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第二章
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「認めない……か。強情だね」
エニグマが困ったという素振りをしながら言う。
ふざけている。終始この悪魔はふざけて僕をもてあそんでいる。
僕は唇を嚙みしめた。
「おや、悔しいのかい?ということは図星だったということじゃないか?君だって本当はわかっていたんだろう?」
僕はすぐさま反駁する。
「知らないって言っているだろう。僕はそんなこと考えたこともないし、これからも考えたりしない」
「へえ~、考えることさえしないんだ。思考放棄かい?大人げないねえ」
「僕はまだ子供だ。大人げなくて当然だ」
すると、エニグマがニンマリと口角を上げた。
「やっていることは大人顔負けだけどね。だって何百人も殺しているんだし」
また、めまいがぶり返す。
ダメだ。こんな奴に負けるなんて。
だけど心とは裏腹に、どんどん気分が悪くなっていく。
何かが喉の奥に込み上げてくる。
気持ち悪い。吐きそうだ。
僕はなんとか吐き気を押しとどめ、深呼吸をして立て直そうとする。
「結果的に……そうなったかもしれないけど……僕にはそんな気はなかった」
するとエニグマが大仰に驚いたふりをする。
「そんな気はなかっただって?だったらどうなんだい?人殺しも許されるのかい?君の住んでいた地球というところは、ずいぶん野蛮な惑星だったんだねえ」
エニグマの厭味ったらしい物言いに、怒りが込み上げてくる。
だがそれと同時に、また吐き気をもよおしてきた。
僕はごくりと生唾を飲み込み、それを押しとどめる。
「そんなんじゃない……僕はそんなことは言っていない」
「そんなんじゃないだって?君はさっきからそんなことばっかり言っているね。そんなに抽象的にじゃなく、もっと具体的に言ってくれるとありがたいんだけど?」
「具体的にって……どういう……」
するとエニグマが僕の問いかけを遮った。
「地球では人殺しはどうなる?」
僕は何度も大きく息を吸っては吐き出すを繰り返した。
そしてやっとの思いで答える。
「国によるさ……」
「国による。なるほど。それはそうだろうね。じゃあ改めて聞くけど、君の国では人殺しはどういう扱いを受けるんだ?」
ドクンッドクンッドクンッ。
心臓の鼓動がうるさい。
やめろ。
これ以上はやめてくれ。
その部屋の扉は開けるな。
その部屋だけはダメなんだ。
僕の心の奥底の、その部屋の扉だけは絶対に開けてはダメなんだ!
視界が急激に収束する。
一点に向かって一気に収束する。
そして視界のすべては、黒一色に染め上げられた。
そうして僕は、何かに耐え切れなくなって意識を失った。
エニグマが困ったという素振りをしながら言う。
ふざけている。終始この悪魔はふざけて僕をもてあそんでいる。
僕は唇を嚙みしめた。
「おや、悔しいのかい?ということは図星だったということじゃないか?君だって本当はわかっていたんだろう?」
僕はすぐさま反駁する。
「知らないって言っているだろう。僕はそんなこと考えたこともないし、これからも考えたりしない」
「へえ~、考えることさえしないんだ。思考放棄かい?大人げないねえ」
「僕はまだ子供だ。大人げなくて当然だ」
すると、エニグマがニンマリと口角を上げた。
「やっていることは大人顔負けだけどね。だって何百人も殺しているんだし」
また、めまいがぶり返す。
ダメだ。こんな奴に負けるなんて。
だけど心とは裏腹に、どんどん気分が悪くなっていく。
何かが喉の奥に込み上げてくる。
気持ち悪い。吐きそうだ。
僕はなんとか吐き気を押しとどめ、深呼吸をして立て直そうとする。
「結果的に……そうなったかもしれないけど……僕にはそんな気はなかった」
するとエニグマが大仰に驚いたふりをする。
「そんな気はなかっただって?だったらどうなんだい?人殺しも許されるのかい?君の住んでいた地球というところは、ずいぶん野蛮な惑星だったんだねえ」
エニグマの厭味ったらしい物言いに、怒りが込み上げてくる。
だがそれと同時に、また吐き気をもよおしてきた。
僕はごくりと生唾を飲み込み、それを押しとどめる。
「そんなんじゃない……僕はそんなことは言っていない」
「そんなんじゃないだって?君はさっきからそんなことばっかり言っているね。そんなに抽象的にじゃなく、もっと具体的に言ってくれるとありがたいんだけど?」
「具体的にって……どういう……」
するとエニグマが僕の問いかけを遮った。
「地球では人殺しはどうなる?」
僕は何度も大きく息を吸っては吐き出すを繰り返した。
そしてやっとの思いで答える。
「国によるさ……」
「国による。なるほど。それはそうだろうね。じゃあ改めて聞くけど、君の国では人殺しはどういう扱いを受けるんだ?」
ドクンッドクンッドクンッ。
心臓の鼓動がうるさい。
やめろ。
これ以上はやめてくれ。
その部屋の扉は開けるな。
その部屋だけはダメなんだ。
僕の心の奥底の、その部屋の扉だけは絶対に開けてはダメなんだ!
視界が急激に収束する。
一点に向かって一気に収束する。
そして視界のすべては、黒一色に染め上げられた。
そうして僕は、何かに耐え切れなくなって意識を失った。
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