1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ

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第二章

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「だがあいつは、自分は用心棒だと言っていたぞ?話が違うじゃないか」

 レノアはまだ怒っている。

 だが表情を見れば、だいぶ和らいでいるようにも見えた。

 俺は、話を続けた。

「ワイズマンとしては、用心棒のつもりだったそうだ。邪険な態度を取られはしたが、彼の方からしてみれば、幼い頃の淡い思い出があった。だからとりあえず、しばらくは滞在しようと思ったんだそうだ」

「ふん!どうだかな。それで?とにかく僕はこのミミズがのたうち回ったような汚い字が読めない。先を続けてくれ」

 俺は何度目かの苦笑いをすると、レノアの望み通りに先を語った。

「ところが滞在して見ると、ゼークルが地下牢に女性たちを拉致監禁して、ひどいことをしていることを知った。ワイズマンはゼークルに対して抗議をしたそうだ。だがまったく相手にされなかったようだ。それどころか、居候の分際で意見をするなと吐き捨てられ、ワイズマンの産みの母親を嘲る言葉も出たそうだ」

「それで?」

 レノアのトーンが落ちている。

 俺は話を続けた。

「そこへ、俺たちがゼークルを狙っているという情報が入った。一応用心棒のつもりだったため、当初は迎撃するつもりだったようだが、胸中は複雑だった」

「ふん!それで?」

 レノアはいまだ怒っているポーズを取り続けているが、もはや内心収まっているように俺には思えた。

 だが続きを急かされているため、俺はさらに話を続けた。

「そこで屋敷内に侵入した俺たちと出くわした。まさか俺たちのような若い連中だと思っていなかったワイズマンは、だいぶ驚いていたらしい。そして話をしてみたところ、ワイズマンの心の中の正義感がむくむくと湧き上がってきたのだそうだ」

「……で、俺たちの味方になったと言っているのか?」

「そうだな。文面にはそう書いてある」

「ふん!信じられるものか。結局裏切っているし」

「最終的にはそうだな。だがこの屋敷に戻ってくるまでは、本当に味方のつもりだったようだぞ」

「そんなの、あいつの言い分じゃないか」

「そうだ。俺はあくまで文面をレノアに伝えているだけだ」

 レノアは鼻から大きく息を吐き出した。

 まるで胸中の怒りを外に吐き出すかのようだった。

「それで、どうして王女殿下を襲ったのかは書いてある?」

 俺はゆっくりとうなずいた。

「屋敷に到着し、とりあえず地下の牢獄にゼークルを放り込んだらしいが、そこでもう一度ゼークルと話がしたいと思い、夜中に牢獄に会いに行ったんだそうだ」

「そこで泣き落としにあったというわけか」

「そのようだ。ゼークルはワイズマンに対し、このままでは殺されてしまうだのなんだの喚いたそうだ」
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