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第2章 魔術学園編
10話 特別試験
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────ローレン魔術学園に入学してから二ヶ月が経ち。
クラス内でのグループ分けや、友人関係なども固まり、徐々にクラス内でのヒエラルキーもおぼろげに視えてきた頃。
突如、生徒たちが絶句するイベント事が舞いこんだ。いや、皆も予期していたことだ。──この特殊な学園では平々凡々とはいかないと。
これまでの二ヶ月間は平穏そのものであった。
魔法学や薬草学、魔道具の座学に体術や魔法の実技授業など、概ね文字通り学ぶ校舎に相応しかった。
C組生徒からの横暴や嫌がらせは頻発していたが、学園を強制的に去らなければいけなくなる事案など一つもなく、このまま学園生活をのほほんと過ごせればなどと思っていたのだが……。
教壇に立つD組担任のサーシャは、早朝のホームルーム時間に口火をきった。
「来週、特別試験を実施する。今から試験の概要を説明する」
例の如く冷たい表情の担任。黒板へ箇条書きに記していく。
先程まで騒いでいた生徒たちも、その姿を黙ったままに見据えている。
「ようやくね」
隣の席に座るマリアがポツリと呟いた。
赤髪の美少女は俺に対して話しかけた訳じゃない。ひとり言の類いなのだろうが、俺はどうにも反応してしまう。
「何か待ちに待ってました、といった言いぶりだな?」
特別試験。推測するに、これこそが生徒たちを振るいにかける罠的要素だろう。決して喜ぶべき学園イベントなどではない。特に最底辺のD組の生徒たちにとっては言うまでもないが……。
「そうね。これで煩わしいあなたの顔も見なくてすむかもと思ったら、悪くないわね」
こちらに視線を移そうともせず、教壇を見つめたままに答えた。
「珍しいこともあるもんだな? お前と会話が成立するなんて」
「……」
今度は俺の言葉を透かした。
マリアはD組内で孤立している。いや、正しくは自ら孤立している、が正しい。
彼女はルックスや容姿の良さに加えて、魔法スキル、戦闘スキルともに優秀だ。人気者になれる要素満載なのだが、いかんせん最大の欠点がある。
そう、──圧倒的に愛嬌たるものが不足しているのだ。
当初はツンデレぐらいの印象であったが、コイツの場合はデレ要素など皆無。誰とも打ち解けず、話し相手は……俺ぐらいだ。
無論、クラスメイトたちと馴れ合うつもりがないのだから、本人にとってはどうでもよい事なのだろうが。
会話が成立しない以上、俺も教壇へと視線を移し替える。
「これが前期の特別試験の概要だ。質問があれば受け付ける」
ちょうど黒板へ試験内容を書き終えたサーシャは、教室内の生徒たちを見渡した。
直ぐに質問をする者はいない。皆一斉に試験内容のメモをとる。
俺もサーシャが黒板を消す前に、試験内容を一通りに目を通す。
「笑えるわね」
目の端に入ったマリアは呆れた様子で一言をついた。
「お前はメモしなくても大丈夫なのか?」
ピクリとも動こうとしない隣人に問いかける。
「必要ないわ。これぐらいの内容をメモしているような生徒じゃ、どのみちこの学園を去る事になるわね」
「そうか? 慎重に用心を重ねるべきだと思うが?」
「……そう言うあなたは用心を重ねないのね」
「俺の場合はあれだ、横着というやつだ」
「……相変わらずね」
マリアため息を吐く事で、俺との会話を打ち切った。
それにしてもこの試験内容────これまでの二ヵ月間。クラス内でのコミュニケーション能力が、大きく問われる内容だ。
完全孤立な隣人は、どうやって切り抜けるつもりなのだろうか?
クラス内でのグループ分けや、友人関係なども固まり、徐々にクラス内でのヒエラルキーもおぼろげに視えてきた頃。
突如、生徒たちが絶句するイベント事が舞いこんだ。いや、皆も予期していたことだ。──この特殊な学園では平々凡々とはいかないと。
これまでの二ヶ月間は平穏そのものであった。
魔法学や薬草学、魔道具の座学に体術や魔法の実技授業など、概ね文字通り学ぶ校舎に相応しかった。
C組生徒からの横暴や嫌がらせは頻発していたが、学園を強制的に去らなければいけなくなる事案など一つもなく、このまま学園生活をのほほんと過ごせればなどと思っていたのだが……。
教壇に立つD組担任のサーシャは、早朝のホームルーム時間に口火をきった。
「来週、特別試験を実施する。今から試験の概要を説明する」
例の如く冷たい表情の担任。黒板へ箇条書きに記していく。
先程まで騒いでいた生徒たちも、その姿を黙ったままに見据えている。
「ようやくね」
隣の席に座るマリアがポツリと呟いた。
赤髪の美少女は俺に対して話しかけた訳じゃない。ひとり言の類いなのだろうが、俺はどうにも反応してしまう。
「何か待ちに待ってました、といった言いぶりだな?」
特別試験。推測するに、これこそが生徒たちを振るいにかける罠的要素だろう。決して喜ぶべき学園イベントなどではない。特に最底辺のD組の生徒たちにとっては言うまでもないが……。
「そうね。これで煩わしいあなたの顔も見なくてすむかもと思ったら、悪くないわね」
こちらに視線を移そうともせず、教壇を見つめたままに答えた。
「珍しいこともあるもんだな? お前と会話が成立するなんて」
「……」
今度は俺の言葉を透かした。
マリアはD組内で孤立している。いや、正しくは自ら孤立している、が正しい。
彼女はルックスや容姿の良さに加えて、魔法スキル、戦闘スキルともに優秀だ。人気者になれる要素満載なのだが、いかんせん最大の欠点がある。
そう、──圧倒的に愛嬌たるものが不足しているのだ。
当初はツンデレぐらいの印象であったが、コイツの場合はデレ要素など皆無。誰とも打ち解けず、話し相手は……俺ぐらいだ。
無論、クラスメイトたちと馴れ合うつもりがないのだから、本人にとってはどうでもよい事なのだろうが。
会話が成立しない以上、俺も教壇へと視線を移し替える。
「これが前期の特別試験の概要だ。質問があれば受け付ける」
ちょうど黒板へ試験内容を書き終えたサーシャは、教室内の生徒たちを見渡した。
直ぐに質問をする者はいない。皆一斉に試験内容のメモをとる。
俺もサーシャが黒板を消す前に、試験内容を一通りに目を通す。
「笑えるわね」
目の端に入ったマリアは呆れた様子で一言をついた。
「お前はメモしなくても大丈夫なのか?」
ピクリとも動こうとしない隣人に問いかける。
「必要ないわ。これぐらいの内容をメモしているような生徒じゃ、どのみちこの学園を去る事になるわね」
「そうか? 慎重に用心を重ねるべきだと思うが?」
「……そう言うあなたは用心を重ねないのね」
「俺の場合はあれだ、横着というやつだ」
「……相変わらずね」
マリアため息を吐く事で、俺との会話を打ち切った。
それにしてもこの試験内容────これまでの二ヵ月間。クラス内でのコミュニケーション能力が、大きく問われる内容だ。
完全孤立な隣人は、どうやって切り抜けるつもりなのだろうか?
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