いじめられっ子の僕が

さくしゃ

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偵察、帰還

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。もう上がらないと思ってたレベルが上がった!」

ステータスプレートを見て、エミは飛び跳ねる。

パリィン……

その背後では日向が魔法陣を破壊していた。

ーー〈限界突破〉が解除されました。1日のインターバルに入ります。

脳内に響く女性の声を聞きながら、魔力欠乏症と疲労から日向はその場に座り込む。

「お疲れ様でした」

座り込む日向にリナはMPポーションを渡す…のではなく、自分の口に含み、日向の口に自身の口を近づける。

「えーと……普通に飲ませてください」

リナの顔を退けて、リナが手に持っているポーションをもらい、自分で飲む。

(膝枕ならなんとか耐えられるけど、みんなが見てる前でキスをするのはまだ僕には無理…)

MPポーションを飲み干し、しばらくしてめまいと頭痛が消えたので倒した暗黒龍鬼の素材を剥ぎ取っているエマとミカの元へ3人で移動する。

「凄いわ!外皮は信じられないほど硬いけど、筋肉は硬すぎず弾力があって理想的。あんなに速い動きができたいたのも納得ね」

穴の空いた胸から腕にかけて斧で叩き切っていく。

「美味しそうなお肉…」

ミカはナタで肉を削ぎながら「今夜のおやつにしよう…」と外皮よりもお肉を厳選して切り裂いていく。

「美味しそうだけど魔物のお肉は基本的に毒だから食べちゃダメよ」

エマに注意され、「……わかりました」と渋々厳選したお肉を地面に置いていく。

「さようなら。私の「ミノ」「カルビ」「タン」「脂身」「赤身」……元気でね……」

決戦に向けて新しい武器になりそうなドラゴンの外皮を集めていく。

「しかし、ネイサンは王都の改造や新装備開発の過労で倒れているから持ち帰ってどうするんの?」

何気ないエミの一言でネイサンの存在を思い出した4人の手が止まる。

*******************

「ふぅ……疲れたわね」
「思ったよりも体が大きかったですね」

シャワーを浴びた日向達は疲労から椅子にぐったりと座り込む。

「今日はもう動きたくないな…」

リナの一言に、「「「「同じく」」」」と他の4人は仲良くハモる。

結局ドラゴンの外皮を全て剥ぎ取り疲れた日向達は、みんなで仲良くクッキーを食べて眠りについた。

********************

ー深夜0時ー

魔法陣が破壊されたことで空を覆っていた雲がなくなり、月が大地を照らす。

「ん……」

窓際で眠る日向は月明かりに目を覚ます。

「うーん?」

寝ぼけ眼(まなこ)でキョロキョロ。

(明るかったから朝だと思ったけど、みんな眠ってる…)

調理場へと行き、蛇口を捻ってコップに水を汲む。

ゴクン……ゴクゴク……

「……はぁ…美味しい」

コップを石鹸で洗い、水滴を布で拭き取る。

「……」

そのままなんとなく布団に入って横になる。

ヒュゥゥゥ……ガタガタ……

普段、野営していても眠る時には気にならない風、瓦屋根の揺れる音などがとても気になる。それに頭も冴えていて、昼間の反省をする。

(雷魔法を使った後はどうしても神経を使うから魔法を解いた後にめまいで一瞬動けなくなるのが致命的な隙になりそうだな……どうしよ……)

魔王を思い浮かべる。

(……うーん。それにエマが言っていた魔王の伝言。5000の兵力って言うのが気になる。と言うか不安……可能性としては今日相手にしたドラゴンが出てきてもおかしくない……)

最悪の想像をしてしまい余計に思考の渦に飲まれていく。

「確かここから魔王のところまでは片道で1日の2日の距離だって言ってたな……」

パッチリと目を開けて天井を見る。

日向の独り言に、

「ええ。ここから歩いて2日ね。私たちが本気で走れば2時間。空を飛べば1時間で着くわね」

と、返事が返ってくる。

「エマさん……起きてたんですね」

日向に返事をした声の主はエマ。

「ふぁぁ…ちょっと目が冴えちゃって…で、偵察にいくの?」
「危険だとわかってんですけど、どうしても気になってしまって…」

日向は後頭部をかく。

(確かにいつも慎重な日向にしては珍しいかも…まぁ、私も魔王の手勢は気になるのよね…)

「ちょっと待って…」

布団から立ち上がり、ネグリジェを脱ぐ。

「うわ!」

日向は慌てて目をつむる。

(気のせいかな下に何もきてなかったような……)

ドキドキしながらエマの着替えが終わるのを待つ。

「よし!準備完了…私も気になるからついていくわ。道案内もかねてね」

いつもの白の長袖のワンピースタイプにドレスに着替えたエマは日向と一緒に外へ出る。

「すみません。こんな危険なことに付き合わせてしまって……」
「いいのよ。魔王の手勢が気になるのはいっしょだから……それじゃ20分の1の軽さにするから飛行はお願い」
「1時間もせずに着きそうですね。……「飛行(フライ)」」

重力によって20分の1の軽さになった体が風によって浮かび上がる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

偵察

「空気で目が乾いて開けられないわね……」

現在重力操作で2.5kgまで体重が落ちている日向とエマはルンブルク王国へ向けて飛んできた時のおよそ10倍の速さで空を飛んでいく。

「風壁」

エマと同じく目が開けられなかった日向は、前方に風壁を展開。

「助かるわ。ありがとう」
「いえいえ」

そうしているうちにルンブルク王国から魔王領近くの街にある「ルーン」に到達する。

「もうすぐね……日向、魔王領での注意事項は覚えてる?」

前方で壁を展開し続ける日向。

「魔王領は全体が魔王による魔力探知が常に張り巡らされているから空を覆う雲よりも上を飛ぶこと…でしたよね?」

徐々に高度を上げていく。

(今が1000m……雲は……3000m位か…かなり肌寒いな……)

「風の膜(ウィンドプロテクト)」

リナの体の周りに風が集まり、薄い膜が形成していき、周囲を覆っていく。

「コレって昨日のドラゴンの……」

驚き顔で日向を見る。

「はい。真似してみました」

あっけらかんとしながらエマに水筒を渡す。

(それに魔法の二重使用までなら私でもできるけど、一度に魔法を三重使用するのはむり……)

以前リナが言っていた言葉が浮かぶ。

ーー日向殿は敵味方関係なく良いと思った部分は取り入れていくからものすごく成長が早い。一瞬でも目を離すと新しい魔法が増えてることもある。だから、ついていくこちらもうかうかしていられない

その言葉通りに勇者と2体の魔人を倒して帰ってきた彼女達と手合わせしたアルスは以前ならいい勝負ができていたらしいが、「赤子のようにあしらわれました」と苦笑していた。

(…これからも一緒に隣を歩くなら、私もうかうかしていられないわね)

負けないわよ!という気合に満ちた顔。

「もう少し速度を上げます」

体を包む風が一層強くなり、ぐんっと慣性の法則で進行方向とは逆に体が引っ張られる。

******************

ーー殺せ……人を全てを破壊しろ……

そんな声がして深い眠りから目を覚ました。

「……おぎゃあ!ぎゃあ!」

ひどく眩しかったこととそれに驚いて泣いた記憶がある。

どのくらい泣いたかわからない。

次に目を覚ました時は、柔らかな感触とふわふわした肌触りの良い良いものに包まれていた。

ひどく心が安心したのを覚えている。何の恐怖もなく、守られているという安心感……

次に目を覚ましたときは、優しげな女性の腕の中にいた。

その女性は私の頭を撫でて嬉しそうに笑っていた。

誰だ?と思ったが、私を見るその優しい眼差しに胸がじんわりと温かくなり、眠ってしまった。

それからも目を覚ます度に、同じ女性が抱っこしてミルクをくれたり、時には、熱を出した私の額に濡れたタオルを乗せてくれたりした。

今思えば「母」といってもいいほどだ。

彼女が笑うと自然と私も笑うようになった。

そんな彼女はよく頭に包帯を巻いていた。足や腕にも青いあざができていた。

私を抱く時は腕まくりした袖を隠すようにして直してから、抱く。

なぜだか、心が痛かった。

時折、部屋の外からは低い声で怒鳴り、「すみません」と謝り続ける女性の声が聞こえる時もあった。

その後、頬の腫れた彼女がやってきて、「大丈夫」と自分の心配ではなく私の心配をした。

泣きたくなった。

ーー殺せ!人間なんてゴミだ!全てを壊せ!

……そんな言葉がこだまし続ける。

その後、部屋の窓を割って「ゴトゴト」と固いものが床に転がる音がした。

「街の面汚しはさっさと消えろー」
「1人ででかい家に住みやがって!」
「1人だけ遺産でのうのうと生きやがって!少しくらい金をよこせ!クズ!」

汚い声だった……

それからバチャバチャと音を立ててどこかへ走っていく足音。

「大丈夫……大丈夫だよ」

私の頬が濡れた。

ーー人間なんてゴミだ!全てを壊せ!

(……)

「殺せぇ!」
「おい!大金だ!」
「さすが大商会の家だぜ!これで領主に収める税金を何十年も払わなくて住むぜ!」

また汚い声がした。黒く欲に塗れた声……

ガチャリ……

「よかった……今のうちに逃げましょう」

女性は私を抱き上げ、窓から家を出た。

「バカかよ。街の住民全員で取り囲んでんだ」
「絶対に逃さねえ」
「ガキもろとも殺して燃やせ!証拠を残すな!」

私と女性はあっけなく捕まってしまった。

「私たちが何をしたっていうのよ!」

磔にされた女性が取り囲む住人へと叫ぶ。

「何も……ただ金持ちのお前たちが気に食わなかっただけさ」
「後は、税金を払う金と俺たちが悠々と楽して生きたかった。お前たちはその犠牲だ。死ね」

住民たちは磔にした私たちの足元に火をつけた。

「く!……「ラジエル」ごめん…ね」

女性の最後の言葉だった。後に知った事だが、女性の名は「アミリス」といい、15歳だった。

アミリスは動かなくなり、体が燃えていく。

ーー殺せ!殺せぇ!殺せぇぇ!

体が震えて、彼女が動かなくなったところで意識がなくなった。

気がついたら、真っ黒な城ができていて、立ち上がり歩けるようになっていて、魔王と呼ばれていた。

「ひどく懐かしい夢だな……」

私は、当時のことは今は何とも思っていない。ただ、彼女と過ごした時に湧き上がってきた感情が知りたかった……

人間と過ごせばいいのだろうかと思ったが、どうやらそれも違った。彼女と過ごしたあの時以来、感じることがない。

「まあ、どうでも良いか…ん?この反応は…」

魔王はミカと同じ「扉(ゲート)」を開き、その中へと入っていく

*****************

朽ちて真っ黒になった「森」、腐った「山」、「川」、「大地」……

「あアァ…ぁあ…」

そんな地上を人型の魔物が3000体がゾンビのように彷徨い、目についた自身と同じ姿をした魔物と殺し合いを始める。

「グアアアア!」

魔法陣によって発生した分厚い雲と闇魔力によって常に深夜のように暗い魔王領…その真ん中にそびえる白亜の城「魔王城」…その上空を黒いコウモリ型のドラゴンが2000体、飛び回る。

「地上で殺し合ってる魔物って…まさか…」
「「リーパー」…よね…」

雲の間から顔だけ出して地上の様子を伺う日向とエマ。

「それに魔王城の上を飛ぶ1,000体以上のドラゴンって昨日相手にした」
「ええ…確かレベルアップの時に世界の声が暗黒龍鬼って言ってたわ」

魔王の闇魔力が充満する地上に風の魔力を広げる気配探知を使うと魔力同士が干渉して気付かれてしまうため、見た感じの強さでは、

「昨日のドラゴンには及ばないが、それでもおそらく一体一体が3の魔人「ナイトメア」級の強さ…」

レベル50の勇者が苦戦した末に初めて倒した魔人……その強さは剣士だとレベル70はないと相手にできない。

「こんなの…勝てるわけ…」

王都の戦力と魔王の戦力を瞬時に比較した日向の口から諦めの言葉が出そうになりかける。

「し…」

そんな日向の口をエマは指でそっと塞ぐ。

「大丈夫…あんなの見て不安なのはあなただけじゃないから…」

日向の口を塞ぐエマの手は震えていた。

「でも、大丈夫!世界はいつだって臆病な生物が生き残ってきたのよ!人間が最たる例よ!敵が力でくるならこっちは策を講じればいいの!」

日向と心の中で怯える自分自身を安心させるようにエマは話す。

(そうだ…僕の1番の武器は「臆病」な事……でも、怯えて初めから諦めるのは違う。大丈夫。僕にはこんなにも頼れる仲間がいるんだから…)

「ふぅ……」

日向は、呼吸と共に怯えた感情を吐き出す。

「エマさん。ありがとうございます」

日向は笑顔を浮かべる。

「ふふふ」

日向の笑顔を見たエマの心から恐怖がスーッと消えていく。

「そろそろ戻りましょうか」
「そうですね。それにリナさん達に言わずに来てしまいましたからね」

魔物達に見つからないように雲の中を移動しようと日向達が振り返ると、

「深夜の2時だぞ。訪問するにしては失礼すぎではないか?」

というバスローブ姿の魔王がいた。

「なあ、「レイ」」

魔王の背後から魔王とそっくりの少年(存在感から言って魔人?)が魔王の右脇に現れ、少年の頭に手を置く。

(この魔力の威圧感、存在感……魔王!それに横にいる魔王そっくりの「レイ」と呼ばれた少年…魔王に近い存在感…)

日向はマジックバックから槍を取り出して構える。

「待って!」

エマは魔王達を警戒しながら日向の前に出る。

「こいつらから戦闘意欲を感じない……その子の紹介にでも現れたってところ?」

エマの言葉に、「ああ」と魔王は短く答える。

「お前も見るのは初めてだろう。こいつはお前達魔人をモデルにして作った新型の魔物だ。見ただけでわかるだろ?こいつはレベル80のお前達魔人よりも2回りくらい強いぞ。レベルは99。それにお前達の空間操作、精神操作、肉体硬化、重力操作を使えるぞ」

新しくできたオモチャを紹介する子供のように紹介する。

「それから地上のはリーパーをモデルにして作った鋼鉄並みの肉体を持つレベル70の人型のオーガ達だ。まあ、知能は低いがな」

魔王は次に城の方を指差す。

「最後に城の上を飛ぶドラゴンはレベル85のオーガの新たな進化系魔物「暗黒龍鬼」だ。こいつらはあのゴミの役立たず…「ナイトメア」だったか?…よりも強いぞ」

「くっくっくっくっ」と魔王は笑う。

「こちらの準備は整っている。当日はこちらから攻めるから血迷ってそちらからくるなよ?その瞬間、私が出ていって滅ぼすからな?」

余裕の態度で話す。

「果たして、お前達「人間」がどこまで抗えるのか…死に物狂いで残りの2週間準備に励んでくれよ……「扉(ゲート)」」

見下したような笑みを浮かべて、空間操作で姿を消す。

「ぐあああ!むかつく!本当にムカつく!なんなの!あの上から目線な態度!嫌がらせして帰ってやる!」

エマはマジックバックから200kgの斧を取り出して、振りかぶる。

「吹っ飛べ!」

地面の魔物達めがけて投げ飛ばす。

「重力操作20倍!「流星(メテオ)!」」

ズシン!とエマの魔力によって4tの重さの斧が上空3000mから勢いよく落ちていく。

「何してるの!いくわよ!」

考え込み動かない日向にエマは怒鳴る。

「……あ!すみません!」

日向は慌てて魔法を行使し、行きよりも帰りは早い速度で移動する。

ズドォォォン!

魔王領の方からミサイルが破裂したような派手な音が響いてきた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はぁ…勘違いするじゃないですか。2人とも汗を流して、それにエマの服ははだけてるし、息は切れてるし…2人でそういうことをしていた…と…」

赤面したリナは最後の部分をごもらせる。

「まだエ〇チはしてないってことね?なら、いいわ」

素直に言葉にして聞くエミ。

「良かったです。初めての相手は私だって決まってるんですから」

隠れ巨乳であることを誇示するように胸をはるミカ。

そんな安心した3人を見て、エマはニヤッと笑い、服をさらにはだけさせて鎖骨を露わにする。

「情熱的だったわよ♡」

エマは頬を赤らめ、艶めかしい目で日向を見る。

「!」

綺麗なうなじと鎖骨、ほっそりとした肩、見えそうで見えないイチゴアイス……

そんなエマに日向は思わずドキッとして顔を赤らめる。

「「「日向」」殿!様!」

2人のただならぬ様子を見て、やっぱり嘘をついていると思った3人は日向に詰め寄る。

「ぼ、僕たちは何もやましいことはやってません!」

詰め寄る3人を必死で宥める。

ー時は遡り、1時間前ー

日向とエマの2人は、朝日が昇る前に家に着いた。

「はぁ……流石に疲れましたね」
「ええ……魔力の使いっぱなしでへとへとよ…」

日向は水筒の水を飲み、エマは前のボタンで止めるタイプの服を鎖骨が見える第3ボタンまで開き、うなじ、胸の周などを拭きながらリビングへと入る。

ギシッギシッギシ……

「ん……ふぁぁ……おはようございます」

足音に気がついたリナが目を覚ます。

「おはようございます」
「おはよう」

日向とエマは普通に返事をする。

上体を起こしたリナは目をしぱしぱさせて、うーんと腕を伸ばす。

「日向殿とエマか…早いです……え!」

軽い体操が終わったリナは2人の姿を見て固まる。

(エ、エマのワンピースがはだけてる!……は!それに2人共、赤い顔で息を切らして…暗い時間に男女が2人で隠れてすること……)

ボン!……

2人のあはん♡うふん♡な姿を想像したリナの思考回路が爆ぜる。

「ああ~」とリナの頭の上を星がまわる。

普段は真面目で堅物な面を見せることが多い彼女も16歳の年頃、そういうことに興味津々だが、実際に想像すると思考が弾ける。

「……ああ!日向殿!エマ!」

急に勢いよく立ち上がったリナに首根っこを掴まれた日向とエマはテラスへと連れて行かれて正座させられる。

「そういうことは4人で話し合って魔王と決着をつけてからだと言っただろう!」

と、エマをしかる。

「日向殿もだ!まずは師匠の私から手を出すべきだろう!」

日向に詰め寄る。

「それは違うわよ……まずは私から!」
「いいえ!私からです!」

いつの間にか起きてきたエミとミカが参戦。

「「「何」」よ!だ!ですか!」と睨み合う3人……

睨み合いは30分続き、一応の落ち着きを見せ、ようやく日向に話を振る。

日向は「魔王領に偵察に行って、エマには魔王城までの道案内をしてもらっただけ」と30分かけてしっかりと説明し、誤解が解けたはずだった……

「情熱的だった♡」

エマのその一言と思わずドキッとしてしまった日向の反応で状況は悪化……3人に詰め寄られる日向とそんな状況を楽しむエマ。

「3人ともすごい引っかかりようで面白かったわ。ご馳走様♡じゃあ、私は眠いからシャワー浴びてくるわね」

エマは立ち上がり「ふっふーん♪」と鼻歌を奏で上機嫌でお風呂場へと消えていった。

「もしかして私達またエマに遊ばれた」
「「……」」

リナ達はお風呂場に消えたエマを見て、「敵わない…」と口を揃える。

(これが人生経験の差……)

エマが前世の記憶があることを知る日向も

「確かに敵わない……」

と、リナ達と口を揃える。

******************4

ー3時間後ー

魔王城での出来事をみんなで話し合った結果、少しだけ休んだら、マーク王都に戻るということなり、話し合いから3時間……

「重力操作…20分の1」

エマの魔法により全員の体重が2kg以下に。

「飛行(フライ)」

5人の体を風が包み込み、少しずつ体が浮き上がり、そこから一気に上空へ飛び上がる。

「風の膜(ウィンドプロテクト)」

魔王城へ向かう時にエマに使った魔法をみんなに使う。

「そよ風が常に体の周りを吹いていて涼しい…」

と、好評だった。

それから行きに2日かけた距離を半日で移動し、日付が変わる5分前にマーク王都に到着した。
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