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第二章
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「刀鍛冶の……職人」
僕は、これまた予想外な答えに絶句した。
彼は、余りある力をそんなことに費やしたのか。
それが彼にとっての生きがいとなったのだろうか。
彼には刀を振るう機会がなかったのか。
刀鍛冶なら、当然あるはずだ。もしそうなら、そのうちに気付いたはずだ。
自分は無敵になれると。刀を振り続ければどんどんレベルアップし続けるんだ。
すぐに無敵の存在になれるということに気付いたはずだ。
でも彼は――
「彼はずっと刀鍛冶をしていたのか?死ぬまで?」
エニグマがすかさず答える。
「そうだ。彼はこちらの世界に転移してすぐに刀鍛冶職人に弟子入りした。そしてあっという間に師を超え、その師の店を譲り受け、国一番の刀鍛冶として名を馳せたのち、死んだ」
「そう……」
僕は無感動に、それだけ言った。
なんて、なんて――もったいない。
せっかくの力を、そんなことに。
生涯をそんなことに費やすなんて。
いや、僕はもちろん刀鍛冶を卑下しているわけじゃない。その他の職業だって、僕は決して見下しているわけじゃない。
そうじゃなくて、あの力を手にした以上、他の職につくことなんて考えられないってことだ。
そう。なるべき存在は、たったひとつだ。
それは――英雄――
これほど甘美な響きの存在があろうか。これほど垂涎の居場所があろうか。
僕は断言できる。ない――と。
でも彼は、そうしなかった。気づかないはずがない。何処かで気づけたはずだ。
にもかかわらず、彼はそうしなかった。
信じられない。僕には到底信じられない。
他者からの羨望の眼差しを一度でも受けたなら、誰だって決してその立場を離したくはなくなるものだ。
彼にはそういったことがなかったのだろうか。
わからない。彼は余りある才能を、何故そんなことに使ったのか。僕には一向にわからなかった。
「ショックを受けているようだね」
エニグマが何か言った。
何と言った?ああ、僕がショックを受けていると言ったのか。
「そうだね。確かに少しショックだね。まさか、あの能力を持っているのに、鍛冶職人で一生を終えるひとがいるとは思わなかったからね」
「自分のように他者を蹂躙し続け、英雄としてその屍の上に君臨するのが当たり前だと?」
ちっ!
僕は思わず心の中で舌打ちをした。
他者を蹂躙か。屍の上に君臨か。
まあ確かに、見る角度が違えばそう見えるのだろうな。
評価は相対的なものでしかない。絶対的な評価など存在しやしない。
なるほどね。いいよ。よくわかった。確かに僕は人殺しだ。そして、親殺しでもある。
だけど、それでも僕は英雄だ。
英雄なんだよ!
僕は、これまた予想外な答えに絶句した。
彼は、余りある力をそんなことに費やしたのか。
それが彼にとっての生きがいとなったのだろうか。
彼には刀を振るう機会がなかったのか。
刀鍛冶なら、当然あるはずだ。もしそうなら、そのうちに気付いたはずだ。
自分は無敵になれると。刀を振り続ければどんどんレベルアップし続けるんだ。
すぐに無敵の存在になれるということに気付いたはずだ。
でも彼は――
「彼はずっと刀鍛冶をしていたのか?死ぬまで?」
エニグマがすかさず答える。
「そうだ。彼はこちらの世界に転移してすぐに刀鍛冶職人に弟子入りした。そしてあっという間に師を超え、その師の店を譲り受け、国一番の刀鍛冶として名を馳せたのち、死んだ」
「そう……」
僕は無感動に、それだけ言った。
なんて、なんて――もったいない。
せっかくの力を、そんなことに。
生涯をそんなことに費やすなんて。
いや、僕はもちろん刀鍛冶を卑下しているわけじゃない。その他の職業だって、僕は決して見下しているわけじゃない。
そうじゃなくて、あの力を手にした以上、他の職につくことなんて考えられないってことだ。
そう。なるべき存在は、たったひとつだ。
それは――英雄――
これほど甘美な響きの存在があろうか。これほど垂涎の居場所があろうか。
僕は断言できる。ない――と。
でも彼は、そうしなかった。気づかないはずがない。何処かで気づけたはずだ。
にもかかわらず、彼はそうしなかった。
信じられない。僕には到底信じられない。
他者からの羨望の眼差しを一度でも受けたなら、誰だって決してその立場を離したくはなくなるものだ。
彼にはそういったことがなかったのだろうか。
わからない。彼は余りある才能を、何故そんなことに使ったのか。僕には一向にわからなかった。
「ショックを受けているようだね」
エニグマが何か言った。
何と言った?ああ、僕がショックを受けていると言ったのか。
「そうだね。確かに少しショックだね。まさか、あの能力を持っているのに、鍛冶職人で一生を終えるひとがいるとは思わなかったからね」
「自分のように他者を蹂躙し続け、英雄としてその屍の上に君臨するのが当たり前だと?」
ちっ!
僕は思わず心の中で舌打ちをした。
他者を蹂躙か。屍の上に君臨か。
まあ確かに、見る角度が違えばそう見えるのだろうな。
評価は相対的なものでしかない。絶対的な評価など存在しやしない。
なるほどね。いいよ。よくわかった。確かに僕は人殺しだ。そして、親殺しでもある。
だけど、それでも僕は英雄だ。
英雄なんだよ!
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