10 / 69
成長と仲間③
しおりを挟む
「昨日、グールと相対した時に、グールから「ごめんなさい」と話す声が聞こえたんです」
日向は向かい合うリナではなく、自分の足を見て話す。ここの人達は日本にいた人達と違い真剣に話を聞いてくれるのはわかっているので目を見て話したいのだが、癖になっていてなかなか抜けない。
リナは、そんなことは特に気にせずに真剣に話を聞く。
(グールから声?いろんなグールと戦ってきたが、そんなものは聞いたことがないな。もしかしたら勇者特有のものなのだろうか?)
「それでグールはどんな感じだったんだ?」
日向は昨日のグールを思い出し、太ももに置いた手を強く握る。
「苦しそうでした……父さん。母さん。ごめんなさい……ずっとそればかり……」
胸につっかえて飲み込めなかった物を吐き出すように、日向はあの時感じた事を話す。
「僕は目の前で両親を殺されて失いました」
沈んでいく太陽、休日のそれなりに人通りのある住宅地へ向かう裏通り、僕に覆いかぶさり通魔から何度も刺される両親、どんどん白くなって行く2人、滴り落ちる血……
日向はリナに短くはあるが、過去に目の前で両親を殺されたことを話す。
「そして、昨日見た女性グールの姿が両親と重なりました。両親も刺されるたびに苦しそうな声をあげていました。血だらけでした。肌が白くて、唇は青かった……」
「……」
リナは日向の告白に一切動じずに視線を動かしたりせず、話を聞く。
「僕は、火葬される前の両親と最後の別れの時、顔のなくなってしまった両親に何もいえなかった……悔しくて……あの女性のグールの家族の人達もその時の僕と同じでした……あの気持ちを知っていながら僕は……僕は!」
日向は両手を握って、自分の足を思いっきり叩く。
ビシビシビシィ……地面に亀裂が走る。
「昨日からずっと考えてました。次は、あの女性のようにしないために、家族の元に綺麗な体のまま帰れるようにどうすればいいのか……でも、これと言った解決策が思いつかなくて……」
話終わった日向の表情は、下を向いたままだが、思い詰めた表情がだんだん普段の気弱そうな表情へと戻っていく。
(そんな事考えたこともなかった。ただ生きている者たちを守ることに精一杯になっていた。おそらく他の者たちも……)
「そうですね。今まで歴代の勇者が使った武器しか試してきませんでしたが、弓矢などどうですか?通常の矢だと魔物の核を貫けませんが、魔法で創成した弓矢なら貫けます。遠距離部隊の中で魔力量が少ない者達は、魔力消費が少なくて使用していますよ」
リナの話を聞いて、日向は立ち上がる。
「そっか!魔法なら魔石から作られた過剰威力の武器と違って調節することができる!」
(こんな簡単なことも見落としていたなんて……母さんの言う通りだ。話してよかった!早速、試しに行こう)
日向は、可能性が見えたことに嬉しくなり、訓練場を目指して走り出す。
「……あ!」
日向は慌てて止まり振り返る。
「リナさん!ありがとうございました!」
そんな日向にリナは、「私も話を聞いてもらったからお互い様だよ」と笑って答える。
日向は、王妃を虜にした母親譲りの心から笑っている時にしか見せない笑顔を浮かべる。
「ありがとうございます!失礼します!」
日向は自然公園を後にする。
「あんな顔も見せるのだな……」
リナは遠ざかっていく日向の背中を自然と目で追う。
ー翌日ー
「なんか勇者様危機迫るって感じで魔法の矢を的に打ってるけど、なんかいつもより表情が明るいな……」
「だな。でも、勇者様って不思議だよな。勇者様が笑ってるだけでこっちの気持ちまで明るくなってくるよな」
「そうなんだよな……さあ!俺たちも負けてらんねえぞ!」
「よし!今日も頑張るか!」
兵士たちは、体力作りのメニューを消化していく。
「は!」
構えた弓矢の照準を20m先にある的めがけて放つ。
ヒュゥゥゥ……
風の矢は、自然の風を吸収し、どんどん加速して、的を貫く。
(威力はいいけど、まだ狙った通りに的の真ん中に飛んでいかないな……)
日向は難しい顔で考える。
「槍の時と同じだ。体の真ん中に一本の軸となる棒があると意識することだ」
そんな日向に、後ろからアドバイスが飛んでくる。
その人物はいつもは纏めずにいる赤い髪を珍しく後ろで纏め、小学生のように張りがあり、綺麗な艶々のうなじを露出させて現れる。
「リナさん。おはようございます」
日向はその人物「リナ」へと挨拶する。
「おはようございます。日向殿。邪魔をしてしまったか?」
リナも日向へ挨拶する。
「そんなことはないですよ。ちょうど狙ったところに飛ばずにいたのでどうしたらいいかわからなかったですから。ありがとうございます」
「役に立てたのならよかった。では」
リナはその場を後にする。
(綺麗なうなじしてたな……さて、やるぞ!)
日向は、訓練を続ける。
一方、リナは……
(昨日からなぜか日向殿に少し緊張してしまう……今日もいつもなら気にしない髪を後ろで纏めてみたり……何かの病気か?)
日向から急いで離れるように早歩……ほぼ小走りでそんなことを考えながら、南門へと向かう。
それから1週間後……
「グールが攻めてきた!数は500!南門で紅蓮隊が交戦中!」
隊士の1人が訓練場へとやってきた。
「みんな!行きますよ!」
今日の訓練責任者は副隊長のエミ王女。彼女の指示のもと南門へと向かう。
訓練場から南門まで身体強化によって走って5分で到着。
「戦況は」
エミは門兵に尋ねる。
「……」
しかし門兵は、答えない。その代わりに震える手を動かして指を差す。
「何です?」
エミは指差す先を見る。
「うそ……」
エミの目にする先には、日向1人が魔法の弓矢で500のグールを相手にとんでもない速さで動き回りながら次々に胸の核を撃ち抜いていく姿……その光景は、まるでカマイタチ。
(気配探知……)
日向は、その桁外れの魔力による風を戦闘区域となっている200mに展開し、残りのグールの数を把握。
(残りは……150か。縮地)
一般隊士では目で追うこともできない速度で、上空へと飛ぶ。
(あんなに高く飛んで何をするつもり?)
エミは、日向の行動の意図が読めずに疑問符を浮かべる。
1度に放てる矢は、魔力の多いもので5発が限界。グールの数は見たところ100以上は残っている。一気に倒せる数ではない。にも関わらず、日向は全てのグールが見下ろせる高さまで飛んでいる。
(いくら勇者とはいえ、そんな事……)
しかし、数秒後……
グールに向かって、雨のように矢が降り注ぎ、次々に胸の核を的確に打ち抜いていく。1秒もしないうちに全てのグールが動かなくなった。
(これが勇者の力……でも、この世界を魔王から救うのは私!)
エミは闘志を燃やす。
それから、さらに1週間後……訓練が始まって1ヶ月。
「予定通りフレバンス解放作戦を開始する!」
フレバンスへの遠征が決行された。
メンバーは、「紅蓮」の隊長「リナ・ブラントン」、副隊長補佐「アルス・ブラントン」と以下前線部隊30名、遠距離部隊5名、支援部隊3名……そして、風の勇者「有沢日向」。
王都防衛にギリギリの人数を要しているため、これが遠征に派遣できる限界人数。しかし、数は少ないが、1人1人がオーガを1人で相手にできるレベルのもの達。それに加えて、新しく開発された防具と兵器により戦力は以前とは考えられないほどに向上している。
ちなみに、現在の勇者のステータス
有沢日向(16) 職業:勇者 Lv.35/上限Lv.99
HP 300/300 身長:160cm 体重:50kg
MP 350/350
筋力 30/50
俊敏性 40/50
知力 35/50
〈スキル〉
風魔法 Ⅴ 体術 Ⅲ 槍術 Ⅳ 弓術 Ⅲ 魔力操作 Ⅴ
気配察知 Ⅲ 回避 Ⅳ 危険予測 Ⅴ
縮地 経験値倍 成長促進
〈耐性〉
身体的苦痛耐性 Ⅳ
精神的苦痛耐性 Ⅴ
〈称号〉
優しき者 導く者
〈状態〉
正常(マイナス思考)
(魔王に支配された世界を救う一歩!……大丈夫!1人じゃない!行ける!よし!)
他の隊士達と一緒に門をくぐり、街を出る。
日向は向かい合うリナではなく、自分の足を見て話す。ここの人達は日本にいた人達と違い真剣に話を聞いてくれるのはわかっているので目を見て話したいのだが、癖になっていてなかなか抜けない。
リナは、そんなことは特に気にせずに真剣に話を聞く。
(グールから声?いろんなグールと戦ってきたが、そんなものは聞いたことがないな。もしかしたら勇者特有のものなのだろうか?)
「それでグールはどんな感じだったんだ?」
日向は昨日のグールを思い出し、太ももに置いた手を強く握る。
「苦しそうでした……父さん。母さん。ごめんなさい……ずっとそればかり……」
胸につっかえて飲み込めなかった物を吐き出すように、日向はあの時感じた事を話す。
「僕は目の前で両親を殺されて失いました」
沈んでいく太陽、休日のそれなりに人通りのある住宅地へ向かう裏通り、僕に覆いかぶさり通魔から何度も刺される両親、どんどん白くなって行く2人、滴り落ちる血……
日向はリナに短くはあるが、過去に目の前で両親を殺されたことを話す。
「そして、昨日見た女性グールの姿が両親と重なりました。両親も刺されるたびに苦しそうな声をあげていました。血だらけでした。肌が白くて、唇は青かった……」
「……」
リナは日向の告白に一切動じずに視線を動かしたりせず、話を聞く。
「僕は、火葬される前の両親と最後の別れの時、顔のなくなってしまった両親に何もいえなかった……悔しくて……あの女性のグールの家族の人達もその時の僕と同じでした……あの気持ちを知っていながら僕は……僕は!」
日向は両手を握って、自分の足を思いっきり叩く。
ビシビシビシィ……地面に亀裂が走る。
「昨日からずっと考えてました。次は、あの女性のようにしないために、家族の元に綺麗な体のまま帰れるようにどうすればいいのか……でも、これと言った解決策が思いつかなくて……」
話終わった日向の表情は、下を向いたままだが、思い詰めた表情がだんだん普段の気弱そうな表情へと戻っていく。
(そんな事考えたこともなかった。ただ生きている者たちを守ることに精一杯になっていた。おそらく他の者たちも……)
「そうですね。今まで歴代の勇者が使った武器しか試してきませんでしたが、弓矢などどうですか?通常の矢だと魔物の核を貫けませんが、魔法で創成した弓矢なら貫けます。遠距離部隊の中で魔力量が少ない者達は、魔力消費が少なくて使用していますよ」
リナの話を聞いて、日向は立ち上がる。
「そっか!魔法なら魔石から作られた過剰威力の武器と違って調節することができる!」
(こんな簡単なことも見落としていたなんて……母さんの言う通りだ。話してよかった!早速、試しに行こう)
日向は、可能性が見えたことに嬉しくなり、訓練場を目指して走り出す。
「……あ!」
日向は慌てて止まり振り返る。
「リナさん!ありがとうございました!」
そんな日向にリナは、「私も話を聞いてもらったからお互い様だよ」と笑って答える。
日向は、王妃を虜にした母親譲りの心から笑っている時にしか見せない笑顔を浮かべる。
「ありがとうございます!失礼します!」
日向は自然公園を後にする。
「あんな顔も見せるのだな……」
リナは遠ざかっていく日向の背中を自然と目で追う。
ー翌日ー
「なんか勇者様危機迫るって感じで魔法の矢を的に打ってるけど、なんかいつもより表情が明るいな……」
「だな。でも、勇者様って不思議だよな。勇者様が笑ってるだけでこっちの気持ちまで明るくなってくるよな」
「そうなんだよな……さあ!俺たちも負けてらんねえぞ!」
「よし!今日も頑張るか!」
兵士たちは、体力作りのメニューを消化していく。
「は!」
構えた弓矢の照準を20m先にある的めがけて放つ。
ヒュゥゥゥ……
風の矢は、自然の風を吸収し、どんどん加速して、的を貫く。
(威力はいいけど、まだ狙った通りに的の真ん中に飛んでいかないな……)
日向は難しい顔で考える。
「槍の時と同じだ。体の真ん中に一本の軸となる棒があると意識することだ」
そんな日向に、後ろからアドバイスが飛んでくる。
その人物はいつもは纏めずにいる赤い髪を珍しく後ろで纏め、小学生のように張りがあり、綺麗な艶々のうなじを露出させて現れる。
「リナさん。おはようございます」
日向はその人物「リナ」へと挨拶する。
「おはようございます。日向殿。邪魔をしてしまったか?」
リナも日向へ挨拶する。
「そんなことはないですよ。ちょうど狙ったところに飛ばずにいたのでどうしたらいいかわからなかったですから。ありがとうございます」
「役に立てたのならよかった。では」
リナはその場を後にする。
(綺麗なうなじしてたな……さて、やるぞ!)
日向は、訓練を続ける。
一方、リナは……
(昨日からなぜか日向殿に少し緊張してしまう……今日もいつもなら気にしない髪を後ろで纏めてみたり……何かの病気か?)
日向から急いで離れるように早歩……ほぼ小走りでそんなことを考えながら、南門へと向かう。
それから1週間後……
「グールが攻めてきた!数は500!南門で紅蓮隊が交戦中!」
隊士の1人が訓練場へとやってきた。
「みんな!行きますよ!」
今日の訓練責任者は副隊長のエミ王女。彼女の指示のもと南門へと向かう。
訓練場から南門まで身体強化によって走って5分で到着。
「戦況は」
エミは門兵に尋ねる。
「……」
しかし門兵は、答えない。その代わりに震える手を動かして指を差す。
「何です?」
エミは指差す先を見る。
「うそ……」
エミの目にする先には、日向1人が魔法の弓矢で500のグールを相手にとんでもない速さで動き回りながら次々に胸の核を撃ち抜いていく姿……その光景は、まるでカマイタチ。
(気配探知……)
日向は、その桁外れの魔力による風を戦闘区域となっている200mに展開し、残りのグールの数を把握。
(残りは……150か。縮地)
一般隊士では目で追うこともできない速度で、上空へと飛ぶ。
(あんなに高く飛んで何をするつもり?)
エミは、日向の行動の意図が読めずに疑問符を浮かべる。
1度に放てる矢は、魔力の多いもので5発が限界。グールの数は見たところ100以上は残っている。一気に倒せる数ではない。にも関わらず、日向は全てのグールが見下ろせる高さまで飛んでいる。
(いくら勇者とはいえ、そんな事……)
しかし、数秒後……
グールに向かって、雨のように矢が降り注ぎ、次々に胸の核を的確に打ち抜いていく。1秒もしないうちに全てのグールが動かなくなった。
(これが勇者の力……でも、この世界を魔王から救うのは私!)
エミは闘志を燃やす。
それから、さらに1週間後……訓練が始まって1ヶ月。
「予定通りフレバンス解放作戦を開始する!」
フレバンスへの遠征が決行された。
メンバーは、「紅蓮」の隊長「リナ・ブラントン」、副隊長補佐「アルス・ブラントン」と以下前線部隊30名、遠距離部隊5名、支援部隊3名……そして、風の勇者「有沢日向」。
王都防衛にギリギリの人数を要しているため、これが遠征に派遣できる限界人数。しかし、数は少ないが、1人1人がオーガを1人で相手にできるレベルのもの達。それに加えて、新しく開発された防具と兵器により戦力は以前とは考えられないほどに向上している。
ちなみに、現在の勇者のステータス
有沢日向(16) 職業:勇者 Lv.35/上限Lv.99
HP 300/300 身長:160cm 体重:50kg
MP 350/350
筋力 30/50
俊敏性 40/50
知力 35/50
〈スキル〉
風魔法 Ⅴ 体術 Ⅲ 槍術 Ⅳ 弓術 Ⅲ 魔力操作 Ⅴ
気配察知 Ⅲ 回避 Ⅳ 危険予測 Ⅴ
縮地 経験値倍 成長促進
〈耐性〉
身体的苦痛耐性 Ⅳ
精神的苦痛耐性 Ⅴ
〈称号〉
優しき者 導く者
〈状態〉
正常(マイナス思考)
(魔王に支配された世界を救う一歩!……大丈夫!1人じゃない!行ける!よし!)
他の隊士達と一緒に門をくぐり、街を出る。
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~
月神世一
ファンタジー
紹介文
「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」
そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。
失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。
「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」
手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。
電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。
さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!?
森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、
罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、
競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。
これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。
……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる