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第二章
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かなり巨大な建物だ。
バーン商会は、大陸全土に支店を有する大商会だが、ことの興りはオルダナ王国だった。
それ故、その首都ミラベルトに置かれた支店は、最大級の大きさを誇るらしい。
もっとも本店は首都ではなく、別のところにあるとのことだ。
詳しく聞いてはいないが、これから会いに行くバーン商会の創始者が初めて店を構えた地に、本店はあるらしい。
俺たちはゆったりとした足取りで、バーン商会へと足を踏み入れた。
建物の中に入ると、広大なロビーが俺たちを出迎えた。
様々なひとびとがせわしなく行き来している。
どうやら正面に受付があるようだ。
俺は歩みを止めることなく、その受付へと向かう。
規模の大きな商会のため、受付係も十人程が横並びでずらっと構えている。
そのそれぞれが、列をなす来訪者たちの用向きを聞いていた。
どの列も、十人以上が並んでいる。
これは時間がかかりそうだ。
俺は軽く溜息を吐いた。
それを聞き取ったのか、ゼロスが鼻を鳴らした。
おいおい、俺が待つってことは、ゼロスだって待つんだぜ。
俺はそういう視線をゼロスに送った。
と、列の最後尾にたどり着いた。
どの列も同じくらい並んでいる。
なら、何処に並んでも大差はない。
俺は特に選ぶことなく、目の前の列の最後尾についた。
すると、途端にゼロスが座り込んで丸くなった。
ああ、そういうことね。俺は立ってなきゃいけないけど、ゼロスは寝転がれるのか。
ふん、とはいってもひとり要件が終われば、歩かなければならないんだ。
いちいち立って歩いては寝てじゃ、面倒くさいだろうに。
だが俺の予想に反して、列は全然動かなかった。
いや、横の列は動いている。
右を見ても、左を見ても、少しずつではあるが、ゆっくりと動いている。
動いていないのは、俺が並んだ列だけだった。
今度は、先程とは異なる大きなため息を吐いた。
それを聞いて、またぞろゼロスが鼻を鳴らす。
ちゃんと列を選ぶべきだった。
そうすれば……いや、そんなの中々見抜けないものだ。
どの列が早く進みそうかなんて、わかるようでいてわからない。
わかるやつがいたら、教えてもらいたいくらいだ。
この列も、別段そんな気配はなかった。
だが、実際にこの列だけが動いていなかった。
俺は首を伸ばして先頭を覗き込んだ。
……見えない。
だが、声は聞こえる。なにやらもめているようだ。
だろうな。だから列が進まないんだ。
すると、俺のすぐ目の前に並ぶふたり連れが、話し合った末に揃って列を離れた。
そして、隣の列の最後尾に並びなおした。
俺もどうせ最後尾だ。
あとに続くとしよう。
バーン商会は、大陸全土に支店を有する大商会だが、ことの興りはオルダナ王国だった。
それ故、その首都ミラベルトに置かれた支店は、最大級の大きさを誇るらしい。
もっとも本店は首都ではなく、別のところにあるとのことだ。
詳しく聞いてはいないが、これから会いに行くバーン商会の創始者が初めて店を構えた地に、本店はあるらしい。
俺たちはゆったりとした足取りで、バーン商会へと足を踏み入れた。
建物の中に入ると、広大なロビーが俺たちを出迎えた。
様々なひとびとがせわしなく行き来している。
どうやら正面に受付があるようだ。
俺は歩みを止めることなく、その受付へと向かう。
規模の大きな商会のため、受付係も十人程が横並びでずらっと構えている。
そのそれぞれが、列をなす来訪者たちの用向きを聞いていた。
どの列も、十人以上が並んでいる。
これは時間がかかりそうだ。
俺は軽く溜息を吐いた。
それを聞き取ったのか、ゼロスが鼻を鳴らした。
おいおい、俺が待つってことは、ゼロスだって待つんだぜ。
俺はそういう視線をゼロスに送った。
と、列の最後尾にたどり着いた。
どの列も同じくらい並んでいる。
なら、何処に並んでも大差はない。
俺は特に選ぶことなく、目の前の列の最後尾についた。
すると、途端にゼロスが座り込んで丸くなった。
ああ、そういうことね。俺は立ってなきゃいけないけど、ゼロスは寝転がれるのか。
ふん、とはいってもひとり要件が終われば、歩かなければならないんだ。
いちいち立って歩いては寝てじゃ、面倒くさいだろうに。
だが俺の予想に反して、列は全然動かなかった。
いや、横の列は動いている。
右を見ても、左を見ても、少しずつではあるが、ゆっくりと動いている。
動いていないのは、俺が並んだ列だけだった。
今度は、先程とは異なる大きなため息を吐いた。
それを聞いて、またぞろゼロスが鼻を鳴らす。
ちゃんと列を選ぶべきだった。
そうすれば……いや、そんなの中々見抜けないものだ。
どの列が早く進みそうかなんて、わかるようでいてわからない。
わかるやつがいたら、教えてもらいたいくらいだ。
この列も、別段そんな気配はなかった。
だが、実際にこの列だけが動いていなかった。
俺は首を伸ばして先頭を覗き込んだ。
……見えない。
だが、声は聞こえる。なにやらもめているようだ。
だろうな。だから列が進まないんだ。
すると、俺のすぐ目の前に並ぶふたり連れが、話し合った末に揃って列を離れた。
そして、隣の列の最後尾に並びなおした。
俺もどうせ最後尾だ。
あとに続くとしよう。
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