1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ

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第二章

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「貴様!何をするか!」

 ゴート公爵の怒号が廊下に響き渡る。

 だが俺は意に介さず、蒼龍槍の先端をゴート公爵に向ける。

「決まっている。ゼークル伯はいただいていく」

 俺はそう言うと、首をめぐらしラーズ族を見る。

「中にいるはずのゼークル伯を、引きずり出してこい!」

 俺の命に、ラーズ族が素早く反応する。

 三人一斉に室内へと侵入する。と同時に、室内から複数人の悲鳴が上がる。

 するとそれを防ごうと、重装警備兵たちが金属同士が掠れる騒がしい音を立てつつ、前に出ようとする。
 
 俺はそれを蒼龍槍を突き出し、威圧する。

「動くな!」

 重装警備兵たちが、俺の怒号にビタリと止まる。

 だが次の瞬間、一度は止まった重装警備兵たちが、意を決して雄たけびを上げながら俺に襲い来る。

 俺は蒼龍槍を振り回し、重装警備兵たちを吹き飛ばす。

 凄まじい轟音が鳴り響く中、ゴート公爵が苛立ち混じりに叫ぶ。

「ひとりを相手に、なにをぐずぐずしておるか!早くこの痴れ者を捕えんか!」

 ゴート公爵の叱咤を背中に受けて、重装警備兵たちが殺到する。

 だが俺も、ここで引くわけにはいかない。

 縦横無尽に蒼龍槍を振るい続ける。

 寄せては返す波のような敵の度重なる突進を防いでは、弾き飛ばした。

 そのとき、ゴート公爵の眉が曇った。

 ゴート公爵はずいっと一歩前に足を踏み出すと、大声で叫ぶように言った。

「おい!貴様、英雄小僧か?」

 俺は苦笑しつつ、答える。

「まあそうだ」

「ずいぶんと雰囲気が変わったように思えるが……」

 俺は事情を説明するのは面倒だと思い、すかすことにした。

「そうか?」

「ふむ……遠目で見ただけであるが……まあよい。ともかく勝手な真似は大概にせよ!」

 どうやらやり過ごせたようだ。

 俺がホッと一息ついていると、ゼークル伯の室内からラーズ族たちが飛び出してきた。

 そのうちのひとりの手の中には、逃れようと暴れるゼークル伯がいた。

「な、なにをするか!その汚い手を離せ!ええい!汚らわしい!」

 その様子を見て、レノアが叫ぶ。

「ゼークル伯爵はいただいた!それでは僕らはこれで失礼する!」

 ゴート公爵が叫び返す。

「このような乱暴狼藉が許されると思っているのか!」

 するとゼークル伯爵が、ゴート公爵に同調する。

「そ、そうだ!このようなこと、許されるはずがない!」

 うるさいな。俺はそう思い、素早く移動して蒼龍槍の尻でゼークル伯爵のみぞおちを打った。

 ガクンと首を落とし、ゼークル伯爵が気絶する。

 それを見たレノアは、可愛らしい笑みを浮かべながら、肩をすくめた。

 そしてゴート公爵に向き直り、言い放つ。

「そうは言われても、このゼークル伯爵は僕らにとっては王女殿下暗殺を企てた極悪人ですので、捕まえるのは当然です!」

「だからといって我が邸宅に無断で押し入り、勝手に拉致してもよいと考えておるのかと問うている!」

 レノアが再び肩をすくめた。

「ま、こうして実際にゼークル伯爵を引きずっているので、よしと考えているんでしょうね」

「他人事のような言い分!許すまじ!」
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