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第一章
第18話 指輪買いに行きます。(道中編)
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「にゅ、にゅぷにゅぷぅ……♡」
「あはは、染まったね」
いかん、ナイルとのぬぷぬぷ(意味深だが健全です)に溺れかけた。もっと自分をしっかり持たねば。
「じゃあ、そろそろ指輪買いに行こうか」
「はい」
俺達はグラスの執事さんからツナマヨおにぎりを貰ってから歩き出す。何で王族ツナマヨおにぎり食ってんだよ。いいのかそれで。
「これから行くところは結構ここから近いからすぐ着くと思うよ」
「そうですか。……あの」
「どうしたの?」
俺は先ほどのぬぷぬぷ体験を思い出しながら言葉を発した。
「あ、あの、さっきの……またやってくれますか?」
「え、いいの? ホントに?」
目を丸くしながらふぇふぇ言い出したグラスを見ていると、何だか羞恥心が湧き出てくる。
「あ、やっぱり恥ずかしかったんだ? へぇー」
困惑顔はどこへやら、ニヤニヤしながらグラスが俺の方に寄ってくる。心なしか温かい吐息が俺の頬に吹きかかる。更に頬が熱く鳴った感覚がした。
「結構敏感なんだ?」
グラスの蒼い眼がギラリと光る。少し委縮してしまう程の眼光だが、それを含めて美しいと感じてしまった。
「え、あ、違っ」
先ほどの問いにしどろもどろに返答するも、俺の本心を読み取ってか、更に近づいてくる。もう近いなんてもんじゃない。
何でこんな時だけ精度高いんだよっ……
「かわいいね」
普段より少し低い、色気満載の声を発する。
それだけでもへたり込む寸前なのに――
グラスは俺の耳を甘噛みした。
刹那に伝わる温かい感触と、俺の全身が歓喜する感覚。
ほんの少しだけだったが、永遠にも思えてしまうような時間だった。
「は、あう……あぅ……」
悦楽のせいか、驚きのせいか。俺はその場にぺたん、と座り込んでしまった。
勝手に零れだした言葉未満の言葉と俺のリアクションに満足したのか、グラスは嗜虐心を露わにした笑顔でこちらを見てくる。
「ほら、掴んで」
すっと右手を差し出して来る。
俺は半ば反射的にその手を掴んだ。
「素直だね」
た、確かに手を掴まなくても立ち上がる事は出来ただろうし、どうしてこんなにグラスに翻弄されて――
「さっきはへたり込んで可愛かったなぁ。かわいいかわいい」
「バカにしないでくださいよ……」
「えー?」
何か変な気持ちになるな。何だよもう……
「今も手、繋いだまんまだし」
「なっ」
き、気付かなかった。
「それに、いつもよりちょっと弱っちい気がするんだけど?」
「うぅ」
確かに少し力が抜けているが、それを指摘されるとやはり羞恥心を覚える。本当なら俺が右腕差し出したいのになぁ。
「そんなナイルくんは地面を歩くより――」
一度言葉を区切って、何でもない事のように俺を軽々と己の腕へ収めると。
「僕の腕の中がお似合いかな?」
嬉しいやら恥ずかしいやらが混ざる。不思議と嫌悪感は感じなかった。
だが、だんだんと羞恥が勝る。
「あのっ、これって」
「俗に言うお姫様抱っこだね」
なぜ俺はお姫様抱っこされているのだろう。する側に回りたかったのだが。
「あ、あの、そんなにじっと僕の顔見るのやめない?」
「やめませんよ?」
グラスの体温が感じられ、面白いくらいに頬が赤く染まる様子を見ていると、それもどうでもよくなってくる。
そうして、しばらくグラスの腕に身体を委ねていたのだが――
「さ、着いたよ」
やっと慣れたと思ったら、早々に降ろされてしまった。
少し寂しいと感じてしまったが、そんな事を言うとまたグラスに意地悪されてしまうので黙っておく。
気が付くとグラスはドアノブに手を掛けていた。
先にスタスタと入ってしまうのかな、と思っていたら、くるっとこちらを向いて、俺に微笑みかけ言った。
「入って、僕のお姫様」
ツッコミどころ満載だが、せっかくドアを開けてもらったので『ありがとうございます』と言い、そのまま入店した。
グラスも静かにドアを閉めると、すぐさま俺の方へ寄ってきた。
「『お姫様』って言ったのに何にも言ってこないという事は受け入れたっていう事でいいかな?」
目をキラキラとさせながら俺に問いかけてくるグラス。エロかったり小学生みたいだったり、コロコロ変わる雰囲気に魅了されながらも言葉を発した。
「ツッコミどころが多すぎて何も言わなかっただけですよ」
「えー、嘘でしょ?」
余裕ぶって言った言葉だったがその余裕もどこへやら、思わず心が跳ねてしまう。
精度ゴミのはずの読心術が俺の本心を読み取っていたからだ。
「仲がよろしいですね。グラスくん、ナイルくん」
一瞬、己の目を疑った。
なぜかって、そりゃあ――俺達が入店した少し後に出て来たのは何とクラスメイトだったからだ。
…………嘘だろ?
「あはは、染まったね」
いかん、ナイルとのぬぷぬぷ(意味深だが健全です)に溺れかけた。もっと自分をしっかり持たねば。
「じゃあ、そろそろ指輪買いに行こうか」
「はい」
俺達はグラスの執事さんからツナマヨおにぎりを貰ってから歩き出す。何で王族ツナマヨおにぎり食ってんだよ。いいのかそれで。
「これから行くところは結構ここから近いからすぐ着くと思うよ」
「そうですか。……あの」
「どうしたの?」
俺は先ほどのぬぷぬぷ体験を思い出しながら言葉を発した。
「あ、あの、さっきの……またやってくれますか?」
「え、いいの? ホントに?」
目を丸くしながらふぇふぇ言い出したグラスを見ていると、何だか羞恥心が湧き出てくる。
「あ、やっぱり恥ずかしかったんだ? へぇー」
困惑顔はどこへやら、ニヤニヤしながらグラスが俺の方に寄ってくる。心なしか温かい吐息が俺の頬に吹きかかる。更に頬が熱く鳴った感覚がした。
「結構敏感なんだ?」
グラスの蒼い眼がギラリと光る。少し委縮してしまう程の眼光だが、それを含めて美しいと感じてしまった。
「え、あ、違っ」
先ほどの問いにしどろもどろに返答するも、俺の本心を読み取ってか、更に近づいてくる。もう近いなんてもんじゃない。
何でこんな時だけ精度高いんだよっ……
「かわいいね」
普段より少し低い、色気満載の声を発する。
それだけでもへたり込む寸前なのに――
グラスは俺の耳を甘噛みした。
刹那に伝わる温かい感触と、俺の全身が歓喜する感覚。
ほんの少しだけだったが、永遠にも思えてしまうような時間だった。
「は、あう……あぅ……」
悦楽のせいか、驚きのせいか。俺はその場にぺたん、と座り込んでしまった。
勝手に零れだした言葉未満の言葉と俺のリアクションに満足したのか、グラスは嗜虐心を露わにした笑顔でこちらを見てくる。
「ほら、掴んで」
すっと右手を差し出して来る。
俺は半ば反射的にその手を掴んだ。
「素直だね」
た、確かに手を掴まなくても立ち上がる事は出来ただろうし、どうしてこんなにグラスに翻弄されて――
「さっきはへたり込んで可愛かったなぁ。かわいいかわいい」
「バカにしないでくださいよ……」
「えー?」
何か変な気持ちになるな。何だよもう……
「今も手、繋いだまんまだし」
「なっ」
き、気付かなかった。
「それに、いつもよりちょっと弱っちい気がするんだけど?」
「うぅ」
確かに少し力が抜けているが、それを指摘されるとやはり羞恥心を覚える。本当なら俺が右腕差し出したいのになぁ。
「そんなナイルくんは地面を歩くより――」
一度言葉を区切って、何でもない事のように俺を軽々と己の腕へ収めると。
「僕の腕の中がお似合いかな?」
嬉しいやら恥ずかしいやらが混ざる。不思議と嫌悪感は感じなかった。
だが、だんだんと羞恥が勝る。
「あのっ、これって」
「俗に言うお姫様抱っこだね」
なぜ俺はお姫様抱っこされているのだろう。する側に回りたかったのだが。
「あ、あの、そんなにじっと僕の顔見るのやめない?」
「やめませんよ?」
グラスの体温が感じられ、面白いくらいに頬が赤く染まる様子を見ていると、それもどうでもよくなってくる。
そうして、しばらくグラスの腕に身体を委ねていたのだが――
「さ、着いたよ」
やっと慣れたと思ったら、早々に降ろされてしまった。
少し寂しいと感じてしまったが、そんな事を言うとまたグラスに意地悪されてしまうので黙っておく。
気が付くとグラスはドアノブに手を掛けていた。
先にスタスタと入ってしまうのかな、と思っていたら、くるっとこちらを向いて、俺に微笑みかけ言った。
「入って、僕のお姫様」
ツッコミどころ満載だが、せっかくドアを開けてもらったので『ありがとうございます』と言い、そのまま入店した。
グラスも静かにドアを閉めると、すぐさま俺の方へ寄ってきた。
「『お姫様』って言ったのに何にも言ってこないという事は受け入れたっていう事でいいかな?」
目をキラキラとさせながら俺に問いかけてくるグラス。エロかったり小学生みたいだったり、コロコロ変わる雰囲気に魅了されながらも言葉を発した。
「ツッコミどころが多すぎて何も言わなかっただけですよ」
「えー、嘘でしょ?」
余裕ぶって言った言葉だったがその余裕もどこへやら、思わず心が跳ねてしまう。
精度ゴミのはずの読心術が俺の本心を読み取っていたからだ。
「仲がよろしいですね。グラスくん、ナイルくん」
一瞬、己の目を疑った。
なぜかって、そりゃあ――俺達が入店した少し後に出て来たのは何とクラスメイトだったからだ。
…………嘘だろ?
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