蜚蠊

蜚蠊

歩「ぎゃああぁあああぁあ！！」
どっがらがからがっっしゃーーん！！！
雪「どうした！？」
歩「あぁあぁああぁぁばばば」
雪「はっきり喋れ」
歩「あっあ！ご…ごき…Gが！」
雪「じぃ？」
歩「Gだよ！G！」
雪「はい？」
歩「だから！ゴ○○リ！」
雪「え！？どこどこ！」
歩「そ、そこぉ」
カサカサカサカサ…
雪「・・・うっわすっげぇ！！ゴ○○リだ！すっげ！はっや！」
歩「関心してる場合か！！」
雪「わぁあ…ほんとにテカってる～」
歩「だーもう！早く殺虫剤！」
雪「あーあはいはいはい」
雪(そっから三十分後)
歩「はぁああ…」
雪「大丈夫？」
歩「足と顔と腕擦りむいた…痛い」
雪「逆にその程度で済んだのがすごい…流石元体操選手」
歩「ありがとな！」
雪「でもさーたかがゴ○○リであんななるか？」
歩「ばかやろー！」
雪「ば、ばかぁ？」
歩「ご…Gはな他の虫とは別格なんだよ！」
雪「フーン、例えば？」
歩「あの、カサカサと耳につく音素早い脚力そして何より！」
雪「何より？」
歩「人を不快にさせるあの形！！色！はぁぁあおぞましい…」
雪「げさおだなぁ」
歩「何が大袈裟だ！雪も見ただろあの日本共通不快害虫を！」
雪「でも、海外ではペットとして飼われることもあって食…」
歩「やめろー！！聞きたくない！！」
歩は耳を塞ぎ叫ぶ、それを見て雪は笑う。
歩「はぁはぁはぁ…！」
雪「さっきからそのテンションつかれん？」
歩「疲れた…でもあいつがいると思うと…」
雪「あー、一匹いたら百匹いると思えだ」
歩「バ○サン…ジェット…」
雪「はいはいはいわかったわかった大丈夫だよー大丈夫だよー」
歩「むうぅ…」
雪(三十分後…)
雪「落ち着いた？」
歩「多少は」
雪「よしよし…」
歩「はぁー、ありがとうゆ…」
カサカサカサカサカサカサ…
歩「★￥％※*〆～☆÷！！」
雪「ぅるっせぇ！！」
雪(さらに30分後！)
雪「はぁ…はぁ…」
歩「あ、あのぉすんませ」
雪「わかればよろしい」
歩は正座して雪に謝る。
歩「でもな雪、ここまでボッコボコにするなよ」
雪「アンタがうるさいからだろうに」
歩「はい…」
歩夢のしょもんとした姿に雪は呆れた。
雪「で、なんぼすんの」
歩「ふぇ？」
雪「バル○○だっけ？なんぼするん？」
歩「多分、1,000でお釣りくるくらい」
雪「じゃあ買いに行こー」
歩「お、おー」
歩(２時間後…)
歩「よーしバル○○セット！」
雪「わくわく」
歩バ○○○をつけて撤退する。
歩「うし、これで数時間待って…この後どうする？カラオケいく？」
雪「お！いいねぇ！歌っちゃうよ～」
歩「ねこねこカラオケでいいか？」
雪「うん！食パンアイス食べたい！」
歩「食うことばっかだな！」
雪「早く行こー！」
歩「…はぁー、おい待てよー」
歩(数時間後)
雪「あー歌った！」
歩「お前渋いの歌うのな」
雪「えへへ」
歩「そろそろ部屋大丈夫かな？」
雪「行ってみよー」
歩「雪ここぞとばかりに長さんのモノマネをすな」
雪「ばれた？」
歩「バレるよ」
雪「にっひひひ」
歩(可愛いなチクショウ！)
雪「そう言えばさ歩」
歩「なん？」
雪「…じょっぴんかった？」
歩「…は？」
雪「だから家出た時じょっぴんかったかい？」
歩「方言で喋んな！」
雪「あ…えーと？…あゆむさんおうちのかぎはかけましたでしょうか？」
歩「何故に敬語？…ってかけてねぇぇえぇえ！！」
雪「あーれまっ」
歩「早く帰るぞ！！」
歩(十分後！)
歩「ゼーっゼーっ」
雪「はやーい」
歩「と、とりあえず開けるぞ」
歩はそっとドアを開けると
歩「あ、大丈夫だ」
雪「…」
二人は部屋にはいる
雪「結構匂い残ってるねー」
歩「うん…」
メリッ！
歩「・・・」
ぴっ…ぴくっぴくっ
歩「☆2〒々><+€々7！！！！」
雪「わー！ゴ○○リだ！まだ生きてんじゃん！さっすが生きてる化石！」
歩は声にならない声をずっと出している
雪「歩！歩ってば見て！羽あるよ！さっきよりデカイ！てあり？」
歩は風呂場に消えた…
歩「あはぁぁぁあ！感触が！抜けん！」
雪「あ、いた」
歩「ゆぅぅぅきぃぃいぃ」
雪は歩を抱きしめ頭を撫でる。
雪「はいはいはい大丈夫だよー大丈夫だよー」
雪(一時間後～)
歩「ふぇえっえ」
雪(そろそろ面倒い)
歩「ごわがっだー！」
雪「うん、そうですね、怖かったねー」
歩「ひっぐ…なんで雪はこわくないのぉぉ？」
歩は泣きながら聞く。
雪「だって…人間より怖いものなんてないよ」
真顔で答えた雪に歩は涙が引いた。
歩「さ、左様ですか」
雪「左様です」
歩「……」
雪「さぁて寝ましょう寝ましょう」
雪はベットに近づくが
雪「・・・」
歩「？」
雪「ねぇその前にさぁコンビニ行こうか喉乾いた」
歩「…うん」
雪「…」
歩「…」
雪「あのさ」
歩「あ、言わなくていいよ」
雪「え？」
歩「見たんだろ？」
雪「はい…」
歩「あいつさぁ雪にストーカーしてたやつだろ？ムカついたから殺っちゃった」
雪「…」
歩「お前を愛してるのは俺だけなのになぁ」
歩は雪の顔に優しく触れる。
歩「ほんとお前は手がかかる」
するすると生暖かい手が雪の首を掴む。
歩「安心しろ、これからは俺が守ってやるから…しつこい蜚蠊は殺してやるよ」
雪(もう、逃げれないか)
その後、二人はコンビニで飲み物とお菓子を買って家に帰った…。


おしまい…