フリー台本置き場(2名用)/メウアのエデン

メウア

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私とボクと (比率/男1:女1)

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(人物紹介)
 
美智:金沢美智(かなざわ みち)16歳。女の子。
感情豊かで、大ざっぱな女の子。楽しいことが好き。新しいものに目がなく、興味があるのもには、なんでも突っ込んでしまう。
 
トオル:里宮トオル(さとみや とおる)16歳。男の子。
大人しい性格。いつも相手を観察している。なんでもこなせる器用貧乏。自分の感情を表現するのが苦手。

 
美智N:語り手。美智役の人が演じてください。


0:ト書。状況説明として読んでいただいても構いません。


(詳細)
2人台本。
所有時間約20分。

-可-
SE・BGM等の挿入可(フリーor自作のものに限る)
語尾などの軽微な変更

-不可-
世界観を壊すような過度なセリフ変更
登場人物の性別変更
 
 
 
 
本編スタート
 
 
美智N:これは、とある夏の話。
美智N:梅雨の時期には似つかわしくない、晴天の日に彼はやって来た。
 
トオル:「初めまして。今日からこのクラスの仲間になりました。里宮トオルです。よろしく」
 
美智N:そう言った彼は、表情が一切変わらなかった。
 
 
0:それから数週間。
 
美智N:里宮トオルが転校してきて数週間が経った。休みの時間は読書。お昼ご飯はいつもパン。勉強熱心なのか、授業中寝ているところを見たことがない。
美智N:物静かで、勉強熱心のパン野郎。そんな奴と関わることなんて無いだろうと思ってた。
 
 
0:放課後校舎裏。物陰で電話するトオル。
 
トオル:「・・・はい。分かりました(電話を切る)」
美智:「・・・さと・・みや?何やってんの?こんな所で」
トオル:「(慌ててケータイを隠す)・・・別に。何でもないよ。
トオル:金沢さんこそ、こんな所で何してるの?」
美智:「何って、当番のゴミ捨て。ここゴミ捨て場だし」
トオル:「あ、そっか」
美智:「よっと。(ゴミ袋をゴミ捨て場に投げ入れる)・・・この学校、ケータイ禁止だよ」
トオル:「・・あ、ごめん・・」
美智:「何謝ってんの?(可笑しそうに少し笑いながら)
美智:別にチクったりしないよ。私も持って来てるし、ほら(ポケットからケータイを出して見せる)」
トオル:「・・・」
美智:「あ、見たからってチクんないでよ?」
トオル:「言わないよ」
美智:「ならいいけど。でも、なんか意外。ルールとかしっかり守ってるイメージあったから。里宮って」
トオル:「え?」
美智:「休憩時間、ずっと読書してるし、授業中寝てるところ見たことないし。」
トオル:「ボクのことよく見てるんだね」
美智:「はぁ!?た、たまたまだし!」
トオル:「・・金沢さんっていい人だね」
美智:「それバカにしてるでしょ!?」
トオル:「してないよ」
美智:「いーや!絶対バカにしてる!」
 
美智N:この日から、私は里宮と関わることが増えた。
少しずつ関わっていく中で、『物静かで、勉強熱心のパン野郎』から『少し不真面目な、勉強を教えてくれるパン好き君』に昇進した。
 
 
0:休憩時間。教室にて。
 
美智:「あーーーっっつい!!なんでこんなに暑いの!?こんなに暑かったらもう夏休みでよくない!?」
トオル:「まあまあ、夏休みまであと1週間だからさ。頑張ろうよ」
美智:「えー・・・ムリ。溶ける。てか、なんでトオルは、そんな涼しそうな顔してるわけ?腹立つんだけど」
トオル:「金沢さんが言うほど暑くないよ?」
美智:「は?アンタ、おかしいんじゃないの・・・?大丈夫?」
トオル:「失礼だな、ほら(美智の手に触れる)」
美智:「・・・ホントだ。冷たい・・・」
トオル:「でしょ?」
美智:「え、冷え性すぎじゃない?大丈夫?」
トオル:「そうかな?」
美智:「あー!早く冬来い!暑いの嫌っ!」
トオル:「冬来たらそれはそれで寒いって言うくせに」
美智:「あ、バレた?」
トオル:「顔に書いてる」
美智:「えへへ」
トオル:「褒めてないよ」
 
美智N:今思えば、あの時のトオルの手は驚くほどに冷たかった。・・なんで、気づかなかったんだろ。トオルが本当は・・・。
 
 
0:蝉の大合唱が聞こえてくる体育館。
0:校長先生の長い話が終わり、チャイムと同時に各クラスごとに教室に戻っていく。
 
0:トオルが教室に戻っている途中。後ろから美智が来る。
 
美智:「とーおーるー!!!(トオルに突進する)」
トオル:「うわっ、何?どうしたの」
美智:「私の夏休み無くなったぁ!」
トオル:「何で?あんなに楽しみにしてたのに。何かあったの?」
美智:「うぅ・・・補習、引っかかったぁ・・・」
トオル:「あー、それは残念だったね。あぁ、ほら、そんなに落ち込まないでよ。補習って言っても最初の1週間で朝からお昼まで・・だっけ?すぐだよ」
美智:「いーやーだー!!!」
トオル:「ボクも学校居るからさ、頑張ろ?」
美智:「・・・え?・・なんで?まさかアンタ・・・そこまで私の事・・・!」
トオル:「(食い気味に)違うよ?委員会の仕事」
美智:「・・は?・・・え?なんで?トオル委員会やってなくない?」
トオル:「クラスの図書委員の人に頼まれたんだよ。用事あるから変わって!って」
美智:「・・アンタ、それ、いいように使われてるだけだよ?」
トオル:「・・・とにかく、ボクも夏休み初めの1週間は学校に居るからさ。頑張りなよ」
美智:「・・ふむ。・・仕方ないなー!1人で寂しくお仕事してるトオル君に!私がお昼から図書室に遊びに行ってあげよう!」
トオル:「はいはい。待ってるよ」
美智:「もっと敬え!感謝しろ!」
トオル:「ボクの台詞なんだけどな」
 
美智N:それから、補習の1週間が始まった。午前はみっちり補習。午後からはトオルが待ってる図書室に遊びに行った。
 
 
美智N:1日目。
 
美智:「っよーーっし!!課題終わった!」
 
0:身支度を済ませ、急いで図書室に向かう。
0:勢いよく扉を開ける美智。
 
美智:「よっ!お待たせ!」
トオル:「静かに。ここ、図書室だよ。」
美智:「いーじゃん!どーせ、私とトオルしか居ないでしょ?」
トオル:「だからって・・・まあ、いいか。」
美智:「えへへー、やったあ!」
トオル:「楽しそうでなによりだよ。補習は?終わったの?」
美智:「私、優秀だから」
トオル:「補習の引っかかった人は、優秀って言わないんだけどな」
美智:「ん?なんか言った?」
トオル:「いや?」
美智:「せっかく私が来てあげたんだからもっと喜べよ!・・・ん?てか、なにやってんの?」
トオル:「本の仕分け。新しい本が追加されるからジャンル別に分けてるんだよ。」
美智:「仕分けって・・・、これ、全部!?」
トオル:「そうだけど」
美智:「はぁ!?ダンボール山積みじゃん!引越し業者並みの量じゃん!それ、1人でやるの!?」
トオル:「うん」
美智:「1週間で!?」
トオル:「うん」
美智:「バカなの!?」
トオル:「うん?」
美智:「馬鹿だよね!?」
トオル:「金沢さんより頭はいいよ」
美智:「そうゆうこと言ってない。・・・はぁぁぁ、(深いため息)・・・私も手伝う」
トオル:「え?」
美智:「私も手伝うって言ったの!」
トオル:「いいの?せっかくの夏休みなのに・・・」
美智:「だーかーらー!早く終わらせて、私の夏休みライフ付き合ってよね!!」
トオル:「・・・ふっ、分かった」
美智:「今笑ったよね?」
トオル:「いや?」
美智:「いや。ぜっっっったい笑った!」
トオル:「・・・やっぱり、金沢さんはいい人だね」
美智:「なんでそーなるのよ。・・てか、いつまで『金沢さん』呼びしてるの?」
トオル:「・・・え」
美智:「『美智』でいい・・・」
トオル:「・・・み、ち・・」
美智:「・・・なによ」
トオル:「・・美智、ありがとう」
美智:「なによ、気持ち悪いな」
トオル:「酷いな」
美智:「本当のこと言っただけよ?だって、トオル、顔に出無いから、何考えてるか分かんないんだもん。笑ったところとか初めて見たし。」
トオル:「そう、かな?・・・そんなに分からない?」
美智:「うん」
トオル:「そっか・・・」
美智:「え、ごめん、なんか・・・傷付けた・・?」
トオル:「いや、参考になった」
美智:「・・は、はぁ?・・・やっぱアンタ変な奴だわ・・」
 
 
美智N:2日目。
 
0:黙々と本の仕分け作業を進める美智とトオル。
 
トオル:「美智、この本の仕分け間違えてる」
美智:「え、嘘」
トオル:「本当。・・・ちゃんと一覧表見ながらやってる?」
美智:「・・・文字の羅列見ると眠くなるよねー・・・」
トオル:「・・・(呆れる)」
美智:「ごめんって!ね?」
トオル:「だから無理に手伝わなくてもいいって・・・」
美智:「何ー?人がせっかく親切に・・・!」
トオル:「貴重な夏休みをこんなことで無駄にしていいの?」
美智:「ふふっ、よーし!分かった!そこまで言うなら、行くよ!」
 
0:美智は2人分の荷物を持って、トオルの腕を引っ張る。
 
トオル:「え、ちょっと、まだ仕事が…!」
美智:「いいから!ほら!」
 
美智N:私はやるべき仕事なんてそっちのけで、トオルを連れ出した。
 
0:トオルは荷物を取られたまま、美智に着いて行く。
 
0:2人は電車に揺られている。
 
トオル:「・・・どこ行くの?」
美智:「んー?ふふ、いいところ!」
トオル:「いい・・・ところ・・・?」
 
 
0:電車に揺られていると、あたりは気が付けば夕日に染まっていた。
0:美智は後ろを振り向いて、外を眺める。
0:トオルは美智の横顔を見つめる。
 
トオル:「・・・綺麗だね」
美智:「でしょ!すっごい綺麗な夕日!」
 
美智N:気づかなかった。私を見てたこと。トオルが少しずつ『壊れてる』ことを・・・。
 
 
0:電車から降りる。
 
美智:「んー!着いたー!(伸びをする)」
トオル:「ここどこ?」
美智:「いーから!いーから!着いて来て!」
 
0:トオルは言われるがままに美智に着いて行く。
 
 
0:綺麗な夕日を引き立たせるような、波が立っている。
 
トオル:「海・・・」
美智:「そ!青春っぽいでしょ?」
トオル:「夕日に向かって走るとか・・言わないよね?」
美智:「え?走りたいの?」
トオル:「いや、遠慮しとく」
美智:「えー、ざーんねん」
 
0:美智は靴を脱いで、波を追いかけた。
0:トオルはそれを見守るように、その場に座る。
 
トオル:「・・・やっぱり綺麗だな(小声)」
美智:「(少し離れたところから大きな声で話すように)トオルもおいでよー!冷たくて気持ちいいよー!」
トオル:「ボクは遠慮しておくよ」
美智:「(海から脚を濡らして戻ってくる)・・・どしたの?海、嫌い?」
トオル:「・・ちょっと考え事してた」
美智:「・・考え事?(トオルの隣に座る)」
トオル:「うん」
美智:「なに?私が聞いてあげよう!」
トオル:「いや、綺麗だなって思って」
美智:「なにが?・・あぁ!夕日か!さっきも言ってたよね。景色とか好きだっけ?」
トオル:「夕日じゃなくて、美智が」
美智:「なーんだ、私かー」
トオル:「うん」
美智:「そっかー・・・」
トオル:「そう」
美智:「・・・はぁ!?(赤面する)ばっ、か!な、何言ってんの!?」
トオル:「綺麗だなって思ったんだ。『綺麗』の使い方間違ってる?」
美智:「間違ってる!もっと可愛い子とかに使うでしょ!?」
トオル:「美智は可愛いよ」
美智:「な、何言ってんの!!」
トオル:「だから・・・」
美智:「(遮るように)うるさいっ!それ以上喋るな!口を開くな!!」
トオル:「怒ってる?」
美智:「お、怒ってないけど・・・!怒ってる!」
トオル:「意味が分からないんだけど」
美智:「分かれ!バカ!」
トオル:「・・・」
美智:「ほ、ほら!帰るよ!!!」
トオル:「もう?さっき来たのに・・・」
美智:「お腹空いたの!」
トオル:「・・・」
 
0:自分の荷物を持って駅に急ぐ美智。
 
トオル:「・・・やっぱり、綺麗だよ(小声で)」
 
美智N:思ってもみなかった言葉をトオルから言われて、鼓動が高鳴っていた。私は戸惑いを隠すのに必死で、トオルの顔なんて見れなかった。
なんの恥ずかしげもなく、真正面から言われた『綺麗』は私には似合わないものだから。でも、言われて嬉しいって思ってしまった。
 
0:海から戻って駅に降り立つ。
0:無言で向き合う2人。
 
美智:「そ、それじゃ、私帰るね」
トオル:「気を付けて」
美智:「う、うん」
 
0:お互いに別れを告げ、美智はトオルに背を向けて帰っていく。
 
 
0:トオルの携帯電話が鳴る。
 
トオル:「はい。もしもし。・・・今から帰ります。・・・はい。はい。分かりました。
トオル:・・・あの、1つお聞きしてもいいですか?・・他人に対して『綺麗』と思うのは、おかしなことでしょうか?・・・いえ、やっぱりなんでもありません。・・・はい。では。」
 
 
美智N:3日目。
 
0:黙々と本の整理をする2人。
0:今日も図書室は2人きり。
 
トオル:「・・・」
美智:「・・・」
トオル:「・・・」
美智:「・・・ねぇ、」
トオル:「なに?」
美智:「なんか喋ってよ」
トオル:「何かって・・・」
美智:「なんでもいいから」
トオル:「・・これ、仕分け間違ってる」
美智:「・・・は?」
トオル:「喋ってって言うから」
美智:「・・・うざぁ・・・」
トオル:「ははっ」
 
美智N:海に行って以来、トオルの表情は初めの頃とは比べ物にならないほど、豊かになっていた。
距離が縮まったからなのか、私に心を開いてくれたからなのか、笑顔をよく見るようになった。けれど何故か、私の心臓はトオルと一緒に居れば居るほど、うるさくて仕方なかった。
 
美智:「・・・」
トオル:「・・?どうかした?」
美智:「最近、よく笑うようになったよね」
トオル:「そう、かな?」
美智:「うん」
トオル:「きっと、美智と居るのが楽しいから」
美智:「楽しんでたんだ」
トオル:「美智は違うの?」
美智:「え、ち、違くないけど・・・」
トオル:「・・・美智?顔、赤いよ?大丈夫?」
美智:「へっ!?」
トオル:「熱でもあるんじゃ・・」
美智:「だだだだ、だ、大丈夫っ!!大丈夫だから!」
トオル:「でも、」
美智:「大丈夫だから!!」
 
美智N:この時の私は自分のことでいっぱいいっぱいで、トオルのことなんか全然見れてなかった。なんにも気付いてなかった。私が、トオルを意識する度に、トオルは・・・壊れてく・・・。
 
0:図書室には相変わらず2人きり。作業をしていた手は行き場を失っている。
 
美智:「・・・」
トオル:「・・少し、休憩にしようか」
美智:「う、うん・・・、あ!私、お菓子持ってきてるんだ!美味しいからトオルにも食べて欲しくって!」
トオル:「お菓子・・?」
美智:「じゃーん!これ!」
トオル:「『パチパチッ!口の中ではじけるキャンディー』?」
美智:「これすっごいの!すごい、パチパチーってなるの!眠気も吹き飛ぶよ!」
トオル:「まさか、授業中に・・」
美智:「食べてない」
トオル:「・・本当に?」
美智:「食べてません」
トオル:「・・・まあ、いっか・・・1個貰うよ?」
美智:「どーぞどーぞ!」
トオル:「・・・んん!?なんか、パチパチしてきた!」
美智:「でしょ!?これすごいでしょ!最近のお気に入りなんだー!」
トオル:「美味しいね」
美智:「気に入ってもらえてなにより」
トオル:「美智が好きなものは好きだよ」
美智:「・・・な、なにー?そんなに私のこと好きだっけ?」
トオル:「好きだよ」
美智:「なっ、なんでそんな直球なのよ!」
トオル:「え、『素直な気持ちは相手に伝えろ』って言われたから・・」
美智:「誰よ!そんなバカ正直に教えた奴は・・!!」
トオル:「・・マスター」
美智:「マ・・スター・・?」
トオル:「親みたいなものだよ」
美智:「へ、へぇ、なんか複雑そう」
トオル:「どうだろ。ボクにとってはこれが当たり前だから」
美智:「そっか」
トオル:「・・で?ボクの好きは受け取ってくれるの?」
美智:「なんで話戻るのよ!」
トオル:「気になるから・・」
美智:「あ、あのねぇ!好きって友達としての好きでしょ!?それ!触れたいとか!き、キス(小声)したいとかの好きじゃないでしょ!?」
トオル:「え、」
美智:「な、なによ」
トオル:「キスしていいの?」
美智:「はぁぁ!!?だ、ダメに決まってんじゃん!」
トオル:「触りたいって思うし、これって友達としての好きなの?他にどんな好きがあるの?教えて」
美智:「なんで、こいつこんなにバカなの・・・」
トオル:「美智には言われたくない」
美智:「・・・じゃあ、目瞑って・・」
トオル:「え?」
美智:「いいから!ほら!!」
トオル:「・・・」
美智:「絶対、目開けるなよ」
トオル:「分かった」
美智:「開けたら殴る」
トオル:「はいはい」
 
0:2人の唇が触れる。
 
美智:「・・・」
トオル:「・・・」
美智:「・・・もう、目開けていいよ・・・、・・トオル?・・・ト、オル?・・・え、なんで動かないの・・、どう、なってんの・・意味、わかんない・・」
トオル:「エラー発生」
美智:「・・え」
トオル:「エラーが発生致しました。至急、マスターに連絡致します。」
美智:「なに・・、どゆこと・・?」
 
美智N:わけの分からない状況に頭が追いつかないまま、マスターとやらに連絡が繋がり、私はその人と話した。今、トオルがどうなっているのか、何がどうしてそうなったのか、事細かく聞かれた。
マスターいわく、トオルに新しい感情が芽生え、現状のシステムでは対応しきれなくなった為、強制シャットダウンしたらしい。再起動させる為には、右胸部の部品を外して、中にある緑の線を切れと言われた。
 
美智:「なに・・、わけの分からない事を・・」
 
美智N:私は恐る恐る、トオルの服を脱がせた・・・。服の下はまるで、人間とはかけ離れた温かみの欠けらも無い硬い鉄の皮膚を纏っていた。服に隠れていない部分は人の皮膚なのに・・・。頭が真っ白になりながら私は緑の線を切った。
 
トオル:「K001(ケーゼロゼロイチ)起動。・・・初めまして。ボクはサトミヤ トオル。よろしくお願いします。」
美智:「・・っ!・・はじめ・・まして・・っ・・」
 
美智N:トオルは確かに私に言った。『初めまして』と。
数時間して、マスターとうい人物がトオルを引き取って行った。どうゆうことなのか、話を聞くと、トオル・・K001(ケーゼロゼロイチ)は最新型アンドロイドで、後に訪れる人間とアンドロイドが共存する世界を実現させるための、試作モデルだったそうだ。
 
 
美智N:数週間後。
 
美智N:トオルは親の都合で転校した。ということになった。一般人を巻き込んだ実験は法律的に認められておらず、口止め料として、私に30年は何もしなくても遊んで暮らせるお金が振り込まれた。
私はトオルが残した図書室の仕事を1人で終わらせた。2人でやっても全然進まなかったのに、1人だと何故か、すぐ終わってしまった。
トオルはというと、『感情を持った初めてのアンドロイド』ということもあって、あの後、解体され、感情データだけ取り除かれ、あの日から数年経った、今は・・・。
 
 
0:ベッドに横になっているアンドロイド。
0:そこに白衣を着た女性がやってくる。
 
美智:「・・・トオル、久しぶり。元気してた?」
トオル:「・・・」
美智:「・・・トオル変わんないね。私はちょっと老けたけど。まだまだ若いよ」
トオル:「・・・」
美智:「まだ、あの日の続きは、出来ないみたい。・・もう少し待ってね。
美智:それじゃ、・・・先生が待ってるから、もう、行くね・・・。・・またね」


0:終わり
 
 
 
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