1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ

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第二章

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 いや――やはり難しいか。

 アリアスの拒絶は激烈だ。今後くつがえる可能性は低い。
 
 激情が、理性を覆い尽くしている。レノアの理性的な説明に対し、まったく聞く耳を持っていない。

 やはり、終わったな。

 もはや修復不可能だ。

 だとしたら、どうするか。

 今後、アリアスに嫌われながらも忠誠をつくし、アルデバラン王国再興のために働くのか。

 それとも――

 俺はそこでエニグマの言葉を思い出した。

 あのとき、エニグマは言った。

 君が大陸全土を統一すればいい――と。

 俺はそれに対し、まずはアリアスをかついでアルデバランを再興する。その後に大陸全土を統一するかは、その後考える、と答えた。

 そのつもりだった。だが――

 他ならぬアリアスに拒絶されるのならば、アルデバラン再興に意味はあるのだろうか。

 だったら、エニグマの言うとおり――

「カズマ!」

 レノアの叫ぶ声が聞こえた。

 俺は驚き、レノアを見る。

 レノアはホッとため息を吐いた。

「どうしたんだ?ずいぶん上の空だったよ」

「あ、ああ、ちょっと考え事をしていたんだ」

 俺は取り繕うように言った。

 レノアが途端に、目を鋭く細める。

「何を……考えていたんだい?」

 言えるわけがない。

「いや、なに……大したことじゃない。ティラノレギオンの運用を今後どうしようかとか、そんなことさ」

 俺はとりあえず思いついたことを言った。

 レノアは懐疑的に首を傾ける。

「そう……なら、いいけど」

「ところで話は終わった?それなら俺は腹ごしらえをしたいんだけど」

 俺は話を切り上げ、話題を変えた。

 だがこれは意味のないことではない。ほんとうに思っていることだ。

 といっても、別段腹がへっているわけではない。

 俺は、この部屋を出たいんだ。

 もうこの部屋に用はない。というか、いたくない。

 だから俺は、この部屋を一刻も早く出られるようにそう言った。

 レノアは少し考え、口を開いた。

「殿下もようやく、君がカズマであることを理解してくれたよ」

 俺は驚き、アリアスを見た。

 だがその表情は明らかに強張っていた。

 どうやら、理解はしたが納得はしていない、という表情のようだ。

 やはりね。

 だがこれ以上、事を荒立てることもない。

「そうか。それはよかった。じゃあ食事に行ってもいいかな?」

 俺はつとめて明るい口調で言った。

 だがやはり、アリアスの顔は固まっている。

 代わりにレノアが言った。

「ああ、僕もお腹が空いてきた。一緒に食堂に行くとしよう」

 レノアはそう言うと、アリアスに向き直った。

「殿下、退室してもよろしいでしょうか?」

 アリアスは無言でうなずいた。

 俺はそれを見届けるなり踵を返し、豪華な設えでありながらも、とても居心地の悪い部屋をあとにした。
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