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第二章
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ズワウスは戸惑う仕草をした。
恐らく、ゼロスたちとの話し合い如何で、ラーズたちの命運が決まってしまうと思っているのだろう。
「問題ない。ゼロスはお前たちの滅亡を望むようなことはしない」
ズワウスはなおも不安そうな顔であったが、ゆっくりと踵を返して離れていった。
俺はその背を見送ると、振り返った。
そして視線を上げ、崖の上を見る。
やはりいた。レノアとゼロスが、心配そうにこちらを見下ろしている。
俺はもう一度軽くため息を吐くと、彼らに向かって歩き出した。
「カズマ、大丈夫なのか?」
崖をよじ登って近づく俺に、レノアが慌てた様子で声をかけて来た。
俺は落ち着いた声音で答える。
「大丈夫。問題ない」
「そうか。いやあ、びっくりしたよ。急に君が空から、あの悪魔……エニグマと言ったっけ?その悪魔にぶら下がって現れたかと思えば、集落のど真ん中に降り立つし、しかもあの灰色の種族に取り囲まれたかと思ったら、突然彼らが君に向かってひざまずいて頭を下げるし……正直僕はまだ困惑しているよ」
さて、何て言おうか。迷うな。
そう思いつつ崖を登り切り、レノアと正対した。
するとレノアが驚愕の表情を浮かべ、よろよろと二歩三歩後退した。
「誰だ、君は!カズマじゃないじゃないか!」
どうやらよほど俺の容貌は変わったらしい。
レノアの横に来たゼロスも驚いた表情をしている。
だがそれと同時に、それは困惑の表情でもあった。
「どういうことだ?顔は……いや、姿かたちはカズマではない。だが、このオーラはカズマのものだ」
するとレノアが驚き、ゼロスに問いかける。
「ほんとうか?虹色のオーラがでているのか?」
ゼロスは俺をじっと凝視する。
「間違いない。だがこれは一体、どうしたことだ?」
俺は出来るだけ穏やかな声音でもって言う。
「驚かせてすまない。これには事情があるんだ」
だがレノアは、普段の冷静さは何処へやら、だいぶ混乱していた。
「おかしいおかしい!確かに顔は似ているけど、やっぱり違うよ!それに、声も違う。カズマと比べてだいぶ低い。それに、何といっても骨格が違う。カズマはこんなに大きくはない!ひとまわりは大きいじゃないか。なら、どう考えてもこいつは別人だ。ゼロス、油断するな!こいつは絶対にカズマじゃない!」
「だがレノアよ。彼のオーラは、カズマとまったく同じものだ。オーラを変えることなど出来るはずがない。ならば、やはり彼はカズマなのではないか?」
だがそれでもレノアは信じなかった。
「ないない!ありえないよ!こいつは違う。カズマなんかじゃない!」
恐らく、ゼロスたちとの話し合い如何で、ラーズたちの命運が決まってしまうと思っているのだろう。
「問題ない。ゼロスはお前たちの滅亡を望むようなことはしない」
ズワウスはなおも不安そうな顔であったが、ゆっくりと踵を返して離れていった。
俺はその背を見送ると、振り返った。
そして視線を上げ、崖の上を見る。
やはりいた。レノアとゼロスが、心配そうにこちらを見下ろしている。
俺はもう一度軽くため息を吐くと、彼らに向かって歩き出した。
「カズマ、大丈夫なのか?」
崖をよじ登って近づく俺に、レノアが慌てた様子で声をかけて来た。
俺は落ち着いた声音で答える。
「大丈夫。問題ない」
「そうか。いやあ、びっくりしたよ。急に君が空から、あの悪魔……エニグマと言ったっけ?その悪魔にぶら下がって現れたかと思えば、集落のど真ん中に降り立つし、しかもあの灰色の種族に取り囲まれたかと思ったら、突然彼らが君に向かってひざまずいて頭を下げるし……正直僕はまだ困惑しているよ」
さて、何て言おうか。迷うな。
そう思いつつ崖を登り切り、レノアと正対した。
するとレノアが驚愕の表情を浮かべ、よろよろと二歩三歩後退した。
「誰だ、君は!カズマじゃないじゃないか!」
どうやらよほど俺の容貌は変わったらしい。
レノアの横に来たゼロスも驚いた表情をしている。
だがそれと同時に、それは困惑の表情でもあった。
「どういうことだ?顔は……いや、姿かたちはカズマではない。だが、このオーラはカズマのものだ」
するとレノアが驚き、ゼロスに問いかける。
「ほんとうか?虹色のオーラがでているのか?」
ゼロスは俺をじっと凝視する。
「間違いない。だがこれは一体、どうしたことだ?」
俺は出来るだけ穏やかな声音でもって言う。
「驚かせてすまない。これには事情があるんだ」
だがレノアは、普段の冷静さは何処へやら、だいぶ混乱していた。
「おかしいおかしい!確かに顔は似ているけど、やっぱり違うよ!それに、声も違う。カズマと比べてだいぶ低い。それに、何といっても骨格が違う。カズマはこんなに大きくはない!ひとまわりは大きいじゃないか。なら、どう考えてもこいつは別人だ。ゼロス、油断するな!こいつは絶対にカズマじゃない!」
「だがレノアよ。彼のオーラは、カズマとまったく同じものだ。オーラを変えることなど出来るはずがない。ならば、やはり彼はカズマなのではないか?」
だがそれでもレノアは信じなかった。
「ないない!ありえないよ!こいつは違う。カズマなんかじゃない!」
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