1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ

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第二章

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 俺は文面をパッと見て、眉をひそめた。

 汚い字だ。殴り書きとはこのことだな。正直、かなり読みづらい。

 俺はとりあえず差出人を知ろうと思い、文面の一番下を見た。

 これまた汚い字だが、アル……う~ん、最後の方は、マン……か?

 俺は顔を手紙に近づけ、よくよく見る。

 そこには確かに――アルファード・ワイズマン――と書かれてあった。

 あんの野郎。

 俺は即座に視線を手紙から離し、門の外を睨みつけた。

 やつめ、どこかから見ているんじゃないのか?

 俺はしばらく視線を動かし、やつの姿を探した。

 だが何処にも、その姿は見えなかった。

 俺は仕方なく諦め、視線を手紙に落とした。

 そのとき、確認のため屋敷に向かった門衛が戻ってきた。

 彼は、俺の前に立ち止まるなり、姿勢正しく敬礼した。

「大変失礼いたしました!確認できましたので、どうぞお通りください!」

 俺の目の前にずっといた門衛も、慌てて敬礼した。

 俺はうなずき、言った。

「ご苦労様。じゃあ戻るわ」

 俺はそう言うと、さっと踵を返した。

 ふたりの門衛が呆気に取られているのも構わず、俺は文面を読みながら屋敷へと戻って行った。



 俺は屋敷に戻るなり、アリアスの居室に向かった。

 レノアと相談するためだ。

 アリアスと顔を合わすのは、正直気まずい。

 だが仕方がない。

 俺は意を決して歩を進めた。

 すると途中で、運よく廊下の向こうから、こちらに向かってくるレノアと出くわした。

 よかった。これでアリアスと顔を合わせずに済む。

 俺は、正直ほっとしている自分に気付いた。

 結構深刻だな。アリアスだけじゃない。俺の方もかなり重症のようだ。

 だがひとまずは――

「レノア、これを見てくれ」

 俺は大声で、遥か先のレノアに語り掛けた。

「うん?なに?どうしたの?」

 レノアが、怪訝そうな顔でこちらに近づいて来る。

 俺は、手に持った手紙をひらひらさせて近づく。

 そして廊下の中央で袖すり合う距離となり、俺は手に持った手紙をレノアに差し出した。

「なに?手紙?」

「ああ。汚い字だから読みにくいがな。差出人を見てくれ」

 レノアは俺から手紙を受け取るや開き、視線を文面の下に移動させる。

 そして行き当たった文字を見て、険しい表情となった。

「ワイズマン!あいつからか!」

 俺はうなずいた。

「どうやらそのようだ」

「なんて書いてあるんだ!?」

 レノアも、どうやらワイズマンの悪筆に悪戦苦闘しているようだった。

「事の経緯が書いてあるよ。アリアスを傷つけたことは、本意じゃなかったってな」
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