1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ

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第二章

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 ゼロスが首を横に振った。

「いや、確率論ではない。信じがたいことではあったが、別人である可能性は考えられなかった」

 俺はあのときのことを思い起こす。

「そうか。オーラだな?」

「そうだ。オーラはそれぞれ固有のものだ。お前は、燦然と輝く虹色のオーラに覆われている」

「確か、これまでに見たことがない色だと言っていたな?」

「うむ。虹色のオーラなど、見たことも聞いたこともない。見たことがあるのは、オーラではなく……我が一族に伝わる秘宝だけだ」

 ゼロスの一族の秘宝。それはゼロスが体内に隠し持っている握り拳大の玉だ。この玉は、虹色の輝きを放っている。

 その玉の虹色の輝きと、俺のオーラは瓜二つらしい。

 だから、ゼロスは俺をカズマ本人だと認識したというわけだ。

「つまり、ゼロスにとって自己同一性は、オーラによって担保されるってことか」

 ゼロスが重々しくうなずいた。

「わたしにとっては、そうなるな」

「それ以外ではどうだ?」

 俺の問いに、ゼロスが難しい表情となった。

「それ以外か……」

 ゼロスは軽く小首をひねったり、軽い溜息を吐いたりなどした。

「……お前の記憶だな」

「そうだったな。俺が知る、ゼロスやレノアの情報を話したんだったな」

「うむ。それはカズマでなければ知り得ない情報だった。故にお前をカズマだと判断できたと言える」

 俺は少しうつむき、考える。

「今ゼロスは、まずオーラの話をし、次いで記憶の話をした」

「うむ。それがどうかしたか?」

「いや、少し気になっただけだ」

 ゼロスが探るような視線を俺に向ける。

「何が気になったのだ?」

「どちらの方が、ゼロスにとって重要だったのかと思ってな」

 ゼロスの目が、スーッと細まる。

「わたしが重要視するのは、やはりオーラだ。オーラは意図的に偽れるようなものではないからな」

「そうだな。俺たちには見えないものを、偽りようがない」

「その通りだ」

「では記憶だけだった場合、どうなっていたと思う?」

 ゼロスは視線を外して下を見る。

 どうやら黙考しているようだ。

 しばらくしてゼロスが口を開いた。

「疑っていたやもしれぬ」

「つまり、記憶単独では断定できないということか」

「うむ。何かしらの種や仕掛けがあるかもしれないと、疑心暗鬼に駆られていた可能性はある」

 俺はゆっくりと小刻みに何度もうなずいた。

「そうだな」

 ゼロスが俺を見つめる。

「王女のことが心配か?」

 俺はゆっくりとうなずいた。

「アリアスやギャレットは、俺のことを信用していない。それでは今後、なにがしかの影響が出ても不思議じゃないだろう」
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