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あたし 後衛職 盗賊……ショウキデスカ?
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「昨日はいなかったよな。どこで知り合ったんだそんな強え姉ちゃんと。それにお前の腰に挿してる剣って……」
静然とするギルド内を歩き買取カウンターに行くと私の数少ない友達のエリックが今日も素晴らしい筋肉を強調するようにぴっちりした服を着て出迎えてくれた。
「まあ、話すと長くなるから短く説明すると、昨日酔っ払った私は酒瓶片手にオーガの森まで行って噂の剣を引き抜きました。そして正式に剣の所有者となりました。私の横にいるお姉さんはエーさんです!」
「エーです。昨日からご主人様にお仕えすることになりました。今後ともよろしくお願いします」
エリックはしばらくエーさんを見つめたまま停止。
「……あ、ああ。よろしく」
照れた様子で頭を下げる。
「それじゃエーさん。鑑定してもらうから素材出して」
「はい」
エーさんは亜空間を出現させそこに手を突っ込む。
「……俺の見間違いか?空間魔法を使ってるように見えるんだが」
信じられないものを目にした様子で目をこするエリック。
「おい、あれって……」
「ああ。間違いねえ」
「C級最強のホイを瞬殺しちまうわ、空間魔法を使うわどうなってんだ?あの姉ちゃん!?」
騒然とするギルド内。
ふふふ!どうだ!うちのエーさんはすごいだろう?
「まずは……オークの魔石が30個です」
カウンターの上に積んでいく。
「な!一度にさ、30?!」
「はい。それからボブゴブリンの魔石が50個……とオーク肉です」
「……これどうしたんだ?」
カウンターに山積みの魔石とオーク肉を見てたまげるエリック。
「エーさんが1人で仕留めて1人で解体した」
「お恥ずかしい限りです。もっと綺麗に解体できるように精進したいと思います。それからボブゴブリンはアイリス様も手伝ってくれました」
「……」
静然と化すギルド内。みんな目が飛び出そうなほど目を見開きカウンターを凝視。
その中で1番に反応したのは、
「皮の剥ぎ方、なめし方、血抜き、血管の除去、骨も付いてないし、余分な脂身も削ぎ落とされている……か、完璧だ!こんな丁寧な解体処理を施されたオーク肉は見たことがない!専門でやっている俺でも……」
目を輝かせるエリック。
「俺たちは命を糧に生きてる。だからできるだけ丁寧に解体し美しいお肉に形成してお客様にお届けする」
酔うといつも熱く語るエリックの締めの言葉だ。
雑に解体された肉を持ってこようものならその相手を殴り飛ばす男が感動のあまりに涙を流している。
「ありがとう!君の仕事にお肉が喜んでいるのがわかる。この子はきっとみんなに拒絶されず美味しく食べてもらえるよ!」
エリックの拒絶という言葉にピクッと反応したエーさんだが、美味しく食べてもらえるという言葉にほっこり笑う。
「査定のほどよろしくお願いします」
「よかったねエーさん」
「ふふふ、はい」
それから私たちはクエストを受注するため受付カウンターへ
さあ!今日も酒代を稼ぐぞ!
受付カウンターで出迎えてくれたのはギルマスのランドロフ。
無駄のない筋肉の鎧、体の至る所にある古傷はこれまでにとんでもない修羅場を潜り抜けてきたことが伺える。
さらに40とは思えない風格は多くの冒険者が在籍するギルドをまとめ上げるに値する人物であることが感じ取れる。
「アイリスちゃんごめんね!ホイのことは1番下のFランクまで降格と3年間は薬草採集しか受けられないようにしておくから今後ともこのギルドをよろしくね!君ほど優秀な盗賊は他にいないから居なくなられると困るの」
しかし風格ある男でいるのは黙っている間だけ、喋ると一瞬にしてその風格は崩れ去る。
「私もいなくなる気はないから心配いらないよーそれより何か手頃なクエストない?」
「これなんてどう?」
ギルマスを押し退けて栗色の綺麗な髪を三つ編みにしてまとめる美少女が私たちにクエスト依頼書を持って現れる。
「アリスが仕事してるなんて珍しい……どれどれ?」
「バジリスクの討伐依頼書よ」
「……私のジョブ盗賊、後衛職……ショウキデスカ?」
「心配いらない。その剣があなたの手に渡ったなら問題ない……これでやっと私も」
「最後なんだって?囁く様に言っていてよく聞こえなかった」
「何でもないわ。それよりここであなたの本当の実力をみんなにバラしてもいいのよ?特にこの前のレッド」
「はい!やります!やらせていただきます!いやぁちょうど天気的にバジリスクを狩るのもいいなって思ってたんですよー!よーし!エーさん大金稼ぎに行くよー!」
「よろしくね」
私はアリスに余計なことを言われる前にギルドを後にした。
あいつ私が注目されることが嫌いだって知ってるくせによ。ホントいい性格してるよ。
静然とするギルド内を歩き買取カウンターに行くと私の数少ない友達のエリックが今日も素晴らしい筋肉を強調するようにぴっちりした服を着て出迎えてくれた。
「まあ、話すと長くなるから短く説明すると、昨日酔っ払った私は酒瓶片手にオーガの森まで行って噂の剣を引き抜きました。そして正式に剣の所有者となりました。私の横にいるお姉さんはエーさんです!」
「エーです。昨日からご主人様にお仕えすることになりました。今後ともよろしくお願いします」
エリックはしばらくエーさんを見つめたまま停止。
「……あ、ああ。よろしく」
照れた様子で頭を下げる。
「それじゃエーさん。鑑定してもらうから素材出して」
「はい」
エーさんは亜空間を出現させそこに手を突っ込む。
「……俺の見間違いか?空間魔法を使ってるように見えるんだが」
信じられないものを目にした様子で目をこするエリック。
「おい、あれって……」
「ああ。間違いねえ」
「C級最強のホイを瞬殺しちまうわ、空間魔法を使うわどうなってんだ?あの姉ちゃん!?」
騒然とするギルド内。
ふふふ!どうだ!うちのエーさんはすごいだろう?
「まずは……オークの魔石が30個です」
カウンターの上に積んでいく。
「な!一度にさ、30?!」
「はい。それからボブゴブリンの魔石が50個……とオーク肉です」
「……これどうしたんだ?」
カウンターに山積みの魔石とオーク肉を見てたまげるエリック。
「エーさんが1人で仕留めて1人で解体した」
「お恥ずかしい限りです。もっと綺麗に解体できるように精進したいと思います。それからボブゴブリンはアイリス様も手伝ってくれました」
「……」
静然と化すギルド内。みんな目が飛び出そうなほど目を見開きカウンターを凝視。
その中で1番に反応したのは、
「皮の剥ぎ方、なめし方、血抜き、血管の除去、骨も付いてないし、余分な脂身も削ぎ落とされている……か、完璧だ!こんな丁寧な解体処理を施されたオーク肉は見たことがない!専門でやっている俺でも……」
目を輝かせるエリック。
「俺たちは命を糧に生きてる。だからできるだけ丁寧に解体し美しいお肉に形成してお客様にお届けする」
酔うといつも熱く語るエリックの締めの言葉だ。
雑に解体された肉を持ってこようものならその相手を殴り飛ばす男が感動のあまりに涙を流している。
「ありがとう!君の仕事にお肉が喜んでいるのがわかる。この子はきっとみんなに拒絶されず美味しく食べてもらえるよ!」
エリックの拒絶という言葉にピクッと反応したエーさんだが、美味しく食べてもらえるという言葉にほっこり笑う。
「査定のほどよろしくお願いします」
「よかったねエーさん」
「ふふふ、はい」
それから私たちはクエストを受注するため受付カウンターへ
さあ!今日も酒代を稼ぐぞ!
受付カウンターで出迎えてくれたのはギルマスのランドロフ。
無駄のない筋肉の鎧、体の至る所にある古傷はこれまでにとんでもない修羅場を潜り抜けてきたことが伺える。
さらに40とは思えない風格は多くの冒険者が在籍するギルドをまとめ上げるに値する人物であることが感じ取れる。
「アイリスちゃんごめんね!ホイのことは1番下のFランクまで降格と3年間は薬草採集しか受けられないようにしておくから今後ともこのギルドをよろしくね!君ほど優秀な盗賊は他にいないから居なくなられると困るの」
しかし風格ある男でいるのは黙っている間だけ、喋ると一瞬にしてその風格は崩れ去る。
「私もいなくなる気はないから心配いらないよーそれより何か手頃なクエストない?」
「これなんてどう?」
ギルマスを押し退けて栗色の綺麗な髪を三つ編みにしてまとめる美少女が私たちにクエスト依頼書を持って現れる。
「アリスが仕事してるなんて珍しい……どれどれ?」
「バジリスクの討伐依頼書よ」
「……私のジョブ盗賊、後衛職……ショウキデスカ?」
「心配いらない。その剣があなたの手に渡ったなら問題ない……これでやっと私も」
「最後なんだって?囁く様に言っていてよく聞こえなかった」
「何でもないわ。それよりここであなたの本当の実力をみんなにバラしてもいいのよ?特にこの前のレッド」
「はい!やります!やらせていただきます!いやぁちょうど天気的にバジリスクを狩るのもいいなって思ってたんですよー!よーし!エーさん大金稼ぎに行くよー!」
「よろしくね」
私はアリスに余計なことを言われる前にギルドを後にした。
あいつ私が注目されることが嫌いだって知ってるくせによ。ホントいい性格してるよ。
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