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第一王子 ネロ
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僕はアルメリア王国第一王子"ネロ・アルメリア"
正式名称は、もっと長くて挨拶文のようになるので割愛させていただきます。
そんな僕は、生まれた時から次期国王です。
逃れることはできません。
どんなに出来が悪くて陰口を言われようと、僕より優秀な貴族がたくさん居ようと関係ありません。
しかし、自分で言うのもなんですが、僕は国王の器ではありません。
勉強は平均して30点、貴族達を相手に腹芸をしなくてはいけませんが嘘をつくのは嫌です。
護身術も覚えなくてはいけないのですが、昔から体を動かすよりも絵本を読んだりするのが好きな僕は、ひ弱で体力がなくてすぐにバテてしまい、専属の兵士から呆れられています。
何をやっても人並み以下、人を動かすくらいなら自分で動く方が気を遣わなくていい小心者です。
どんなに頑張ってたまに良い成績を出しても比べられる相手は歴代の優秀な王達……
正直、胃がキリキリして薬を毎食飲まなければやっていられません。
そして、そんな僕は国王である父とも良い関係を築けていません。
元々、公務で忙しい父とは食事以外で顔を合わせることはありません。
極たまに、いい点を取った時に話しても「そうか……」の一言で終わってしまいます。
それでもめげずに何度も話しかけましたが、「話はそれだけか? なら、もう行く」と終わってしまいます。
「僕は何の為に生まれて来たんだろう……」
"次期国王だからもっと自信を持ちなさい!"
"歴代の国王はもっと出来たのに……"
"もっと努力して下さい!"
寝る時間を削って、本当は読みたい本がいっぱいあるのに、それも我慢して努力した。
けど、どんなに頑張っても、やっぱり結果が全てで、結果の伴わない努力は努力と言われなかった。
ただ一言、「頑張ったね」と認めて欲しかった。
なので、僕は王侯貴族や教会のお偉い方々が集まる立食パーティーが大嫌いです。
ヒソヒソと聞こえるか聞こえないかと言った声音で僕の噂話をする人たちが沢山いるから。
唯一の救いは、バルコニーがある事でした。
誰も来ない、一人だけの空間。
しかし、そこに僕以外の人物が来るようになりました。
後で、使用人に聞いたら、新しく就任されたばかりの聖女様との事でした。
初めは、僕だけの空間が……と逃げ場所がなくなってしまったと絶望しましたが、毎回毎回バルコニーで一緒になる度に、
「何で私が聖女なの……村に帰りたい」
「はああ……何で顔も知らない歴代の聖女と比べられなくちゃいけないの?
私は私なのに……」
彼女の独り言をひっそり気づかれないように闇に紛れて聞いているうちに僕と似た悩みを持つ人だと知り、勝手に親近感を持つようになりました。
そして、何度目になるかわからない邂逅に、いつものようにひっそりと闇に紛れて彼女の独り言に耳を傾けていました。が、あまりの歌声の綺麗さに、つい声が出てしまいました。
正式名称は、もっと長くて挨拶文のようになるので割愛させていただきます。
そんな僕は、生まれた時から次期国王です。
逃れることはできません。
どんなに出来が悪くて陰口を言われようと、僕より優秀な貴族がたくさん居ようと関係ありません。
しかし、自分で言うのもなんですが、僕は国王の器ではありません。
勉強は平均して30点、貴族達を相手に腹芸をしなくてはいけませんが嘘をつくのは嫌です。
護身術も覚えなくてはいけないのですが、昔から体を動かすよりも絵本を読んだりするのが好きな僕は、ひ弱で体力がなくてすぐにバテてしまい、専属の兵士から呆れられています。
何をやっても人並み以下、人を動かすくらいなら自分で動く方が気を遣わなくていい小心者です。
どんなに頑張ってたまに良い成績を出しても比べられる相手は歴代の優秀な王達……
正直、胃がキリキリして薬を毎食飲まなければやっていられません。
そして、そんな僕は国王である父とも良い関係を築けていません。
元々、公務で忙しい父とは食事以外で顔を合わせることはありません。
極たまに、いい点を取った時に話しても「そうか……」の一言で終わってしまいます。
それでもめげずに何度も話しかけましたが、「話はそれだけか? なら、もう行く」と終わってしまいます。
「僕は何の為に生まれて来たんだろう……」
"次期国王だからもっと自信を持ちなさい!"
"歴代の国王はもっと出来たのに……"
"もっと努力して下さい!"
寝る時間を削って、本当は読みたい本がいっぱいあるのに、それも我慢して努力した。
けど、どんなに頑張っても、やっぱり結果が全てで、結果の伴わない努力は努力と言われなかった。
ただ一言、「頑張ったね」と認めて欲しかった。
なので、僕は王侯貴族や教会のお偉い方々が集まる立食パーティーが大嫌いです。
ヒソヒソと聞こえるか聞こえないかと言った声音で僕の噂話をする人たちが沢山いるから。
唯一の救いは、バルコニーがある事でした。
誰も来ない、一人だけの空間。
しかし、そこに僕以外の人物が来るようになりました。
後で、使用人に聞いたら、新しく就任されたばかりの聖女様との事でした。
初めは、僕だけの空間が……と逃げ場所がなくなってしまったと絶望しましたが、毎回毎回バルコニーで一緒になる度に、
「何で私が聖女なの……村に帰りたい」
「はああ……何で顔も知らない歴代の聖女と比べられなくちゃいけないの?
私は私なのに……」
彼女の独り言をひっそり気づかれないように闇に紛れて聞いているうちに僕と似た悩みを持つ人だと知り、勝手に親近感を持つようになりました。
そして、何度目になるかわからない邂逅に、いつものようにひっそりと闇に紛れて彼女の独り言に耳を傾けていました。が、あまりの歌声の綺麗さに、つい声が出てしまいました。
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