学園最弱の僕。成り上がる

さくしゃ

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1ー①

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僕の名前はライリー。
突然だが僕には夢がある。

「それは……」

クラスメイトと一緒にあはは!おほほ!と言いながらトイレに行きたい!

クラスメイトと一緒にあはは!おほほ!と言いながらお昼を食べたい!

クラスメイトと一緒に魔力について熱く!熱く!!あはは!おほほ!と語り合いたい!
                                
                  etc……

そんな思いを抱える僕に転機が訪れる。

「明日からE組に新しくクラスメイトがやってきます」

夕方のホームルームで先生からまさかの連絡。

「……やった!これは派手に歓迎したい!」

ということで早めにトレーニングを終えた僕は寮の自室で明日の歓迎について1人会議。
しかし独り言を言っていると隣部屋の人から寮長に話が行ってまた叱られてしまうのでベッドで布団にくるまり脳内会議。
脳内会議場には既に4人の僕が座っていた。

「それでは会議を始める!」

司会進行を務めるライリーくんの声が響く。

「皆も知っての通り明日からなんとーー」

司会進行役のライリーくんの真剣顔に他のライリーくんがゴクリと生唾を飲む。

「ついに新しいクラスメイトができる!」

両手で顎杖をついたまま、くわっと目を見開く司会進行役のライリーくん。

「……う、うおおお!女の子かな!女の子だよね!」

女の子のことで頭がいっぱいな思春期ライリーくんが1番に反応。
続いて。

「いやここは男だろ!一緒に連れションしたい!」

漢!のライリーくんが爽やかな笑顔を浮かべる。

「11999!12000!……はぁ!汗をかくって……きっもちいい!」

脳内でも素振りを続け、流れ出た汗を首を振って撒き散らす汗かきライリーくん。

「や、やめろ!そ、その水鉄砲をおろせ!俺はまだ寝てい、って冷た!……あれ?みんな集まってどうしたんだ?」

汗かきライリーくんの飛ばした大量の汗を浴びて目を覚ます居眠りライリーくん。

「うむ。全員揃ったな。話が進まないから居眠りと汗かきは放置だ。相手にするな。そしてさっきから女女連呼しすぎだ!発情ライリーくん!」

「ッフ、それが思春期というものだからね!ちょっと前までは性別なんて興味なかったのになんか急にムラムラが止まらない!!14歳ライリーです!」

「やめい!顔が卑猥になってる!ていうか話が全く進まん!いいか!歓迎についての話し合いをするぞ!ここはまずスタートとしてはみんな「派手に」というコンセプトは一致でいいな?」

息を切らしハンカチで汗を拭う司会進行役のライリーくん。

「「「はーい!」」」

「よし!さすが自分だ!なんだかんだ言って息ぴったりだ。次はどんな歓迎をするか、だが……」

「はーい!素振りして汗を撒き散ら」

「却下だ!次!」

「天井に首だけめり込ませて胴体だけで会話する!名付けて「女子とどう接していいかわからない男子必見!今すぐ実践できるめり込み式地獄絵図歓迎の舞!」」

さらりと前髪をかき分ける思春期ライリーくん。
耳にかかってないぞ。

「なんかそのポーズがイラっとするから却下だ!しかし天井からという発想は派手で良いな」

「なら、天井裏に侵入して……」

「はいストップ!お前達よく考えろ!そんなことしたら……」

「「「そんなことしたら?」」」

「っ!先生に……怒られる!」

くわっと目を見開く司会進行役のライリーくん。
顎杖はそのままに。

「……それはまずい!」

「そうだね!」

「それなら汗を撒き散ら」

「却下!会議室の端っこで思う存分撒き散らしてくれ」

汗かきライリーくんは会議室の端っこで本当に汗を撒き散らし始める。

「しかし天井からという発想は変更したくない」

「よし。今回の件は俺に任せてくれ!いい考えがある!」

思春期ライリーくん主導のもと計画は進行。
彼は頭の中は女女しているが性格はとっても真面目。
30分前行動は当たり前。
しかしその性格が仇となった。
新しいクラスメイトを歓迎したところまでは良かった。だが、その直後。

「う、腕がぁ!」

突如として両腕が痺れ始めた。
少し前まで「後1時間くらいは余裕」と思っていたが全然そんなことはなかった。

ーー結果

教卓破壊!からの先生から校舎にある40個の男子トイレ全てを清掃する命令が下された。
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