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第二章
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「その刀鍛冶になった転移者が、神とどんな話をしたのか聞いたのか?」
僕はエニグマの嫌味を無視し、聞きたいことを聞いた。
エニグマは軽く口角を上げるも、すぐに答えた。
「もちろん聞いたさ」
「どんな会話だったんだ?」
するとエニグマが、深いため息を吐いた。
今まで見せたことのない態度だな。
よほど期待外れの内容らしい。
「奴は、彼が君のような英雄になることを望んでいたようだね」
納得だ。あの声の主は僕にも、君は超越者だと言っていた。
これは裏を返せば、超越者らしくあれと言っているようなものだ。
つまりは、武を振るって英雄に成れと。
「でも彼は、それを拒んだんだな?」
「その通り。彼は聞く耳を持たなかった」
「で、刀鍛冶で一生を終えたのか」
「そう。彼は刀鍛冶のまま、その生涯を終えてしまったよ」
エニグマが残念そうに言う。
「どうやら君にとっても神にとっても、期待外れだったみたいだな」
エニグマはしばらく考えた後、首肯した。
「そうだね。確かにそう言えるだろう。だけど僕は、彼に対して尊敬の念を抱いていたよ」
「尊敬?君が?」
エニグマが笑った。
「そうだよ。だって凄いと思わないか?相手は高位の神だよ。その神が英雄に成れと散々に語りかけてくるというのに、彼はそれを無視し続けたんだ。何故彼にそんなことが出来たのか、僕には尊敬に値する行為だよ」
確かに。神の語りかけを無視し続けるっていうのは、尋常じゃない気がする。
「彼は相手が神であると認識していたのかな?」
「していたよ。間違いなくね」
にもかかわらずか――
「意外と大人物だったのかな」
エニグマがにんまりと笑う。
「ああ。彼はかなりの人物だったよ。泰然自若として、決してぶれない。それも当然だろう。そうでなければ、人間の身で、神の語りかけを無視し続けられたりはしないさ」
「ふうん、会ってみたかったな」
「そうだろう?実に興味深い人物だったよ」
「彼は、どうして英雄への道を進まなかったんだ?そのことは聞いたのか?」
「もちろん聞いたさ。もっともあまり要領を得なかったがね」
「どういうこと?」
「興味がないの一点張りでね。何故興味がないのかなどと聞いても、まともに答えてはくれなかったんだ。元々無口な男だったけどね」
不思議な男だ。僕からすれば、無欲すぎる。英雄への道を捨て、鍛冶屋で一生を終えるなんて。
だけど、もうその男は死んでしまっている。ならば、もう――
「その神の目的ってなんなのかな?僕やその彼に特別な力を何故与え、そして何故わざわざ惑星転移をさせたのか?君にはわかるかい?」
僕はエニグマの嫌味を無視し、聞きたいことを聞いた。
エニグマは軽く口角を上げるも、すぐに答えた。
「もちろん聞いたさ」
「どんな会話だったんだ?」
するとエニグマが、深いため息を吐いた。
今まで見せたことのない態度だな。
よほど期待外れの内容らしい。
「奴は、彼が君のような英雄になることを望んでいたようだね」
納得だ。あの声の主は僕にも、君は超越者だと言っていた。
これは裏を返せば、超越者らしくあれと言っているようなものだ。
つまりは、武を振るって英雄に成れと。
「でも彼は、それを拒んだんだな?」
「その通り。彼は聞く耳を持たなかった」
「で、刀鍛冶で一生を終えたのか」
「そう。彼は刀鍛冶のまま、その生涯を終えてしまったよ」
エニグマが残念そうに言う。
「どうやら君にとっても神にとっても、期待外れだったみたいだな」
エニグマはしばらく考えた後、首肯した。
「そうだね。確かにそう言えるだろう。だけど僕は、彼に対して尊敬の念を抱いていたよ」
「尊敬?君が?」
エニグマが笑った。
「そうだよ。だって凄いと思わないか?相手は高位の神だよ。その神が英雄に成れと散々に語りかけてくるというのに、彼はそれを無視し続けたんだ。何故彼にそんなことが出来たのか、僕には尊敬に値する行為だよ」
確かに。神の語りかけを無視し続けるっていうのは、尋常じゃない気がする。
「彼は相手が神であると認識していたのかな?」
「していたよ。間違いなくね」
にもかかわらずか――
「意外と大人物だったのかな」
エニグマがにんまりと笑う。
「ああ。彼はかなりの人物だったよ。泰然自若として、決してぶれない。それも当然だろう。そうでなければ、人間の身で、神の語りかけを無視し続けられたりはしないさ」
「ふうん、会ってみたかったな」
「そうだろう?実に興味深い人物だったよ」
「彼は、どうして英雄への道を進まなかったんだ?そのことは聞いたのか?」
「もちろん聞いたさ。もっともあまり要領を得なかったがね」
「どういうこと?」
「興味がないの一点張りでね。何故興味がないのかなどと聞いても、まともに答えてはくれなかったんだ。元々無口な男だったけどね」
不思議な男だ。僕からすれば、無欲すぎる。英雄への道を捨て、鍛冶屋で一生を終えるなんて。
だけど、もうその男は死んでしまっている。ならば、もう――
「その神の目的ってなんなのかな?僕やその彼に特別な力を何故与え、そして何故わざわざ惑星転移をさせたのか?君にはわかるかい?」
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