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第二章
393
「わかったよ。そういうことなら、仕方がない」
俺が納得した顔を見透かしたか、すぐにエニグマが言った。
「他には何かあるかい?」
「そうだな……ここはどうなる?」
「ここ?あの建物のことかい?」
エニグマはパルテノン神殿のような建物を指さして言った。
「あれもそうだし、地下の黄金ドームとかだよ」
エニグマがとぼけた顔をして、肩をすくめた。
「さあ、グラドゥスはもうここには戻ってこないし……」
「そうなのか?絶対に帰って来ない?」
「帰って来ないよ。この森は僕がもらうと言ったからね。戻って来られるはずがない」
「そうか。ならお前はここをどうするつもりだ?」
「どうって言われてもね。あの馬鹿はこの建物を神殿だと言っていたが、おかしいだろう?悪魔のくせに神殿なんて」
エニグマはそう言うと、クククと声を上げてグラドゥスのことを嘲笑った。
「まあ確かにな。神の名を冠するようなものだ。どうもあのグラドゥスっていう悪魔は、お前が言うようにあまり頭が良くないのかもしれないな」
「そうだろう。あの三層の造りも、何やら意味があるように言っていたけど、嘘だね。意味なんてないよ。単に思い付きで作らせたんだろう」
「作らせた?もしかしてあの灰色の連中にか?」
「おそらくそうだと思うよ。あの馬鹿は彼らを使役していたようだからね」
「使役か。ならやはりあの連中がゼロスの一族を襲った原因も、グラドゥスである可能性が高そうだな」
「だろうね。それで、何?君はあの建物に興味があるのかい?」
「あの建物っていうよりか、下の黄金ドームの方だな。あれには正直興味があるよ」
するとエニグマの口元が嫌らしく動いた。
「金目だからね。さぞや人間界では意味を持ちそうだ」
「大いに意味を持つね。それも、相当に」
「軍資金にでもしたいのかい?」
「そうだ。あれだけの黄金。相当な資金になるからな」
「いいよ。あげる」
エニグマがあっさりと言った。
俺は少し驚いた。
「いいのか?」
「いいよ。あんなもの、悪趣味過ぎて見たくもない。君が欲しいというならあげるよ」
「それは助かるが、本当にいいのか?」
「いいって。僕ら悪魔にとって黄金なんて何の価値もないからね。君が好きに使うといい。あの灰色の連中にも、僕から言って聞かせよう」
俺は驚くと共に、有難く思った。
だから素直に言った。
「ありがとう。ほんとうに助かる」
するとエニグマが意外そうな顔をした。
「へえ、今の人格でもありがとうなんて言うんだね。意外だったよ」
こいつ――でもまあ、いいや。ここは素直にもらっておくとしよう。
俺が納得した顔を見透かしたか、すぐにエニグマが言った。
「他には何かあるかい?」
「そうだな……ここはどうなる?」
「ここ?あの建物のことかい?」
エニグマはパルテノン神殿のような建物を指さして言った。
「あれもそうだし、地下の黄金ドームとかだよ」
エニグマがとぼけた顔をして、肩をすくめた。
「さあ、グラドゥスはもうここには戻ってこないし……」
「そうなのか?絶対に帰って来ない?」
「帰って来ないよ。この森は僕がもらうと言ったからね。戻って来られるはずがない」
「そうか。ならお前はここをどうするつもりだ?」
「どうって言われてもね。あの馬鹿はこの建物を神殿だと言っていたが、おかしいだろう?悪魔のくせに神殿なんて」
エニグマはそう言うと、クククと声を上げてグラドゥスのことを嘲笑った。
「まあ確かにな。神の名を冠するようなものだ。どうもあのグラドゥスっていう悪魔は、お前が言うようにあまり頭が良くないのかもしれないな」
「そうだろう。あの三層の造りも、何やら意味があるように言っていたけど、嘘だね。意味なんてないよ。単に思い付きで作らせたんだろう」
「作らせた?もしかしてあの灰色の連中にか?」
「おそらくそうだと思うよ。あの馬鹿は彼らを使役していたようだからね」
「使役か。ならやはりあの連中がゼロスの一族を襲った原因も、グラドゥスである可能性が高そうだな」
「だろうね。それで、何?君はあの建物に興味があるのかい?」
「あの建物っていうよりか、下の黄金ドームの方だな。あれには正直興味があるよ」
するとエニグマの口元が嫌らしく動いた。
「金目だからね。さぞや人間界では意味を持ちそうだ」
「大いに意味を持つね。それも、相当に」
「軍資金にでもしたいのかい?」
「そうだ。あれだけの黄金。相当な資金になるからな」
「いいよ。あげる」
エニグマがあっさりと言った。
俺は少し驚いた。
「いいのか?」
「いいよ。あんなもの、悪趣味過ぎて見たくもない。君が欲しいというならあげるよ」
「それは助かるが、本当にいいのか?」
「いいって。僕ら悪魔にとって黄金なんて何の価値もないからね。君が好きに使うといい。あの灰色の連中にも、僕から言って聞かせよう」
俺は驚くと共に、有難く思った。
だから素直に言った。
「ありがとう。ほんとうに助かる」
するとエニグマが意外そうな顔をした。
「へえ、今の人格でもありがとうなんて言うんだね。意外だったよ」
こいつ――でもまあ、いいや。ここは素直にもらっておくとしよう。
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