かわいいものが好きなボクは、ボクを否定する王子を「ざまぁ」して胸を張って生きていきます。

さくしゃ

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やばいです②

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「『オルナ・デパイス』さん。身長159センチメートル、体重45キログラムの16歳。座右の銘なし。桃色の綺麗な髪と、年齢よりも若く見られる童顔が特徴の可憐な女性」

 ブレザーの内ポケットから取り出したメモ用紙を広げて、ユリウスは真剣な顔で読み上げていく。

「王国以南の大穀物地帯を治めるブレントン公爵領において1番の名物である『はちみつ』を育て王国中に輸送している『デパイス伯爵家』に次女として生を受ける」

 一枚目をめくりポケットに入れると二枚目を読み進める。

「幼少期より目立った功績はないが、その明るい性格と礼儀正しい人柄が相まって多くの人が彼女の周りに集まったという」

 そこまで読み上げると、「うん。彼女なら納得だ」とユリウスは一人頷く。

(……な、何を聞かされているんだ。俺は……)

 真剣な顔で何かを話し始めたと思ったら、知らない相手の情報を一方的に伝えられる。

 困惑からツッコマずにいると、

「5才の時、屋敷近くにある川で遊んでいたら大きな岩と岩の間に落ちて挟まってしまった。領民総出で必死に救出する中、自力で脱出した」

 どんどんその……『オルナ・デパイス』という人物の情報を早口で並べていく。

 俺は耐えられずーー

「す、ストップ!!」

 とユリウスを止めた。

「お、お前……学校に来なかったこの二日間……」

 今更だが、ユリウスが落ち込まないように言葉を選びつつ、

「もしかしてずっと……?」

「え、うん。ずっと『見てた』」

「誰を?」

「?……オルナさんを」

 俺の質問に淡々と答えるユリウスは、なんでそんなことを聞くの?と首を傾げる。

「今の情報って探偵を雇って調べたのか?」

「ううん。自分で調べた」

 とユリウスは無邪気に笑う。そして再び『オルナ・デパイス』について話し始めた。

 「12才の時にはこうで」と生い立ちについて詳しく。

 それが終わると、今度は「1日のスケジュール」について。

 「何時に起きて」「何時に食事をして」「何時に登校して」と言ったようなことを細かく詳細に語る。

 最後に、

「23時になると窓から星を眺めて眠るんだ」

 と話し、ユリウスの談は終わった。

 清々しそうに余韻に浸るユリウスの傍らで俺は、

(お、俺のいとこがやばいです)

 心の中で頭を抱えた。
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