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第二章
356
地獄だって!?
冗談じゃない。僕はそんなところへ行きたくなんてない。
と、突然魔法陣が激しく輝きだした。
僕はあまりの眩しさに両掌を目の前に翳す。
だが強烈な光は、指の隙間から痛いほどに射し込んできていた。
僕はそれから逃れるため、固く瞼を瞑る。
さらに掌ではなく、腕を顔に張り付けるようにして光を防いだ。
これでなんとか光は防げたものの、当然ながら視界はゼロだ。
何も見えやしない。
どうなっている?何が起こっているんだ?
だけど、光はいまだ強烈に放たれているかもしれず、腕を外すことは出来ない。
すると突然、優しい声音が僕の耳をくすぐった。
「大丈夫。もう大丈夫だ」
エニグマの声だ。
大丈夫と言っているけど……いや、エニグマが僕をたばかる必要はない。彼は僕より遥かに強いんだから。
僕はエニグマを信じて、ゆっくりと腕を外した。
確かに眩しくない。
僕はゆっくりと瞼を開いた。
するとそこには――
緑が映える一面の大草原が広がっていた。
僕は驚いた。
先ほどまでの風景とはだいぶ違う。
さっき僕は、丘の頂上にいたはずだ。
でもここには、起伏がほとんどない。
地平線の果てまで続く遥かな大草原がある。
上を見上げれば透き通るような青空が広がっており、太陽が燦燦と照り付けている。
これは一体――。
すると、いつの間にか僕の背後に回っていたエニグマが言う。
「そう。ここが地獄さ」
僕は驚き振り向く。
「地獄!?ここが?」
するとエニグマが軽く吹いた。
「もちろん僕たちはここを地獄だなんて言ってはいないよ。ただ、君たち人間は、僕らが住まう所を地獄というだろう?」
「ああ、まあ……そうか。じゃあここが君の言う異次元の世界ってことか」
「その通り」
「さっきの魔法陣はそのための儀式かなにか?」
「そう。次元の扉を開いた」
「次元の扉……それは、いつでも開けるの?」
エニグマがゆっくりと首を横に振った。
「いや、制限がある。それぞれの力量によってね」
「力量か。それはさっき言っていた階級に関係する?」
「そうだね。厳密に決まっているわけじゃないから一概には言えないけど、階級が上の者なら、開ける回数は多いね。下の者だとそうはいかない。というか、下の五階級の者たちだと次元の扉は開けないはずだ」
僕は納得した。
「なるほど、そういうことか。では、ほとんどの悪魔は次元を超えて人間に干渉したりは出来ないってことだね?」
エニグマは満足げにうなずいた。
「そういうこと。かなり高位の者でないと次元の扉は開けない。だから人間と接触している悪魔なんて、ほとんどいないのさ」
冗談じゃない。僕はそんなところへ行きたくなんてない。
と、突然魔法陣が激しく輝きだした。
僕はあまりの眩しさに両掌を目の前に翳す。
だが強烈な光は、指の隙間から痛いほどに射し込んできていた。
僕はそれから逃れるため、固く瞼を瞑る。
さらに掌ではなく、腕を顔に張り付けるようにして光を防いだ。
これでなんとか光は防げたものの、当然ながら視界はゼロだ。
何も見えやしない。
どうなっている?何が起こっているんだ?
だけど、光はいまだ強烈に放たれているかもしれず、腕を外すことは出来ない。
すると突然、優しい声音が僕の耳をくすぐった。
「大丈夫。もう大丈夫だ」
エニグマの声だ。
大丈夫と言っているけど……いや、エニグマが僕をたばかる必要はない。彼は僕より遥かに強いんだから。
僕はエニグマを信じて、ゆっくりと腕を外した。
確かに眩しくない。
僕はゆっくりと瞼を開いた。
するとそこには――
緑が映える一面の大草原が広がっていた。
僕は驚いた。
先ほどまでの風景とはだいぶ違う。
さっき僕は、丘の頂上にいたはずだ。
でもここには、起伏がほとんどない。
地平線の果てまで続く遥かな大草原がある。
上を見上げれば透き通るような青空が広がっており、太陽が燦燦と照り付けている。
これは一体――。
すると、いつの間にか僕の背後に回っていたエニグマが言う。
「そう。ここが地獄さ」
僕は驚き振り向く。
「地獄!?ここが?」
するとエニグマが軽く吹いた。
「もちろん僕たちはここを地獄だなんて言ってはいないよ。ただ、君たち人間は、僕らが住まう所を地獄というだろう?」
「ああ、まあ……そうか。じゃあここが君の言う異次元の世界ってことか」
「その通り」
「さっきの魔法陣はそのための儀式かなにか?」
「そう。次元の扉を開いた」
「次元の扉……それは、いつでも開けるの?」
エニグマがゆっくりと首を横に振った。
「いや、制限がある。それぞれの力量によってね」
「力量か。それはさっき言っていた階級に関係する?」
「そうだね。厳密に決まっているわけじゃないから一概には言えないけど、階級が上の者なら、開ける回数は多いね。下の者だとそうはいかない。というか、下の五階級の者たちだと次元の扉は開けないはずだ」
僕は納得した。
「なるほど、そういうことか。では、ほとんどの悪魔は次元を超えて人間に干渉したりは出来ないってことだね?」
エニグマは満足げにうなずいた。
「そういうこと。かなり高位の者でないと次元の扉は開けない。だから人間と接触している悪魔なんて、ほとんどいないのさ」
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