1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ

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第二章

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 俺だけじゃない!

 確かにそれはあり得る。

 実際に今、バーン翁と俺は同時代を生きている。それは、エニグマに聞いた鍛冶屋とバーン翁も同じだ。ふたりの年齢を考えれば、彼らは同時期にこちらの世界に存在したはず。

 ならば今まさに、こちらの世界に複数の転移者がいてもおかしくはない。

 いや、いるはずだ。

 俺はここまで考えて、再び肺腑の中の空気を一気に吐き出した。

「それで、どうなんだ?実際にいるのか?」

 バーン翁はにやりと口角を上げた。

「さて、どうかな。少なくとも、わしは現時点ではお前さん以外の転移者は確認しておらぬ」

「本当に?」

 バーン翁は顔を上げて呵々と笑う。

「本当じゃ。今のところは、お前さんだけじゃ」

「わかった。だがまだ聞きたいことが山ほどある」

「じゃろうな」

「あんたも、レベルが通常よりもガンガン上がるのか?」

 バーン翁は俺をじっと見つめ、その後しばらく視線をそらした後、再び俺を見据えた。

「昔はな」

「やはりか!」

 バーン翁はゆっくりとうなずいた。

 だが次の言葉は、俺を驚かせた。

「じゃが今はもう、ほとんど上がらぬよ」

 そうなのか!?無限に上がり続けるわけじゃないのか!?

 俺の顔が、思っていることを如実に物語っていたのだろう。

 バーン翁は苦笑しつつ言った。

「永遠に上がり続けるわけではないようだ。年齢を重ねるごとに、その上がり幅は小さくなっていった。じゃから、今ではもうほとんど上がらなくなった。どうやら加齢とともに衰えるようじゃな」
 
「そうだったのか……」

 バーン翁はまたも俺のかをじっくりと見つめた。

「残念そうじゃな?」

 俺はバーン翁とは視線を合わさず、答えた。

「そうでもない。ただ、そのことを考えてはこなかったから、驚いただけだ」

「本当か?今のお前さんの顔は、そうとは見えんかったぞ?」

 面倒くさいじじいだ。

 俺は視線をバーン翁に合わせ、言った。

「本当だよ。これまでは際限なくガンガンレベルが上がっていったから、それを当然のように思ってしまっていただけさ。まったく残念じゃないとは言わないが、それほどでもない」

 バーン翁は俺の顔をじっと見つめた。

「……ふむ、まあいいじゃろ。他になんぞ聞きたいことはあるか?」

 俺は軽く深呼吸をして考えた。

「そうだな……あんたは、何故世界統一をしようとしなかったんだ?」

 バーン翁は肩をすくめた。

「そういうことに興味はなかったな。若き日の冒険は楽しかったが、ただそれだけだ。特に国家をどうこうしようとは思わなんだ」
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