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第二章
474
俺は部屋の隅で二人のやり取りを見聞きし、ため息を吐いた。
なるほどな。特権階級の者たちにとって、明日は我が身となるようなことに賛同するはずがない。そういうことか。
だとしたら、これはまずいかもしれない。
もし裁判を強行することによってオルダナ中の貴族を敵に回すことになるのだとしたら、得策とは言えない。
さて、レノアはどうするつもりなのか。
俺はそう思い、視線をレノアに合わせる。
だがレノアは能面のような冷たい表情を浮かべてゼークルを見下ろしている。
その表情からは、ゼークルの言葉に動じているようには見えなかった。
どうやら策があるらしい。
なら問題ない。この件はレノアに任せよう。
俺は壁にもたれかかっていた身体を起こし、ゆっくり静かに部屋を出た。
部屋を出て、しばらく歩くと庭の隅でちょこんと座るメルアが見えた。
俺はゆっくりとメルアに近づいていく。
すると、メルアが俺に気付いた。
人懐っこい笑顔で俺をニコニコと見つめる。
俺はその魅力的な笑顔を見て、思わず口角を軽く上げた。
「そんなところで何をしているんだ?」
俺の問いに、メルアが答える。
「見てください。可愛いお花が咲いているんです」
メルアはそう言って、足元に一輪だけ咲いた小さな白い花を、いとおしそうに見つめている。
「俺には雑草のように見えるんだが」
メルアが可愛らしく小首をかしげる。
「う~ん、雑草といえば雑草ですね。でも、可愛いでしょ?」
俺は片眉をピンと跳ね上げ、答える。
「まあ、そうだな」
「でしょ?とっても可愛らしいわ。それに健気ね」
「健気?」
「ええ。だってこのお花、一輪だけで元気に咲いているんだもの。健気だと思うわ」
確かに、この花の周囲には他に咲いている花はない。
「そうだな」
俺が同意すると、メルアが喜んだ。
「そうでしょ!やっぱりカズマさんは変わっていませんね」
俺は驚いた。
そういえば、先ほども同じようなことを言っていた。
皆、俺の突然の変化に戸惑っているにもかかわらず、メルアだけは初めに少しだけ驚いたあとは、これまで通り普通に接してくれている。
何故メルアは、動じないんだ?
俺はその疑問を素直にぶつけてみた。
「メルア、俺のことを何故カズマだと認識できたんだ?」
するとメルアがきょとんとした表情に変わった。
そして顎に指を当て、考え込んだ。
「さあ、どうしてでしょう?」
疑問に疑問で返されてもな。
「聞いているのは俺の方なんだが」
メルアがにこりと笑う。
「そうでしたね。でも、そうですね……何故かはよくわかりません」
なるほどな。特権階級の者たちにとって、明日は我が身となるようなことに賛同するはずがない。そういうことか。
だとしたら、これはまずいかもしれない。
もし裁判を強行することによってオルダナ中の貴族を敵に回すことになるのだとしたら、得策とは言えない。
さて、レノアはどうするつもりなのか。
俺はそう思い、視線をレノアに合わせる。
だがレノアは能面のような冷たい表情を浮かべてゼークルを見下ろしている。
その表情からは、ゼークルの言葉に動じているようには見えなかった。
どうやら策があるらしい。
なら問題ない。この件はレノアに任せよう。
俺は壁にもたれかかっていた身体を起こし、ゆっくり静かに部屋を出た。
部屋を出て、しばらく歩くと庭の隅でちょこんと座るメルアが見えた。
俺はゆっくりとメルアに近づいていく。
すると、メルアが俺に気付いた。
人懐っこい笑顔で俺をニコニコと見つめる。
俺はその魅力的な笑顔を見て、思わず口角を軽く上げた。
「そんなところで何をしているんだ?」
俺の問いに、メルアが答える。
「見てください。可愛いお花が咲いているんです」
メルアはそう言って、足元に一輪だけ咲いた小さな白い花を、いとおしそうに見つめている。
「俺には雑草のように見えるんだが」
メルアが可愛らしく小首をかしげる。
「う~ん、雑草といえば雑草ですね。でも、可愛いでしょ?」
俺は片眉をピンと跳ね上げ、答える。
「まあ、そうだな」
「でしょ?とっても可愛らしいわ。それに健気ね」
「健気?」
「ええ。だってこのお花、一輪だけで元気に咲いているんだもの。健気だと思うわ」
確かに、この花の周囲には他に咲いている花はない。
「そうだな」
俺が同意すると、メルアが喜んだ。
「そうでしょ!やっぱりカズマさんは変わっていませんね」
俺は驚いた。
そういえば、先ほども同じようなことを言っていた。
皆、俺の突然の変化に戸惑っているにもかかわらず、メルアだけは初めに少しだけ驚いたあとは、これまで通り普通に接してくれている。
何故メルアは、動じないんだ?
俺はその疑問を素直にぶつけてみた。
「メルア、俺のことを何故カズマだと認識できたんだ?」
するとメルアがきょとんとした表情に変わった。
そして顎に指を当て、考え込んだ。
「さあ、どうしてでしょう?」
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メルアがにこりと笑う。
「そうでしたね。でも、そうですね……何故かはよくわかりません」
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