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第二章
396
個体が何度もうなずいた。
「あの秘宝がどんなものであるか、グラドゥスは言っていたか?」
だがこの問いには、個体は首を横に振った。
さすがにそこまでは聞いていなかったか。
でも、ひとまず良しとしよう。
「お前たち種族の名前は何と言うんだ?」
俺の問いに、個体が雄たけびのような声を上げる。
「……ぜんぜん聞き取れないな」
だが横からエニグマが眉をしかめながら言う。
「おそらくだが、ラーズと言わなかったか?」
個体が激しく首を縦に振る。
「ラーズと言うのか?お前たちの種族は」
再び個体が激しくうなずいた。
俺はエニグマに振り向き、言った。
「よくわかったな。俺はぜんぜん聞き取れなかったぞ」
エニグマが顔をクンと上げ、得意げな顔を作る。
「そうかい?僕にはしっかりと聞こえたけどね」
「ちょっと待て。自信なさげに言っていただろうが」
「そんなことはない。僕ほどの悪魔なら、あの程度はすぐに聞き取れるのだよ」
俺は軽く舌打ちをした。
だがもうひとつ聞いておいた方がいいことがあるな。
俺は個体に向き直ると、尋ねる。
「お前の名前を知っておきたい。なんて言う名前なんだ?」
するとまた、個体が雄たけびのような声を上げた。
「ブワ……頭はブと言ったか?う~ん、ちょっとまた聞き取れなかったな」
するとエニグマが、個体の雄たけびを思い起こしながら言った。
「ズワウス……と言ったように聞こえたが」
すると、またも個体が首を縦に振った。
当たりか?本当に?
俺は不承不承に問いかける。
「ズワウスで合っているのか?」
またも個体が首を縦に振る。
どうやら間違いないらしい。
「わかった。ズワウス、これからよろしく頼む」
俺の言葉にズワウスが力強くうなずいた。
エニグマが横で得意げな顔をしている。
「よく聞き取れたな。さすがだよ」
するとエニグマが喜色満面となった。
「そうだろう?僕の耳は地獄耳でね。こういうのは結構得意なのさ」
ああ、そう。地獄耳ね。そいつは確かに、悪魔にはお似合いだな。
俺が不本意そうな顔をしていると、エニグマがニヤリとしながら言った。
「そんなことより、お友達のゼロス君のことはどうするつもりなんだい?あの黒ヒョウは、一族皆殺しの憂き目にあったんだろう?」
そうだった。忘れていたわけではないが、流れでこうなってしまった。
「ゼロスには俺から当然話すつもりだ」
「へえ、どうやって?」
「どうやってもなにも、洗いざらい話すさ」
すると、エニグマの顔からスッと笑みが消えた。
そして、俺のことをねぶるような視線を送り、言った。
「君の過去のこともかい?」
「あの秘宝がどんなものであるか、グラドゥスは言っていたか?」
だがこの問いには、個体は首を横に振った。
さすがにそこまでは聞いていなかったか。
でも、ひとまず良しとしよう。
「お前たち種族の名前は何と言うんだ?」
俺の問いに、個体が雄たけびのような声を上げる。
「……ぜんぜん聞き取れないな」
だが横からエニグマが眉をしかめながら言う。
「おそらくだが、ラーズと言わなかったか?」
個体が激しく首を縦に振る。
「ラーズと言うのか?お前たちの種族は」
再び個体が激しくうなずいた。
俺はエニグマに振り向き、言った。
「よくわかったな。俺はぜんぜん聞き取れなかったぞ」
エニグマが顔をクンと上げ、得意げな顔を作る。
「そうかい?僕にはしっかりと聞こえたけどね」
「ちょっと待て。自信なさげに言っていただろうが」
「そんなことはない。僕ほどの悪魔なら、あの程度はすぐに聞き取れるのだよ」
俺は軽く舌打ちをした。
だがもうひとつ聞いておいた方がいいことがあるな。
俺は個体に向き直ると、尋ねる。
「お前の名前を知っておきたい。なんて言う名前なんだ?」
するとまた、個体が雄たけびのような声を上げた。
「ブワ……頭はブと言ったか?う~ん、ちょっとまた聞き取れなかったな」
するとエニグマが、個体の雄たけびを思い起こしながら言った。
「ズワウス……と言ったように聞こえたが」
すると、またも個体が首を縦に振った。
当たりか?本当に?
俺は不承不承に問いかける。
「ズワウスで合っているのか?」
またも個体が首を縦に振る。
どうやら間違いないらしい。
「わかった。ズワウス、これからよろしく頼む」
俺の言葉にズワウスが力強くうなずいた。
エニグマが横で得意げな顔をしている。
「よく聞き取れたな。さすがだよ」
するとエニグマが喜色満面となった。
「そうだろう?僕の耳は地獄耳でね。こういうのは結構得意なのさ」
ああ、そう。地獄耳ね。そいつは確かに、悪魔にはお似合いだな。
俺が不本意そうな顔をしていると、エニグマがニヤリとしながら言った。
「そんなことより、お友達のゼロス君のことはどうするつもりなんだい?あの黒ヒョウは、一族皆殺しの憂き目にあったんだろう?」
そうだった。忘れていたわけではないが、流れでこうなってしまった。
「ゼロスには俺から当然話すつもりだ」
「へえ、どうやって?」
「どうやってもなにも、洗いざらい話すさ」
すると、エニグマの顔からスッと笑みが消えた。
そして、俺のことをねぶるような視線を送り、言った。
「君の過去のこともかい?」
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