無感情な聖女はデリカシーなし男に変えられる。デリカシーなし男も変わる。

さくしゃ

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野営①

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「テント張りは僕に任せて!」

 王国を出て1週間。ここまでスライムやゴブリンとしか戦ってこなくて初めて強敵と呼べる相手ーーホブゴブリンとの戦闘は思った以上に疲れた。

「はぁはぁ……おう。頼むわ」

「やった!今日も頑張って張るぞぉぉ!」

 うきうきでテント張りを始めるハンス。

「……」

 そんな動き出したハンスを見て何も言わずどこかへ行ってしまうサン。

「はぁはぁ……」

 そしておれは、

「はぁはぁはぁはぁ……う、うるせぇ」

 地面を見つめていた。

(あ、あいつらの体力どうなってんの?!)

 やけにうるさく鳴く鼓動を聞きながら、

(戦闘後に30キロは歩いたよ!それなのに息一つ切らしてねぇ……)

 視線の先には機敏な動きでテント張りを瞬く間に終わらせていくハンスのはしゃぐ姿が。

「よし!昨日は左側面が垂れてしまったから少しきつめに引っ張って」

 その姿はまるで新しいオモチャを手に入れた子供のようだった。

(ば、バケモノ……)

 元気なハンスを見ていたら余計に疲れたのでその場で横になった。

「……」

 すっかり雨雲は消えていて、夕焼け色に染まる空を鳥たちが飛んでいた。

「綺麗だな」

 感動してしまった。日本にいた頃は空を眺めてもビルばかりで。遮る物が何も無い空ってこんなにも綺麗なのかと。

「……あー、でもやっぱ異世界だわ~」

 しばらく小鳥たちを目で追っていたらでっかいドラゴンが口を開けて、甘エビを飲み込むクジラのように小鳥たちを飲み込んでいった。

「あー……」

 その後も、

(薪拾いにいかなきゃなぁ)

 と思いつつ空を眺めていた。

「完璧にテント張りが終わったし」

 ボーッと眺めてた。何を考えずに。

「夕食の魚でも釣りに行かないと」

 テント張りを終えたハンスは釣竿を持って森の中へと消えていった。

「……俺も薪拾いに行くか」
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