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第二章
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「まあ、そうなるんだろうね」
僕はやや不安げに答えた。
エニグマが顔を横に軽くそむけ、探るような視線を送って寄越す。
「やや曖昧な答えだね?正確にはどうなんだい?」
僕は仕方なしに答える。
「はっきりと認識しているわけじゃないけど、主人格ってことになると思うよ」
エニグマは首を傾げる。
「はっきりとは認識していないか。おかしいな、主人格ならそうはならないはずだが?」
僕は大きく溜息を吐く。
「眠っていたからね。君に起こされてしまったけど」
エニグマの首がさらに横に傾く。
「寝ていた?意識はなかったってことかい?」
僕は一度、自分自身のことについて落ち着いて整理してみる。
「僕は……ある時期から心の奥底で寝ていたんだよ。そしてさっき起こされた。起きた途端に、眠っていた間のことを認識した……いや、見てはいたけど、意識のフィールドには上ってはいなかった……う~ん上手く説明できないな」
するとエニグマが右手で払いのけるような仕草をした。
「わけがわからないね。僕には君が何を言っているのか、皆目見当がつかないんだが?」
「だろうね。なにせ僕自身が曖昧なんだから」
エニグマはかなり不満げな顔をしつつも、僕に対して質問を続ける。
「ある時期から寝ていたって?そのある時期とは、いつのことだい?」
答えたくない。僕自身の最も秘しておきたい事柄だからだ。
だが、残念ながら契約を交わしてしまっている。
逃れることは出来そうもない。
「……こっちの世界に転移してからだよ」
エニグマが僕の回答を聞いて、噛みしめるように何度もうなずく。
そしてしばらくの時を置くと、ニヤリと笑ってゆっくりと口を開いた。
「そもそも君は、何故この世界に転移を?どうやらその理由を君は知っているようだね?」
僕はまたも深い溜息を吐いた。
「きっかけは知っているよ。でも、転移した理由までは知らない」
「本当に?」
エニグマが皮肉な笑みを浮かべ、僕の表情を注意深く観察しながら言った。
僕は口をへの字に曲げて、嫌そうな顔をする。
「本当だよ。何で僕がこの世界に転移する羽目となったのかなんて、まったく見当もつかないよ」
エニグマは僕の物言いに、納得したようだった。
「どうやら嘘はついていないようだね。嘘をついたらさっきみたいな目に遭うしね」
「そんなことだろうと思ったよ」
「ふ~ん、でもきっかけはあったんだ。それはなに?」
僕は大きく息を吸い込み、一気に吐き出した。
そして、あの時のことを頭の中に思い浮かべながら答えた。
「事故に遭ったんだ。多分、僕は即死だったと思う。そのとき、なぜかこの世界に転移してしまったんだよ」
僕はやや不安げに答えた。
エニグマが顔を横に軽くそむけ、探るような視線を送って寄越す。
「やや曖昧な答えだね?正確にはどうなんだい?」
僕は仕方なしに答える。
「はっきりと認識しているわけじゃないけど、主人格ってことになると思うよ」
エニグマは首を傾げる。
「はっきりとは認識していないか。おかしいな、主人格ならそうはならないはずだが?」
僕は大きく溜息を吐く。
「眠っていたからね。君に起こされてしまったけど」
エニグマの首がさらに横に傾く。
「寝ていた?意識はなかったってことかい?」
僕は一度、自分自身のことについて落ち着いて整理してみる。
「僕は……ある時期から心の奥底で寝ていたんだよ。そしてさっき起こされた。起きた途端に、眠っていた間のことを認識した……いや、見てはいたけど、意識のフィールドには上ってはいなかった……う~ん上手く説明できないな」
するとエニグマが右手で払いのけるような仕草をした。
「わけがわからないね。僕には君が何を言っているのか、皆目見当がつかないんだが?」
「だろうね。なにせ僕自身が曖昧なんだから」
エニグマはかなり不満げな顔をしつつも、僕に対して質問を続ける。
「ある時期から寝ていたって?そのある時期とは、いつのことだい?」
答えたくない。僕自身の最も秘しておきたい事柄だからだ。
だが、残念ながら契約を交わしてしまっている。
逃れることは出来そうもない。
「……こっちの世界に転移してからだよ」
エニグマが僕の回答を聞いて、噛みしめるように何度もうなずく。
そしてしばらくの時を置くと、ニヤリと笑ってゆっくりと口を開いた。
「そもそも君は、何故この世界に転移を?どうやらその理由を君は知っているようだね?」
僕はまたも深い溜息を吐いた。
「きっかけは知っているよ。でも、転移した理由までは知らない」
「本当に?」
エニグマが皮肉な笑みを浮かべ、僕の表情を注意深く観察しながら言った。
僕は口をへの字に曲げて、嫌そうな顔をする。
「本当だよ。何で僕がこの世界に転移する羽目となったのかなんて、まったく見当もつかないよ」
エニグマは僕の物言いに、納得したようだった。
「どうやら嘘はついていないようだね。嘘をついたらさっきみたいな目に遭うしね」
「そんなことだろうと思ったよ」
「ふ~ん、でもきっかけはあったんだ。それはなに?」
僕は大きく息を吸い込み、一気に吐き出した。
そして、あの時のことを頭の中に思い浮かべながら答えた。
「事故に遭ったんだ。多分、僕は即死だったと思う。そのとき、なぜかこの世界に転移してしまったんだよ」
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