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第二章
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重装警備兵たちは驚愕し、ガチャガチャと金属製の鎧の結合部が擦れ合う音を立てた。
そうしてラーズ族は、ついに彼らの視界から完全に消え失せた。
「元に戻って」
レノアの指示により、再びラーズ族が姿を現す。
徐々に姿が現れ、鮮明になっていく。
その間、ゴート公爵たちは固唾を飲んで見守った。
そしてラーズ族が完全にその姿を現すと、一同からため息が漏れた。
ゴート公爵も息を吐き出し、次いで言った。
「こやつらが今回の斥候役か」
レノアはまたも顔の前でパンと手を叩いた。
「ご明察!彼らが事前に偵察し、この館の詳細な見取り図を手に入れました」
ゴート公爵は重々しくうなずいた。
「考えられる限り、最悪の斥候だな」
レノアは満面の笑みでうなずいた。
「敵から見れば最悪ですが、味方からすれば最高ですよ。なにせ透明になれるのですから、斥候役として最適だと言えます」
ゴート公爵はまた軽く顎を引き、難しい顔で考え込んだ。
「だがそれでも……帝国は強大だ」
「無論です。ですから、僕らもまだ帝国と事を構える気はないと、先ほども申しました」
ゴート公爵が目線だけ上げて、レノアをギロリと睨んだ。
「まだ……ということは、いずれは……と思っているのだな?」
「当然です。僕らの望みはアルデバラン王国再興です。となれば、現在我が国の領土を不当にも占領している帝国を退けなければなりません」
「出来ると思うておるのか?」
レノアは力強い視線で、ゴート公爵を見つめた。
「出来ます!ティラノレギオンはいまだ発展途上の軍団です。ですが、その戦力は急激に、そして飛躍的にアップしております!ならばいずれ、帝国をも凌駕する戦力となり得ましょう。そのときには何卒、公爵のお力添えを賜りたいと思っております!」
ゴート公爵が、ギロリとレノアを睨みつけた。
レノアはその視線を、真正面から受けた。
両者の間に、激しく火花が散った。
視線で射抜こうとするかの如きゴート公爵、対するレノアは、何としても気圧されまいと裂帛の気合で受け止める。
しばらく続いたこの武力を用いない戦いは、ゴート公爵がふと目を伏せたことで終わりを告げた。
ゴート公爵は、相変わらずの難しい顔つきで視線を落としながら言った。
「いずれ……か。確かにいずれは、帝国とも伍するだけの戦力となるかもしれんな」
レノアの顔が明るくなった。
「はい!いずれ必ず我らの軍団は、帝国を圧倒してみせましょう!」
だがゴート公爵の顔は、レノアと対照的に暗かった。
「だがまだ弱い。とてもではないが、お前たちの味方など出来るものではない」
そうしてラーズ族は、ついに彼らの視界から完全に消え失せた。
「元に戻って」
レノアの指示により、再びラーズ族が姿を現す。
徐々に姿が現れ、鮮明になっていく。
その間、ゴート公爵たちは固唾を飲んで見守った。
そしてラーズ族が完全にその姿を現すと、一同からため息が漏れた。
ゴート公爵も息を吐き出し、次いで言った。
「こやつらが今回の斥候役か」
レノアはまたも顔の前でパンと手を叩いた。
「ご明察!彼らが事前に偵察し、この館の詳細な見取り図を手に入れました」
ゴート公爵は重々しくうなずいた。
「考えられる限り、最悪の斥候だな」
レノアは満面の笑みでうなずいた。
「敵から見れば最悪ですが、味方からすれば最高ですよ。なにせ透明になれるのですから、斥候役として最適だと言えます」
ゴート公爵はまた軽く顎を引き、難しい顔で考え込んだ。
「だがそれでも……帝国は強大だ」
「無論です。ですから、僕らもまだ帝国と事を構える気はないと、先ほども申しました」
ゴート公爵が目線だけ上げて、レノアをギロリと睨んだ。
「まだ……ということは、いずれは……と思っているのだな?」
「当然です。僕らの望みはアルデバラン王国再興です。となれば、現在我が国の領土を不当にも占領している帝国を退けなければなりません」
「出来ると思うておるのか?」
レノアは力強い視線で、ゴート公爵を見つめた。
「出来ます!ティラノレギオンはいまだ発展途上の軍団です。ですが、その戦力は急激に、そして飛躍的にアップしております!ならばいずれ、帝国をも凌駕する戦力となり得ましょう。そのときには何卒、公爵のお力添えを賜りたいと思っております!」
ゴート公爵が、ギロリとレノアを睨みつけた。
レノアはその視線を、真正面から受けた。
両者の間に、激しく火花が散った。
視線で射抜こうとするかの如きゴート公爵、対するレノアは、何としても気圧されまいと裂帛の気合で受け止める。
しばらく続いたこの武力を用いない戦いは、ゴート公爵がふと目を伏せたことで終わりを告げた。
ゴート公爵は、相変わらずの難しい顔つきで視線を落としながら言った。
「いずれ……か。確かにいずれは、帝国とも伍するだけの戦力となるかもしれんな」
レノアの顔が明るくなった。
「はい!いずれ必ず我らの軍団は、帝国を圧倒してみせましょう!」
だがゴート公爵の顔は、レノアと対照的に暗かった。
「だがまだ弱い。とてもではないが、お前たちの味方など出来るものではない」
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