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第二章
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するとレノアの顔がパーッと明るくなった。
「それだ!それがいい!それなら足手まといにならなくてすむ」
レノアの声に、俺も同意した。
「確かに、それならいけるかもしれない。でもゼロス、ほんとうに大丈夫なのか?」
「大丈夫だと思う。あれくらいならばな」
「わかった。なら全員で行こう。ラーズ族たちは、俺が壁の上からロープを垂らして引き上げる。どうせすぐに見つかるんだ。ぐずぐずしなければ、構うことはない」
レノアが力強くうなずいた。
「よし、ではあの壁を全員で越えて一気に裏庭を駆け抜け、中央棟に侵入する。そして二階にいるであろうワイズマンを確保。さらに四階に駆け上がってゼークル伯爵を続けて確保し、早々に脱出する。途中、ゴート公爵と出くわしてしまったら、僕が話す。それでいいね?」
俺はレノアの案に同意した。
「わかった。では早速行こう。ワイズマンたちが別の部屋に移動してしまう前に。ゼロス、いいか?」
ゼロスが首を縦に振る。
「無論だ。レノア、いつでも乗ってくれて構わない」
ゼロスがそう言うと、レノアが少し申し訳なさそうな顔をした。
「ありがとう。でも壁までは歩くよ」
「そうか。わかった」
俺はうなずき、馬車の荷台に置いてあったロープを持つと言った。
「よし、では行こう。まずは壁のところまでだ」
俺は先陣切って馬車から飛び降りた。
次いでレノア、ゼロス、ラーズ族の順に馬車を下りる。
すぐにゴート公爵邸に隣接した大きな通りに出た。
俺は首を左右に振って、周囲を確認する。
ひと通りはない。まったくの無人だ。
俺は仲間に合図を送り、通りを横断する。
そしてすぐにゴート公爵邸の壁にたどり着いた。
振り向けば、仲間たちもすでに俺のそばまでたどり着いている。
「よし、じゃあこの壁の上に乗る。乗ったらロープを垂らしてラーズ族を引き上げる。壁から下りる分には、あの俊敏さなら俺の助けを借りずに着地出来るだろう。ゼロスはレノアを乗せて壁を越えてくれ。そして壁を越えたら、全員で斜め左側の中央棟を目指す。いいな?」
全員がうなずく。
その中でレノアがゼロスを見る。
ゼロスが笑みを浮かべてうなずいた。
レノアも微笑を返す。
「じゃあ、背中に乗せてもらうよ」
ゼロスは、レノアが乗りやすいように少し屈んで姿勢を低くした。
「よっと」
レノアは危なっかしくゼロスの背に乗った。
途端にゼロスが足を伸ばす。
「おっと」
レノアが少しバランスを崩すも、なんとか耐えた。
するとゼロスが、自らの背に乗るレノアに言った。
「わたしにしっかりと摑まってくれ。首に手を回すといい」
レノアがすぐに応じる。
「わかった……こうかな?」
レノアがゼロスの首にしっかり掴まり、前傾姿勢となった。
俺もレノアにアドバイスを送る。
「足で、ギュッとゼロスのお腹を挟むようにするといい」
「こ、こうかな?」
レノアが、見よう見まねで足を内側に絞る。
「それだ!それがいい!それなら足手まといにならなくてすむ」
レノアの声に、俺も同意した。
「確かに、それならいけるかもしれない。でもゼロス、ほんとうに大丈夫なのか?」
「大丈夫だと思う。あれくらいならばな」
「わかった。なら全員で行こう。ラーズ族たちは、俺が壁の上からロープを垂らして引き上げる。どうせすぐに見つかるんだ。ぐずぐずしなければ、構うことはない」
レノアが力強くうなずいた。
「よし、ではあの壁を全員で越えて一気に裏庭を駆け抜け、中央棟に侵入する。そして二階にいるであろうワイズマンを確保。さらに四階に駆け上がってゼークル伯爵を続けて確保し、早々に脱出する。途中、ゴート公爵と出くわしてしまったら、僕が話す。それでいいね?」
俺はレノアの案に同意した。
「わかった。では早速行こう。ワイズマンたちが別の部屋に移動してしまう前に。ゼロス、いいか?」
ゼロスが首を縦に振る。
「無論だ。レノア、いつでも乗ってくれて構わない」
ゼロスがそう言うと、レノアが少し申し訳なさそうな顔をした。
「ありがとう。でも壁までは歩くよ」
「そうか。わかった」
俺はうなずき、馬車の荷台に置いてあったロープを持つと言った。
「よし、では行こう。まずは壁のところまでだ」
俺は先陣切って馬車から飛び降りた。
次いでレノア、ゼロス、ラーズ族の順に馬車を下りる。
すぐにゴート公爵邸に隣接した大きな通りに出た。
俺は首を左右に振って、周囲を確認する。
ひと通りはない。まったくの無人だ。
俺は仲間に合図を送り、通りを横断する。
そしてすぐにゴート公爵邸の壁にたどり着いた。
振り向けば、仲間たちもすでに俺のそばまでたどり着いている。
「よし、じゃあこの壁の上に乗る。乗ったらロープを垂らしてラーズ族を引き上げる。壁から下りる分には、あの俊敏さなら俺の助けを借りずに着地出来るだろう。ゼロスはレノアを乗せて壁を越えてくれ。そして壁を越えたら、全員で斜め左側の中央棟を目指す。いいな?」
全員がうなずく。
その中でレノアがゼロスを見る。
ゼロスが笑みを浮かべてうなずいた。
レノアも微笑を返す。
「じゃあ、背中に乗せてもらうよ」
ゼロスは、レノアが乗りやすいように少し屈んで姿勢を低くした。
「よっと」
レノアは危なっかしくゼロスの背に乗った。
途端にゼロスが足を伸ばす。
「おっと」
レノアが少しバランスを崩すも、なんとか耐えた。
するとゼロスが、自らの背に乗るレノアに言った。
「わたしにしっかりと摑まってくれ。首に手を回すといい」
レノアがすぐに応じる。
「わかった……こうかな?」
レノアがゼロスの首にしっかり掴まり、前傾姿勢となった。
俺もレノアにアドバイスを送る。
「足で、ギュッとゼロスのお腹を挟むようにするといい」
「こ、こうかな?」
レノアが、見よう見まねで足を内側に絞る。
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