハートの形を象ったシールを貼り付けた手紙を差し出した。

「これはこの場で読むの?」
「はいっ!」

   生まれたての子鹿みたいに足をプルプルさせながら返事を待つマリンさん。かわいい。
   そして手紙を読み終えたグラスがゆっくりを顔を上げて、少しだけ腰を下ろして色っぽい声で囁くように。

「ごめんね、マリンの好意は嬉しいんだけど僕他に好きな人がいるんだ」

   キッパリと断った。
   エロイケボからは想像もつかないような切れ味だ。
   グラスの男気は尊敬するところがある。いや、俺のアナルの処女を奪おうとしたことは生まれ変わっても忘れないが。

「でも、友達としてよろしくね?」
「はい」

   凛とした声で答えるマリンさん。
   スタスタと自分の席に戻る途中、グラスが俺にウインクしたのはーー本当に、意味なんだよな?

   妙な気分になる心に無視を決め込んで俺は次の時間の予習に取り掛かった。
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