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第1章 迷宮創生編

第43話 説教再び

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「まったくあなたたちは・・・」

 俺とレアイナ・ミレイナ姉妹は、ラッセリア先生とシルエラに説教を受けている。
 昼前から夜まで、少なくとも7時間以上セックスに明け暮れていたためである。

「いくら若いからと言っても、やり過ぎです!」
「ごめんなさい・・・」
 3人そろって正座をさせられて、説教され・・もう謝る事しかできない。下手な言い訳は良くない。

 ラッセリア先生のお叱りはごもっともであり、いくらなんでも昼間っからはまずかった・・・これが夜だったらいいのかと問われれば、そうでもないのだが昼よりはましだ。
 まあその前に、だいたいがイキ疲れて寝てしまうなど意識を飛ばしてしまい長くは続かないのだ。

 それよりも・・・恐ろしいのが・・・さっきから一言も言葉を発していないシルエラだ・・・・なんともおそろしい雰囲気・・・普段の優しくおっとりとした雰囲気は微塵も感じられない・・・とてもじゃないが恐ろしくて顔を見ることができない。
 姉妹なんか蛇に睨まれた蛙みたいに怯えちゃってるし、俺はともかく姉妹だけでも許してあげて欲しい。
 悪いのは俺なんだし・・・でもそのことを口にするのも怖い・・・お願いだからシルエラ様・・・ホントに許して・・・。

「羨ましいな~」
「あなたは黙ってなさい!」
 ぼそっと呟いたアルデリアちゃんが、ラッセリア先生に怒られシュンとしている。
「しかも何ですか! この衣装は? 制服をこんなに短くして、これでは下着が丸見えじゃないですか!」

「ふ~ん、こういうエッチな衣装がヤマト様の好みなのね~、ふぅ~ん」
 セクシー衣装について指摘してくるラッセリア先生に、冷たい目つきのシルエラ様の凄みのあるお言葉・・・・。
 Σ(||°Д°)ヒイイィィ  怖いよう・・・シルエラ様の背後におどろおどろしい般若の姿が見える・・・・ひいぃぃ。
 

「私も欲しいな~」
「ひっ! なんでもないですぅ!」
 ぼそっと呟くアルデリアちゃんだが、ラッセリア先生に睨まれて怯えてしまった。

「あの・・よろしければ・・」
「なんだ?ミレイナ」
「大人用の・・その・・エッチな衣装も有るのですが、先生に・・あげましょうか?」
「ほんとか! あっ・・いや、なんだ・・その・・なんでそんなモノあるのだ? お前たち用じゃないんだろ?」
「あっ、はい・・・ヤマト様の好みに合わせた夜のメイド用として複数ありますので・・・」
「ふぅ~ん、メイド用ね~、ふぅ~ん」
 シルエラ様の冷たい目が、冷酷な氷の目つきになって・・・俺はつい顔を反らしてしまう・・・

「メイドのエッチな衣装か・・まあ、その話は後で」
「没収しましょう!」
「「えっ!?」」
 ラッセリア先生が話している途中で、シルエラが割り込んできて皆で驚いてしまう。

「没収です!」
「え~っ! そんなぁ~」
「ヤマト様は黙っていてください!」
「ハイ、すいませんでした」
 もはや蛇に睨まれた蛙どころではない。

「シルエラさん、衣装だが・・」
「安心してください。なにも先生の衣装まで取り上げようとは言いません! あくまでもメイド用だけです」
「そうか・・あっ、いや・・なんだ・・」
「くすっ、先生たら・・衣装が欲しいのですね」
「ちっ、違う、違うぞ!・・ああっ・・おいっ! アルデリアお前まで笑うな! そういえばなぜお前がここにいる?」

「はっ! そうでした! 夕食は、先日のラーメンのスープが出来たので、皆で試食を兼ねて食べ比べをして貰おうと思って、ヤマト様の意見を聞きに来たのでした」
「ラーメンできたの?」
「ハイっ! 言われた通りに、豚骨と鶏ガラのスープに複数の麺をご用意してあります」
「よし! 直ぐに行こう!」
「ヤマト様! お待ちください! その淫臭のついた身体で、食堂に行かれては困ります。まずは身を綺麗にしてからにしてください!」
 ラーメンの試食の話に飛びついた俺に、シルエラがSTOPを掛けた。自分の姿を見て・・・確かに、これはよろしくないな。

「ほら、お前たちもだ! 但し、お前たちはこの部屋の浴室じゃなく、大浴場へ行け! 3人一緒に入ったら、またおっぱじめるだろ!」
「うっ・・」
「そう言う訳だ、早くこのローブを着て、風呂に入ってこい! だが、これで説教が終わった訳ではないからな!」
「わかりました・・失礼します」
 ドワーフ姉妹は最初に来ていたローブを着て、そそくさと逃げるように退室していく。

 ラーメンが楽しみなので、さっとシャワー浴びて食堂に行こう。
「ヤマト様、なんですか? そのカラスの行水は? しっかりとお風呂に入って綺麗にしてください」
「シルエラ・・さん、ついラーメンが楽しみで・・ごめんなさい・・お風呂入り直します」

 くっ! 急いでいたのがバレてしまった。
 まさか見張られていたとは、仕方がないので一人寂しく風呂に入り、身体を綺麗にした後に、シルエラに連行されて食堂に降りていく。

 俺の腕に手を通し、もう片方の手もキュッと絡ませていつも以上にべったりくっついてくる・・・腕におっぱいの柔らかい感触が伝わってくるが、これは喜んで良いのだろうか?
 シルエラは連行しますと不機嫌そうに言っていたが、その内心は嫉妬心で自分もイチャ付きたかったんではなかろうか? 
 腕を絡ませる相手は自分のもの、他の女性よりも自分を構って欲しいとアピールしているかのようだ。
 
 ハーレムは許容してもやはり、ヤキモチはするし自分も甘えたいのだろう。だとするとこのまま甘えてもらって怒りを鎮めるのが得策だろう・・・俺もニコニコ顔の可愛いシルエラの笑顔が見たいからね。
 ヤキモチをやくシルエラは可愛いと思うし、抱きしめたいと思う・・・てか抱きしめちゃおう。
 抱きしめられたシルエラ「馬鹿・・・そんなんじゃ許してあげないんだから」なんて言ってるがツンデレのシルエラもまたまた可愛い。


「ごめんなさい」
 食堂に入るなり皆に謝罪する。ここに居ない人もいるが、まずは謝罪だ。
「おう、セックスの耐久記録でもすげえな!」
「獣よりケダモノですねぇ。さすがヤマト様です♡」
「これは今夜は期待できるな♡ ちなみに今夜はアタイらだからな」
 リュネールさんとステラさんは、いつも通りの肉食系で今晩はこの二人が相手らしい。

「ヤマト様は分かるけど、姉妹の体力と性欲も凄いね、何回したのかしら? 私じゃあ、耐えられないわ・・・」
「ですよね~、気持ち良すぎて数回が限界よ、悶え死んじゃうわよ」
 ロザリーとミスティも相変わらずだ。

「え~と、何回やったかは覚えていませんけど、たぶん一人20回以上はしてると思いますよ♡」
「あなたたちねぇ・・・はぁ・・もう良いわ・・・私が馬鹿みたいじゃないの」
 遂に、ラッセリア先生まで諦めたみたいである。
「ラッセリアも今度いっぱいしてあげるから、衣装楽しみにしてるよ」
「なっ・・・あ、うん♡」
 赤面するラッセリアの頭を撫でて、今がチャンスとばかりに調理場へと逃げるように移動する。

「あっ、ヤマト様! 待ってましたよ」
 調理場では、アルデリアちゃんとシルエラが待っていた。シルエラとは一緒に食堂に来たはずなのだが、もう調理場に来ているとはさすがだ。

「ヤマト様の言われた通りに、3種類の出汁をご用意しました。確認してみてください」
 3本の寸胴鍋には、それぞれ 豚骨と野菜、豚骨に野菜+鰹節、鶏ガラと野菜+鰹節 を炊いてあり、アルデリアちゃんが出してくれた小皿で少量ずつ味見をしていく。

 うん、鶏と豚どちらも、煮込んだ時の臭みを消すために入れた玉ねぎと長ネギ、昆布が良い感じに仕上がっている。鰹節の一番出汁も良い風味を醸し出している。
「出汁は良い感じじゃないかな、かえしの準備はどうだい?」
「醤油かえしは味醂と少々の砂糖、豚骨用は醤油と椎茸・昆布・味醂とお酒・砂糖を煮詰めて濾した物を用意しました」
「麺も強力粉と重曹で、太さの違う2種類の麺と、それを手揉みしたちぢれ麺、小麦粉の配合を変えた太麺の5種類を用意しました」

「ありがとう、大変だったろう?」
「ええ、ホントに一つの料理に、どんだけの調味料を使うのですか! それを複数なんて、もうっ! そろえるの大変でしたよ」
「苦労した分、美味しい料理になるんだから、ありがとねアルデリアちゃん」
 苦労をねぎらうようにアルデリアちゃんの頭をなでなでする。
「うふふっ♡ 撫でられちゃった♡」
 喜んでいるアルデリアちゃんのケモ耳が、ぴょこぴょこと動いて可愛いな。

「じゃあ、まずは鶏ガラのダシを鍋で温めてくれるかい。それと麺はそうだな、ちぢれた麺を一玉茹でてくれるかい?」
「茹で時間はどれくらい?」
「この太さなら、1分くらいかな」
「わかったわ」
 アルデリアちゃんに麺を茹でてもらっている間に、かえしの準備だ。
 丼ぶりに特性醤油かえしと胡椒を入れてと・・・量はこんなもんかな? 
 入れすぎると濃くなるし、取り敢えずはこの量で試してみよう。

「沸騰したよ」
「じゃあ、その沸騰した出汁をこの丼ぶりに、レードル一杯入れてくれるかい」
「は~い」
 丼ぶりに出汁が入り、これでスープはOK!
「次はと、この茹で上がった麺を湯切りしてと」
 お湯が入った寸胴に、麺の入ったが入れてある。あらかじめ用意されていたタイマーが鳴り、茹で上がった麺を事あげ、そのまま振って、しっかり湯切りをしてスープに投入する。
「丼ぶりに入った麺を軽くほぐして具材を乗せれば完成だけど、まずは素のラーメンを試食してみよう」

「まってました」
 シルエラが箸を使って、取り皿に麺とスープを取り分けて差し出してくれる。いざ実食!
 まずはスープを一口。んっ? 不味くは無いが味がイマイチ・・・
「う~ん」
「美味しいけど、ヤマト様の料理にしては、そこまでインパクトはありませんね」
「だよね~、なにがいけないのだろうか?」
 うむむ、やはり調味料かな~。この世界に、うまみ調味料なんてないし、グルタミン酸その代用品が必要だな・・・

「アルデリアちゃん、調味料でグルタミン酸って言ってもわかんないよね、なにかないかな?」
「ぐるたみんさん? 誰さんです? それ」
 う~む、なにその○○さん? みたいなの、人物じゃないんだけど、まあいいか。
「調味料か、追加でなにか美味しくなるような、良いアイデアない?」

「鰹節とかどうですか?」
 そう言って自分の取り皿に、鰹節を入れるアルデリアちゃん。
 日本でも魚粉ってあるし、悪くはないかも?
「あっ! ちょっと美味しくなりましたが、そこまでは」
 となるとどうしよう?

「鰹節と言えば、出汁をお取りになったのでしょう? さらに別に入れてみてはいかがでしょう?」
「どうだろうか? 昆布と鰹節の出汁か・・そう言えば日本でも追加に、出汁や香味油を入れていたような気がするな、その線でいってみよう! ありがとうシルエラ」
「その出汁なら美味しかったので、お味噌汁に使おうと思って別に作ってありますので、すぐに用意できますよ」
「さすがアルデリアちゃん、素晴らしい!」
「もっと褒めて! ほめて♡」

 もう一杯、新たに丼ぶりを用意して、今度はスープ・麺の他に追加の出汁を入れてみた。
「さあ今度はどうだ!」
 風味、旨味が増して良い感じ!
「あっ! これ、美味しいです」
「うん、今度は美味しいね、取り敢えず醤油ラーメンのベースは、こんなもんかな?」

「次は、豚骨だね。アルデリアちゃん同じように、今度は普通の麺でお願い」
「豚骨って、2種類ありますけど、どっちです?」
「出汁の入った方をお願い!」
「わかりました」
 丼ぶりに豚骨用のかえしを入れて、スープ、麺の茹で上がりを待つ。
「スープいれますね、次は麺の湯切り、あっ!」

 俺は見てしまった! アルデリアちゃんが湯切りするの中の麺がスポン! と勢い良く飛び出すのを・・・。
「ごめんなさ~い! すぐに作り直します!」
「ぷっ! アルデリアちゃん、よくあるミスだよ! 気にしないで・・・くっくくっ」
 慌てるリスちゃんも可愛い、可愛くてつい笑ってしまう。
「うぅ~今度こそ・・」

 麺も落とさず、最初から追加出汁を入れた素の豚骨ラーメンの味はどうかな?
「まあ、こんなもんかな?」
「ですね。具材も入れれば、もっと美味しくなるでしょうし」

「具材はどうするのです?」
「醤油タレで煮込んだ豚バラ肉と、シンプルにネギ、煮卵かな。豚骨には胡麻も入れると美味しいかも」
「具材も色々入るのですね! 楽しみです」
 シルエラに具材の説明をしてから、準備に取り掛かる。叉焼もアルデリアちゃんに事前に準備してもらっていたので、後はスライスするのみ。
「シルエラは長ネギを細く切って、水に晒して辛味を取ってくれるかな」
「細く切ればいいのね。わかったわ」

 アルデリアちゃんに、スープと麺の準備をしてもらっている間に、叉焼のスライスと味見だ。
 ちょっと厚めに切った叉焼の切れ端を味見、うわぁぁ、うまぁ~い! 叉焼丼でもいけるな♪
「あっ! ヤマト様ずる~い!」
「ほら、アルデリアちゃんの作った叉焼だよ! ハイっ! あ~ん」
 切れ端をシルエラの口に持っていくと、美味しそうに食べてくれる。
「そんな羨ましそうな顔しないで。アルデリアちゃんにもあげるから」
「あ~ん♡」
 待ってましたと言わんばかりに、口を開けて待つリス娘。 ヤバい! 異世界ケモ耳娘のあざと可愛いは半端ない!

 いつまでもイチャついているとまた怒られそうだ。食堂でお腹を空かせて待っているエロい雛鳥たちが怒り出す前に作ってしまおう。
 この領主館にいる人数は、俺・シルエラ・お爺ちゃん・ミスティ・おっぱい冒険者3人・先生と生徒3人・クルミちゃん親子・メイド二人の15人だ。色々試すから各ラーメンを5杯ずつ作っていこう。
 鶏ガラベースの醤油ラーメンの普通麺・ちちれ麺
 豚骨ベースの醤油ラーメンの普通麺・ちちれ麺
 豚骨ベースの豚骨ラーメンの普通麺・ちちれ麺
 豚骨+鰹節ベースの醤油ラーメンの普通麺・ちちれ麺
 豚骨+鰹節ベースの豚骨ラーメンの普通麺・ちちれ麺
 計50杯か・・・多いな30杯に減らして、美味しかったのを追加で作るようにしよう。

 ここからはスピード勝負だ!
「各ラーメン3杯ずつ、最初は鶏ガラベースの醤油ラーメン、麺の違う2パターン、麺が伸びちゃうと美味しくなくなるから手分けして作ろうか。俺が麺、アルデリアちゃんスープお願い、シルエラは具材を乗せてくれるかな」
「「わかったわ」」

 丼ぶり6個に、各種かえしを入れ、さあ、麺を茹でるぞ!
 茹で上がった麺を落とさないように湯切りして、スープの中に投入して菜箸で軽くほぐしてから、叉焼・ネギ・煮卵で完成だ!

「わあ~美味しそう!」
 よし、伸びる前に空間収納にしまって、次は豚骨だ!



「おまたせ~! ラーメンできたよ」
 皆の待つテーブル席に行くと、ドワーフ姉妹を中心にエロトークで花を咲かせる肉食女子たち。

「あっ! 噂の絶倫ヤマト様だ!」
 食堂に女性たちの黄色い声援が響き渡る。
「君たち、あのね・・・大人しいと思ったら、夕食前に何つう話してるんだよ」
「何って、セックスの話だよ」

 恥ずかしげもなく、ぶっちゃけるリュネールさん。すみません聞いた俺が馬鹿でした。
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