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第二章
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俺は一瞬、躊躇した。
どうするか。出来れば話したくはないが、エニグマによると俺の容貌は身体の骨格ごと変わっているらしい。
ならば、そのことの説明も必要となる。
俺はしばらく考え込んだ。
そして――
「全部話すことにする。隠し事は一切なしだ。だから、悪魔や神のことについても話す。いいだろう?」
エニグマが肩をすくめた。
「構わないよ。君の好きにするといい。でもね――」
エニグマはそこで意味ありげに言葉を区切ると、俺の目を見据えて真顔で言った。
「誰にでも隠し事なんてものは、ひとつやふたつはあるものだ。君はどうやら今後はすべてをさらけ出して生きていくつもりのようだけど、そのことが縛りとなって、あとで自分を苦しめることになりはしないかい?」
「それは、今後に何か隠すべき出来事が起こった時に考えればいいことだ。俺はとにかく、今は嘘を吐きたくないってだけだ」
「それならば、いいと思うよ。この先の未来なんて誰にも分らないからね。生き方を決めて自分を縛るのは、お勧めできない。僕はそれを言いたかっただけさ」
「忠告ありがとう。肝に銘じておくよ」
俺は突き放し気味に言った。
だがエニグマは意に介さず、軽く会釈をした。
「では、そろそろおいとますることにしよう」
エニグマの背から、再び漆黒の翼が勢いよく飛び出した。周囲の者たちがざわめく。
「また会おうカズマ、そのときには、奴と一緒だとうれしいのだがね」
エニグマはそう言い残すと、翼を羽ばたかせて一気に上空へと上がり、遥か彼方へ向かって飛び去って行った。
「さて、どうするか」
俺はエニグマが見えなくなったのを確認すると軽く溜息を吐いた。
そして今なお、ひざまずいているラーズたちに向かって話しかけた。
「とりあえず、生活に戻ってくれ。また、あとで来る」
だがラーズたちは動かない。
もしかして言葉の意味が伝わらなかったかと思ったものの、ひとりズワウスだけが頭を上げつつも、不安げな顔をして俺を見つめていた。
「いや、大丈夫だ。皆頭を上げてくれて構わない。必要以上にへりくだることもない。気にせず元の生活に戻ってくれ」
するとズワウスが軽い雄たけびを幾度か上げた。
それを合図に、他のラーズたちが一斉に動き出した。皆、俺のことを気にする素振りをしながらではあるものの、ゆっくりと静かに離れていく。
俺はその様を確認すると、ズワウスに向き直った。
「ゼロスたちと会ってくる。皆と同じく、普段通りにしてくれていて構わない」
どうするか。出来れば話したくはないが、エニグマによると俺の容貌は身体の骨格ごと変わっているらしい。
ならば、そのことの説明も必要となる。
俺はしばらく考え込んだ。
そして――
「全部話すことにする。隠し事は一切なしだ。だから、悪魔や神のことについても話す。いいだろう?」
エニグマが肩をすくめた。
「構わないよ。君の好きにするといい。でもね――」
エニグマはそこで意味ありげに言葉を区切ると、俺の目を見据えて真顔で言った。
「誰にでも隠し事なんてものは、ひとつやふたつはあるものだ。君はどうやら今後はすべてをさらけ出して生きていくつもりのようだけど、そのことが縛りとなって、あとで自分を苦しめることになりはしないかい?」
「それは、今後に何か隠すべき出来事が起こった時に考えればいいことだ。俺はとにかく、今は嘘を吐きたくないってだけだ」
「それならば、いいと思うよ。この先の未来なんて誰にも分らないからね。生き方を決めて自分を縛るのは、お勧めできない。僕はそれを言いたかっただけさ」
「忠告ありがとう。肝に銘じておくよ」
俺は突き放し気味に言った。
だがエニグマは意に介さず、軽く会釈をした。
「では、そろそろおいとますることにしよう」
エニグマの背から、再び漆黒の翼が勢いよく飛び出した。周囲の者たちがざわめく。
「また会おうカズマ、そのときには、奴と一緒だとうれしいのだがね」
エニグマはそう言い残すと、翼を羽ばたかせて一気に上空へと上がり、遥か彼方へ向かって飛び去って行った。
「さて、どうするか」
俺はエニグマが見えなくなったのを確認すると軽く溜息を吐いた。
そして今なお、ひざまずいているラーズたちに向かって話しかけた。
「とりあえず、生活に戻ってくれ。また、あとで来る」
だがラーズたちは動かない。
もしかして言葉の意味が伝わらなかったかと思ったものの、ひとりズワウスだけが頭を上げつつも、不安げな顔をして俺を見つめていた。
「いや、大丈夫だ。皆頭を上げてくれて構わない。必要以上にへりくだることもない。気にせず元の生活に戻ってくれ」
するとズワウスが軽い雄たけびを幾度か上げた。
それを合図に、他のラーズたちが一斉に動き出した。皆、俺のことを気にする素振りをしながらではあるものの、ゆっくりと静かに離れていく。
俺はその様を確認すると、ズワウスに向き直った。
「ゼロスたちと会ってくる。皆と同じく、普段通りにしてくれていて構わない」
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